キャスターの辛坊治郎氏が3月3日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。ウクライナに侵攻したロシアの国営通信による誤配信について分析・解説した。
辛坊)いままでロシアは、自国の兵士の死亡というのを発表していなかったのですが、ここへ来てようやく発表し始めました。ロシアの国防省は、ロシアの将兵498人が死亡した、1597人が負傷したと発表しています。同じくロシアは、ウクライナ側の死傷者は将兵2870人以上なのだと。だから、ウクライナの兵士は3000人近く殺したけども、ロシア側の損害も500人くらいだよと。ただ、こういうのも数字的にはもう信用できないのだけれども、ロシア側がこの発表しているということは、ロシア側にも相当な兵員の命が失われる事態になっているということがこれはもう明らかですね。
だから、もう完全にロシアは想定外だったと。これはもう、いろいろなところの報道で出ていますけれども、ロシアの国営通信社がウクライナ侵攻の2日後にプーチン大統領名で、「戦争に勝った」と。「だから無血開城でウクライナを占領した」と。「これからウクライナはロシアのものだ」のような趣旨の、もうちょっと上級な言い方ですが、例えて言うとそういうことですね、内容的には。言い方を変えると、ロシアの立場からすると、「ロシアのおかげでウクライナは平和な国になった」と。「ファシストが国から追い出された」みたいな勝利宣言みたいなものを、ロシアの国営通信社が、まだ戦闘が始まったばかりのときに流してしまった。
辛坊)どうやらこれは、ロシアとしては、戦争が始まってすぐにウクライナの大統領その他がみんな逃げてしまうと、すぐに無血開城で全土掌握できて、要するにロシアには1人の兵員の損害もなく、あっという間にウクライナが占拠できると思っていて、そういう「予定稿」を書いていて、その「予定稿」が表に出ちゃったという。
よくツイッターとか、私のYouTubeなんかもそうですけれども、「何月何日何時何分にアップロード」って決めて打ち込んでおくのですね。たぶん、それを解除するのを忘れてたんじゃないかということで、本音のところが表に出ちゃって、すぐにまたそれは削除されたそうですけれども。「ああ、プーチン大統領の本音はこの辺にあったんだな」というのが、端無くも見えてしまったという一幕が、この2日くらいのあいだにありましたけれども。
辛坊)どうやらやっぱり、そういうプーチン大統領の思い通りにはなっていないと。でもね、どうなんだろう、アメリカにとってもその辺りは想定外、誤算だったのではないのかなと思うんだよね。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)