黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(3月17日放送)に歌手で俳優の亀梨和也が出演。役者としての心境の変化について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。3月14日(月)~3月18日(金)のゲストは歌手で俳優の亀梨和也。4日目は、亀梨和也が役者として思うことについて---
黒木)亀梨さんとは、WOWOWで放送・配信されている『連続ドラマW 正体』で私もご一緒させていただきましたが、全部で4話ありますが、どれがいちばん亀梨さん自身に近いですか?
亀梨)難しいですね。
黒木)全話、同じ鏑木慶一なのですが、話ごとに少しずつキャラクターを変えているではないですか。
亀梨)そこも今回、自分のなかで持っていた大きなテーマです。1人の人間がいて、逃亡するために仕方なく少し姿を変えて行く。喋り方なども若干のニュアンスは変えましたが、やりすぎてしまうと鏑木自身の人間性が薄れて来てしまうではないですか。鏑木が「そんなに器用なの?」というような、その辺のリアリティも追求したかったですね。
黒木)やりすぎることなく。
亀梨)本質的には、鏑木は人を欺くことを好まないタイプだけれども、目的のために致し方なくせざるを得ないというか、その辺の心地悪さのようなものを、どの役にも持っていようと思いました。
黒木)心地の悪さを。
亀梨)楽しかったのは金髪になった2話ですね。いつもスタッフさんが、「おおジョージ」と言ってくれるので、僕も金髪姿を「シュッ」とした気持ちで楽しませていただいていました。
黒木)宝塚の男役を見ているようなときめきがありました。
亀梨)パックもして、きちんと美を意識していた時間でした。続いて3話のときは崩すようなところがあったので、3話の久間という役のときには、その逆を見出そうとしました。
黒木)3話のときは、中田秀夫監督がポスターで出演なさっているのですよね。少し笑いました。
亀梨)監督が現場にいらっしゃいましたのでご挨拶をしたら、最初、気付かれなくて、すごく素っ気なかったのですよ。少ししてから「あれ、亀梨君だ。ごめん、ごめん」というような。
黒木)成功ではないですか。
亀梨)現地のスタッフさんかと思ったそうです。監督が「どうしてもやりたい」と言ったのに、全然気付いてくれなかった。あれは面白かったですね。
黒木)監督自身が気付かなかったというくらい変貌していたのですね。それでもカッコよかったです。よくぞあそこまでやられましたね。
亀梨)楽しかったですね。
亀梨)10代20代の若いころというのは、いま思えば、「自分がこう見られたい」というのがどこかにあったと思います。もちろん、それもあの時代には重要なことだと思いますが。でも、役者のお仕事をさせていただいて年々思うことは、「どこまで自分の許容範囲を越えられるのかな」ということです。
黒木)許容範囲を。
亀梨)自分の嗜好ではないところまで飛んで行くということを最近は意識しています。もともとジャニーズなので、「こう見られたい」とか「こう受け止められたい」というようなアイドル的な時間を長く過ごして来たのです。ジャニーズのときは、基本的に顔が見えるように照明を正面からもらうような舞台にしか出たことがなかったのです。
黒木)ジャニーズの舞台では。
亀梨)はじめて蜷川幸雄さんの舞台に出させていただいたときにそれをやったら、「お前はそんなに前向いて、よっぽど自分に自信があるんだな」と怒られて。「あ、前を向かなくてもいいのか」と。
黒木)蜷川さんに。
亀梨)そのような経験をお芝居や舞台、映画などを通じてさせていただいて、自分の持っている枠の小ささを感じながら、試行錯誤して来たので。台本を読んでいて、「こんなことを普通の人は言う?」というようなものでも、やってみようと思えるようになりました。
亀梨和也(かめなし・かずや) / 歌手・俳優
■1986年2月23日生まれ。東京都出身。
■中学1年生の時にジャニーズ事務所に入所。
■1999年『3年B組金八先生 第5シリーズ』で俳優デビュー
■2001年4月、KAT-TUN結成
■ドラマ『ごくせん・第2シリーズ』『野ブタ。をプロデュース』など、数々のドラマ・映画に出演し、俳優としても活躍。
■大の野球好きで、小学6年生の時には軟式の世界大会に出場した経験がある。2010年からはスポーツニュース番組「Going!Sports & News」にも出演。
■3月12日からはWOWOWで放送・配信の『連続ドラマW 正体』に主演。
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番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳