キャスターの辛坊治郎氏が2月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。この日岸田総理大臣が発表した、プーチン大統領のウクライナをめぐる行動について3つの制裁措置について解説した。
岸田総理大臣はきょう2月23日午前、プーチン大統領のウクライナをめぐる行動について3つの制裁措置を発表した。「いわゆる2つの共和国の関係者のビザの発給停止と資産凍結」「いわゆる2つの共和国との輸出入の禁止」「ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行流通の禁止」……この3つである。
辛坊)ということで、まあ、はっきり言ってこんなもの、軍事侵攻ですよ。一応、軍事侵攻と言わないのは、プーチン大統領が軍隊を派遣すると言ったウクライナの2箇所に関して言うと、もうすでにウクライナは自分の国として領土を保全できていないというか、国境線はあるんだけれども実質ロシア派という人達が軍事的に占領してしまっていて、そこに軍隊を送るだけなら、新たな軍事侵攻だという見方をアメリカはいまのところしてないから、という。
「いわゆる2つの共和国」……なぜ「いわゆる2つの共和国」かというと、まあロシアは「2つの共和国」と言っていますが、ロシア以外は国として認めていないので、ウクライナの「一地方」にすぎないですから「共和国」とは言えないので「いわゆる2つの共和国」という言い方をするわけですが。
それにしても「岸田総理は3つの制裁措置を発表しました」ということで 「おお、日本もついに制裁をやる気になったのか!?」 ……いや、日本ができることは確かに限られていますから、しょうがないと言えばしょうがないのですけれども、この3つの制裁……
「いわゆる2つの共和国の関係者のビザの発給停止と資産凍結」って、それ日本に何人いるんだよ。そもそもいまコロナでは入ってこられないし、これほぼほぼ意味がない。
次、「いわゆる2つの共和国との輸出入の禁止」。ほぼほぼ、意味がないですね。だいたい、ウクライナの東の端のかなり狭い面積のところで、なおかつウクライナといま戦闘状態になってそこから物なんか運びだせない、ただしここは炭田がある。実はこの2つの共和国って石炭がとれるのです。だけど日本ってわざわざこんなところから石炭買ってこないですよね。だから「いわゆる2つの共和国との輸出入の禁止」。ほとんど価値はない。意味がない。名前だけ。
もうひとつ、「ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行流通の禁止」。ソブリン債って、何? 白菜の親戚か? みたいな。違います。国債というのとほぼ同じ意味で、政府保証のある債券です。だからロシアの新しい債券は日本で発行流通禁止って、いま誰がロシアの国債を買うんだよ!
増山さやかアナウンサー)じゃあほぼ何か(影響がない)、という感じなんですね。
辛坊)まったく何も言わないとカッコ悪いから一応言ってみました、という。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)