大谷翔平「これからも一番の選手を目指して行きたいです」 ~60分のIt’s SHOW TIME! 記者会見取材レポート

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2021年11月15日に日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見を行った米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手。この会見を、限られた取材人数の抽選をクリアして取材したニッポン放送・遠藤竜也記者がレポートする。

大谷翔平選手

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11月15日(月)10時からおよそ1時間にわたって、東京・千代田区にある日本記者クラブで行われた、アメリカメジャーリーグ・エンゼルスで活躍中の大谷翔平選手の記者会見。

日本記者クラブでの記者会見は今回が3度目。1度目は4年前、メジャーリーグへの挑戦を表明し、さらにメジャーリーグ1年目を終えて新人王を獲得した3年前にも、数百人の取材陣を前に、ひと言ひと言思いを込めて大谷選手は語ってくれました。

そして今回、緊急事態宣言は解除されているものの、感染拡大防止の観点から、会見場の取材とオンライン取材の選択性がとられました。全世界同時に生で視聴できるオンライン配信ができたこともあり、特に海外メディアを含め、やはり数百人もの取材申し込みがあったそうです。

実際に会見場へ入場しての取材が許可されたのは、抽選で選ばれた90人。TVカメラは合計10台、カメラマン24人に制限され、ある意味静けさのなかでの記者会見となりました。

大谷選手と言えば「非常にまじめできちんとしている」「球場ではごみを拾い、それが日本人の評判を高めた」といった評価を国内外でされていますが、今回の記者会見でも、その一端が伺えるシーンがいくつかありました。

まず10時からの記者会見に2~3分前に現れ、会見席に座ったあと、自分でマイクの位置を整え、いつ会見が始まっても大丈夫な準備をする。記者会見中には質問した記者の方に身体を向け、音声が届きやすいようにマイクスタンドの位置を微妙に自分で変え、目を合わせてゆっくり丁寧に答える。

どんな内容の質問(例えばお金や結婚など、プライベートにまつわる内容)にも基本笑顔で答えたり、記者会見後に会見場を出る際は、自分で座っていた椅子を元の位置に戻し、去って行く……といった、なにげない行動のなかに人間性がすごく出ている記者会見でした。

ちなみにホームラン46本を放ち、最終盤までホームラン王争いの位置にいたことなど、今年(2021年)の成績に関しての質問も多くありました。そこはやはりこの1~2年、手術などで試合に出られなかったこともあり、今年の素晴らしい成績に関しては「楽しかった、でもまだできると思います」と発言するなど、自分自身でもまだまだ伸びしろがあるという、きちんと来年(2022年)を見据えた考えに既に切り替えていることが垣間見えました。

日本記者クラブの会見場

日本記者クラブの会見場

私も何とか野球にまつわる質問をしようと手を挙げ続け、質問の機会を得ることができました。「質問は1社1回まで」という縛りがあったため、この1回の質問に要素を2つ入れ込みました。

1つ目は、「恩師の栗山英樹・日本ハム前監督が、次の侍ジャパン監督の有力候補と言われています。もし栗山監督が2年後のWBCに向けて、大谷選手に侍ジャパンに入って欲しいとお願いされたらどうしますか?」と質問しました。

大谷選手は少しはにかみながら、「それは招集されてから。まだ先の話ではあるので。コンディションを含めて自分がそういう立場にいなければいけない。日本選手がどんどんレベルアップしていますので、まずは自分の成績をそれに見合ったものにすることが大切だと思っています」と力強く語りました。

そして2つ目は、「大谷選手は4年前、この日本記者クラブでの記者会見で『一番の選手になる』とおっしゃいました。今シーズンの成績などを踏まえて、どこまで一番に近づくことができたか? また一番になるに当たり、足りないものがあるならそれは何なのか? 教えて下さい」と聞きました。

大谷選手は、「自分にはまだ足りないものばかりですが、その目標に向けて確実にレベルは上がったと思っていて、そこは自信をもって行ける。これからも一番の選手を目指して行きたいです」と、私の質問から大谷選手が答え終わるまでのおよそ2分間、実に丁寧に、時おり笑い声も交えながら答えてくれました。

「まだまだ自分は高みに昇ることができる……」大谷選手のもともと持っている謙虚さに加え、4年間で積み上げた自信。2022年も「オオタニサーン」「It‘s SHOW TIME」を、非常に楽しみにしたいと思います。

(ニッポン放送 報道スポーツコンテンツセンター 副部長 遠藤竜也)

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