致死率の低い「オミクロン株」は「5類」にするべき ~高橋洋一が指摘

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。1年3ヵ月ぶりに上方修正した財務省の景気判断について解説した。

致死率の低い「オミクロン株」は「5類」にするべき ~高橋洋一が指摘

変異株「オミクロン株」=2021(令和3)年11月27日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

財務省の全国の景気判断 ~1年3ヵ月ぶり引き上げ、沖縄のみ引き下げ

財務省は1月25日に全国財務局長会議を開き、全国の景気判断について「緩やかに持ち直している」として、2020年10月以来、1年3ヵ月ぶりに引き上げた。ただ、地域別では先月からオミクロン株の感染が拡大した「沖縄」の景気判断を全国で唯一引き下げた。

ここでのデータは10~12月のもの ~オミクロン株の前で落ち着いていた時期

飯田)去年(2021年)の秋以降の流れが、ここに反映されているという感じでしょうか。

高橋)この会議は3ヵ月に1回開いています。1月に開いた場合のデータは10~12月なのです。10~12月は感染が比較的落ち着いていました。

飯田)オミクロン株の感染拡大がまだ起こっていない時期です。

高橋)波も静かでしたから、ここは持ち直しますよ。感染者数が少なかったから、そのときは岸田政権の支持率も高かったでしょう。そして景気も少し持ち直しているからでしょうね。このニュースがいつの話をしているのかということを言わなければいけません。10~12月のデータしかないので、やりようがないとは思いますけれどね。要は、ひと息ついた時期の話をしているのです。

重要なのは1~3月のデータ ~オミクロン株は致死率が低いのだから「Go To」はやるべき

高橋)いまはそうではなくなって来て、まん延防止等重点措置が出ています。だからいまは1~3月のデータが重要なのだけれど、予測としてはよくないでしょう。

飯田)当然消費は落ち込んで行きますよね。

高橋)自粛させているのだから、落ちてしまうと思います。観光ビジネスなども落ちるでしょう。

飯田)ワクチン・検査パッケージも停止する、「Go To」もやらないと。

高橋)「Go To」は2月からやるという話だったのだけれど、なくなってしまった。オミクロン株は致死率が低いのだから、やめなくてもいいのではないでしょうか。季節性インフルエンザと大差ないのに、なぜやめたのでしょうか。

致死率の低いオミクロン株 ~季節性インフルエンザと同等の扱いでいいのでは

飯田)規制をかけるのは、「人流の抑制」という政策目的のためだということですが、人流抑制にどれだけの効果があるのかと。

高橋)人流抑制は効果がないとわかっているのです。「季節性インフルエンザが流行したら人流抑制をしますか」と質問した方がいいですよ。しないですよね。

飯田)季節性インフルエンザが流行る1~3月期に、人の流れを抑制して経済を止めるかと言ったら、そんなことは一切やっていません。

高橋)やっていないですよね。これまで新型コロナウイルスに関しては、「致死率が高くて未知のものだ」という前提条件があって抑制していたわけですけれど、もう「未知のもの」とは言いにくいですよね。

致死率の低い「オミクロン株」は「5類」にするべき ~高橋洋一が指摘

30日から新型コロナウイルス感染症の専門病院となる東京城東病院の病室。左奥は新たに設置された陰圧装置=2021年9月29日、東京都江東区 写真提供:時事通信

医療崩壊はコロナによってではなく、それに対する施策によって起ころうとしている

飯田)メールやツイッターでもご意見をいただいています。鹿児島県いちき串木野市にお住まいのお医者様から。「無料PCR検査の弊害」という件名が付いています。「地方の開業医です。今回始まった無症状者に対する無料のPCR検査が、臨床現場で弊害となっています。うちの医院でも検体採取を行って、PCR検査は外部の検査機関に委託しています。無料検査が始まる前には、午前中に提出すると、その日の夜に結果が判明していたのですが、県内各所で無症状者の無料検査を行うようになってからは、2日経っても結果が判明しません。問い合わせると『検体数がものすごい数になっていて、報告が遅延している』と。うちが提出しているのは、発熱等の症状がある方なのです。症状のある方に対して陰性を確認したあと、院内で各種精密検査を行って治療していたのですけれども、結果が判明しないので、その後の検査を行うことができないし、治療を行うこともできない。そのまま2~3日待たせることになってしまうのです。いますぐにでも治療が必要な有症状症例の治療・加療が遅延するという、あってはならないことが起こっています。医療崩壊はコロナによって起こるのではなく、それに対する施策によって起ころうとしているのではないでしょうか」と、こう結論付けています。

高橋)いまは検査なしでも治療していいと思います。仕組みそのものが「2類相当」になっている時点で、無理があるのです。「2類相当」の位置付けを変えるべきだと思います。季節性インフルエンザなどと同じレベルに毒性が下がっているのなら、(新型コロナの)分類も下げるべきでしょう。

飯田)戦い方を変えて行くと。

高橋)危険度が2番目に高い「2類相当」として扱っていると、多くの人に問題が出て来てしまう。

飯田)これを言うと「命を軽視しているのか」というような意見が出そうですが。

高橋)季節性インフルエンザでも亡くなる人はいますからね。それと、普通の病気の方にしわ寄せが行ってはいけないと思います。通常医療を受けたい方がコロナのためにはじかれてしまったら困るでしょう。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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