芸人であり手相占い師である島田秀平がパーソナリティのポッドキャスト番組「島田秀平とオカルトさん！」（ニッポン放送 Podcast Station ほか）の8月13日の配信回で、2つの「怪談」が語られた。

画像を見る（全4枚） 「島田秀平とオカルトさん！」

同番組では、今回より4人の若手芸人による怪談No.1決定戦『SOSグランプリ』がスタート。初回となる今回は、予選Aブロックの怪談バトルが開催された。“テレビ番組の怪談コーナーも担当する本格派”川口英之と、“自身の配信番組でたびたび霊障が起こる”お笑いコンビ「世界事情」の阿部剛が対戦。先手・川口英之は、仲の良い後輩が体験した不思議な出来事について語った。

川口：僕が芸人になってから２～３年目の話です。週に5日遊ぶくらい仲のいい後輩がいたんです。夏になって「心霊スポットに行きましょうよ」という話になったんですね。後輩の友達に車を運転してもらって、神奈川県にある心霊スポットに行ったんです。

島田：そこはどういう場所だったんですか？

川口：展望台があって、ふもとの公衆トイレで自殺があった…という場所だったんです。写真を撮ったり、動画をまわしたりしたんですけど、何も映らなかったんですね。拍子抜けして車で帰ったんですけれど、仲が良かった後輩に異変がありまして。家で「シュー」っていうガス漏れの音がするって言うんです。

島田：ガス漏れの音、気になりますね…。

川口：どこで漏れているのかを調べても、それらしき場所が見つからなかくて、「気のせいか」と思う事にしたそうなんですけれど。しばらくして、また「シュー」っていう音が聞こえるようになったんですね。あまりに気になるので、アパートの両隣の家を訪ねて、「ガス漏れしてませんか？」と聞いても、そういう事はなかったんです。

島田：変ですよね。

川口：後輩も気が滅入ってしまった様子なので、僕の知り合いで霊感の強い方を紹介したんですね。その方が後輩を見るなり、開口一番で「憑いてるね」って言うんです。僕らは心霊スポットに行ったときに、悪い霊が憑いてしまったんだと思ったんですけど。

島田：そうじゃないんですか？

川口：そうではなくて。後輩が付き合っている彼女さんの「生き霊」が憑いているという話だったんです。静かにしてほしい時に、口元で人差し指をあててする「しー」を、後輩の後ろでしているという話をされていて。この「しー」の音が、ガス漏れの「シュー」に聴こえていたと。

島田：はい。

川口：後日、後輩がこのことを彼女に言ってしまったんですね。「霊感がある人からこう言われた。もう生き霊を飛ばしてくるな」と。そしたら、彼女が口に人差し指をあてて「しー」としてきたそうなんです。

島田：えぇ！？

川口：なんで彼女の生き霊が憑いていたのか…後輩に思い当たるところを聴いたんですね。先輩・友達付き合いが多かった後輩が、「彼女と別れたい」と思うようになっていたそうなんです。彼女はそれを切り出させないように「しー」と口止めしていたんじゃないかと。

島田：深い愛情の裏返しで、生き霊を飛ばしてしまったと。

川口：そうなんです。

彼を想うあまり、後輩に憑いてしまった彼女の生き霊。川口の巧妙な語り口で披露され、凍りつくスタジオ。一方、後手の阿部剛は、自身が体験した怪談話を披露した。

「島田秀平とオカルトさん！」

阿部：これは僕が引っ越し先を探していたときの話なんですけど。横浜方面で仕事をする機会が増えたので、自由が丘付近で物件を探していたんです。ある日、建物はすごく古いのですが、部屋が広くてベランダも付いていて、風呂トイレ別で、家賃が６万円という物件があったんです。

島田：いい部屋ですね。

阿部：そうなんです。あまりにもいい物件だったので、不動産屋さんが物件のオーナーに「事故物件じゃないですよね？」と尋ねたのですが、事故物件ではなかったんですね。特にいい部屋だったので、そこに住むことに決めたんです。引っ越してしばらくすると、体が重くて、頭が痛い…という日が続いたんです。「引っ越して環境が変わったせいだ」と思っていたんですけど。ある日の朝、布団で寝ていたら、足元を「ぐっ」と引っ張られたんですね。

島田：えっ！？

阿部：でも、そんなに怖くなかったので、気にせず住み続けていたんです。それから数日して、郵便受けを見たら、僕じゃない〇〇様という封筒が届いていたんですね。「前に住んでいた人宛てかな？」と思って、送り主に返したんです。その時、ふっと思ったんです。宛名にあった〇〇さんが、この物件で亡くなられたのかなと。よくよく見ると、廊下の低い位置に手すりを付けた後があったり、部屋に入るたびに線香のような桐箪笥のような古い匂いがするんです。

島田：はい。

阿部：そこで、部屋の四隅に盛り塩をしてみたんです。すると数分後に、玄関から「ドン！」と大きな音がしたんです。

島田：えぇ～～！！

阿部：あきらかに、部屋の中から外へ飛び出していく音で。やはり前に住んでいた方が出て行ってくれたのかなと思います。

自身の恐怖体験を、臨場感あふれる語りで聴かせた阿部。

川口英之、阿部剛

甲乙つけがたい2つの怪談を、スタジオの審判員が判定し、「彼女の生き霊」の怪談話を披露した川口英之が決勝に進出。『SOSグランプリ』優勝に王手をかけた。