松井五郎プロデュースのオンラインプログラム 東京Ø区「朗読者のいない黄昏」

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に作詞家の松井五郎が出演。自身のプロデュースするオンラインプログラム、「東京Ø区(とうきょうぜろく)」について語った。

松井五郎

黒木)今週のゲストは作詞家の松井五郎さんです。作詞家として3200曲以上の歌詞を提供されています。40年ですから、普通に割ると年間80曲になります。

松井)そうですね。もちろん、デビューしたころはそれほど仕事もありませんでしたが、いちばん多かったときは1年に250曲以上やっていた年もありました。

黒木)そうなのですか。出て来る言葉が似通ってしまいませんか?

松井)最初はそれも気を付けていたのですが、まるっきり同じフレーズはもちろん使いませんけれど、やはりアレンジが違い、歌手が違い、時代が違うと意味は変わって来ると思うのです。例えば「ディスタンス」という言葉がありますが、10年前とコロナ禍のいまでは全然意味が違うではないですか。ですので、そこはあまり怖がらなくなりましたね。

黒木)「モチベーションは書くことに飽きないこと」とおっしゃっているようですね。そんな松井さんですが、いろいろな取り組みをされていて、「東京Ø区(とうきょうぜろく)」というオンラインプログラムのプロデュースも手掛けています。「東京Ø区」を松井さんからご説明いただけますか?

松井)セブンアカデミーというカルチャースクールでの講座がありまして、そこでのプログラムになります。普通は講師がいて授業をするというのがカルチャースクールだと思うのですが、もう少しエンターテインメント性を加味した形になります。基本は朗読なのですが、言葉の世界を演じたものを配信しています。

黒木)すでに2月24日に「Trigon Session」という、声優の野島健児さんとイラストレーターのキン・シオタニさんの出演で1回目が終わって、2回目が4月17日、3回目が5月13日に予定されています。これは、1回目と同じように朗読が中心になっているのですか?

松井)そうですね。1回目は朗読とライブペインティングと言いまして、朗読に合わせて即興でキン・シオタニさんがイラストを描いて行くというパフォーマンスを配信させていただきました。2回目と3回目はお2人の声優さんなのですが、私の書いた作品を朗読していただくという形のプログラムになります。

黒木)朗読の魅力というのは、どのようなところなのでしょうか?

松井)音楽の歌詞をやっていたときに、悪いことではないのですが、作詞というのはメロディやいろいろなものに縛られて行くわけではないですか。「そこを開放してあげたときに、自分でどのような言葉の作品がつくれるのかな」というところがあって取り組み始めました。

黒木)本当に言葉そのものの力が勝負ですよね?

松井)そうですね。

黒木)1回目が「Trigon Session」で、2回目、3回目が「朗読者のいない黄昏」というタイトルがついていますが、この「朗読者のいない黄昏」という大変詩的なタイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?

松井)もとは私が自分でつくっていた詩集のタイトルでもあるのですが、皮肉と言うと変ですけれど、結果的に言葉や表現というものは消えて行くものではないですか。録音されて残るものでもあるのですが、その瞬間に表現されているものというのは、本当は2度と戻れないものを私たちは連続してやっていますよね。その意味で、「朗読者のいない黄昏」という言葉が表す意味としては、刹那的な表現の価値のようなものを表現できたらな、と思ってつけた名前です。

黒木)本当にその刹那的なという言葉がストンと落ちました。

松井)私のなかでは人生そのものがそうだと思いますが、皆さん、同じような生き方の繰り返しをしているようで、実はどれも1回でしかない。歌もそうだと思うのですが、歌にしても詩にしても、一瞬一瞬の持つ熱量のようなものをどれだけ生かして行くことができるのかというのが、自分の仕事のような気はしています。

松井五郎

松井五郎(まつい・ごろう)/作詞家

■1957年、岐阜県生まれ、横浜育ち。
■1981年、CHAGE&ASKAのアルバム『熱風』で作詞家としてデビュー。
■安全地帯、工藤静香、BOOWY、氷室京介、郷ひろみ、MAX、V6など幅広いアーティストに作品を提供。現在までの総作品数は3200曲以上。
■2009年、坂本冬美の「また君に恋してる」で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。「勇気100%」はジャニーズで歌い継がれ、2020年にはジャニーズが歌った手洗いソング「Wash Your Hands」の作詞も話題となった。
■作詞活動の他、多数のアーティストのプロデュースを手がけるなど、さまざまなプロジェクトを展開。

■2021年からは、言葉を中心に表現の解放区をつくって行くオンラインプログラム「東京Ø区(とうきょうぜろく)」を開催。
※松井五郎さんの詩を主体に、ゲストを毎回入れ替えて展開する朗読コラボレーション。さまざまなアーティストが登場し、唯一無二の物語をオンラインで全国に配信する。
※2021年2月24日の第1回目には、声優の野島健児氏とイラストレーターのキン・シオタニ氏が出演。朗読とライブペインティングが配信された。
■2回目以降も開催予定。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳


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