中国が日本に「尖閣周辺の武器使用を自制している」と言う本当の理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月15日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。中国が尖閣周辺での武器使用を自制していると日本政府に伝えたニュースについて解説した。

習近平氏、長江経済ベルト全面的発展推進座談会で重要演説=2020(令和2)年11月14日 新華社/共同通信イメージズ

中国~尖閣周辺の武器使用を自制していると説明

共同通信によると、中国海警局の船が沖縄県・尖閣諸島周辺で活動する際、海上保安庁の巡視船や日本漁船に対する武器使用や強制退去を「自制している」と中国政府が日本政府に伝えていたことがわかった。一方日本は、尖閣は日本固有の領土だと反論し、領海侵入などの中国側の活動自体を強く批判している。

飯田)これは共同通信が自社のスクープのような形で報道しています。中国は自制しているのだということですが。

須田)自制しているから日本に対しては配慮しているし、「緊張関係は高まって行かないからよかったね」と、このニュースを読むのではなくて、中国側としては、「日本と緊張関係を高めるつもりはないが、今後の日本の出方次第だ」ということなのです。何が問題なのかというと、尖閣周辺で何か起こったときに、それは警察権の行使の範囲で行くのか、軍事行動なのか。しかし白黒がはっきりしないグレーゾーンがあります。警察権の行使ということになると、日本側は海上保安庁、中国側は海警がやらなければならない。

飯田)そうですね。

沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P-3C」 から=2011年10月13日 写真提供:産経新聞社

日本が法律を整備すると、「日本側が事態をエスカレートさせているではないか」と言う中国

須田)しかしグレーゾーンに対してどう対応するのかということに関して、中国側は自国内の法律を整備することによって、そこがシームレスになったのです。継ぎ目がなくなった。問題がエスカレートして行くに従って、中国側は自国内の法律でスムーズに事態を動かすことができる。しかし日本の場合、安全保障法制は改正されたけれども、グレーゾーン自体に関してはまだ継ぎ目があるのです。そこがつながっていないという状況にある。だから日本が法律を整備してそこに対応し始めると、中国側としては、「日本側が事態をエスカレートさせているではないか」ということになる。いや、あなたたちの方が先だろうというところではあるのだけれども、そういう口実を与えかねない。そうならないためには、「我々は自制しているのだ」というスタンスを保っていることが必要になります。ある意味、これは罠に近いのではないかと思います。

飯田)日本側が下手に動くというか、あまり勇ましいところが出過ぎると、それはそれで……ということですか?

須田)法律改正などの議論が起こって来ると、中国側は「日本が事態をエスカレートさせている」という物言いが成立してしまう。

飯田)進め方が非常に難しいですね。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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