ショウアップナイター エピソード55
<エピソード28~胡口和雄アナウンサーの思い出に残る地方球場(2)~>
~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~
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ショウアップナイター実況担当の胡口和雄アナウンサーが、地方球場で目撃した様々な衝撃的「事件」を明かした。
今年2021年に55周年を迎えるニッポン放送ショウアップナイター。その実況担当であるニッポン放送の胡口和雄アナウンサーは、およそ50年間も携わっているため、全国各地の球場に足を運んでいる。そんな、実況や中継レポーターとして今まで訪れた数ある球場の中から、思い出に残る球場について胡口アナが語った。
「山口県にある下関球場。1989年3月4日、初めてこの球場でプロ野球の試合(大洋対巨人のオープン戦)が行われるという事で私が実況で行きました。しかし当日は、雨で試合ができそうもない状態。そして公式に中止のアナウンスを出していないのにどこかの記者が誤って『今日の試合は中止です』と流しちゃう始末。僕はそれを移動中の車の中で聞いて『今日は無しなんだなぁ』と思って現場に着いたらとんでもない、『誰が中止の情報を出したんだ!』という騒ぎになっていました。結局、球団の営業部長さんが灯油をまいてグラウンドの水分を蒸発させて試合開始にこぎつけた訳です。そして、この試合でホームランを打ったのは当時新人だった大洋の谷繫元信さんでしたね」
「スタジアムに行くのが大変だったのは、仙台・山形・岩手という東北シリーズだね。岩手の岩手県営野球場だったかな?当時は球場から駅にいく道が一本道しかなかったんだよね。だから帰りは、物凄く渋滞していたよね。試合後の取材が終わってバスでホテルまで帰るのだけど渋滞でまあ動かない。道路には歩いて帰る人もいっぱいいましたが、駅までの途中、僕が乗っていたバスに『乗せてくれ』という人がいてね、運転手さんは『停留所でないので乗せることはできません』という訳。でもずっと止まっているからバスの中のお客さんが『おい、乗せてあげればいいじゃないかよ~』と言って結局乗せてあげていましたね。とにかく渋滞したなという思い出ですね」
「やっぱり一番印象的だったのは、熊本の藤崎台県営野球場かな? 1987年6月11日の巨人対中日戦、僕はレポートで行っていました。この試合中、中日のピッチャー宮下昌己が投じた1球がクロマティの背中に当たって乱闘騒ぎ。当時、中日の監督だった星野仙一さんや巨人の王貞治監督をはじめ両軍入り乱れる事態に。それをまじまじ見ていたから『うわ~凄いところに遭遇したな』って記憶がありますね。後日クロマティさんと食事する機会があって、なんとなくその話が出たときにクロマティさんは『いや~あの時、僕はママに怒られた。なんでそんなことやったんだ』って言っていて反省していましたね。衝撃的な出来事もあって、非常に印象深い球場です」
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連載情報
ショウアップナイター エピソード55
ニッポン放送「ショウアップナイター」55周年を記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく
2021年、放送開始から『55周年』のシーズンを迎えるニッポン放送の看板プロ野球中継番組「ニッポン放送ショウアップナイター」。記念となる一年に『55!!(GoGo!!)みんなのプロ野球 』をシーズンキャッチとして、55 周年にちなみ55の企画をお届けしていく。
ニッポン放送ショウアップナイターHP:https://baseballking.jp/showup