キャスターの辛坊治郎が4月5日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。兵庫県明石市の泉房穂市長がツイッターに企業の課税データを無許可で投稿したというニュースを深読みした。
辛坊が解説したのは「兵庫県明石市の泉房穂市長がツイッターに企業の課税データを無許可で投稿したとして、市議会の複数会派が4日、地方自治法100条に基づく調査特別委員会の設置を、6日から開かれる本会議で提案すると明らかにした」というニュース。
辛坊) 明石市の泉市長というのは、しょっちゅう炎上するんですよ。いっときは、なにか暴言を吐いたって、週刊誌に叩かれて大騒ぎになったんですが、その直後、私ね、明石市に行って住民にいろいろ話を聞いて取材したことがあるんですが、地元の評判は、「なんか、暴言吐くとんでもない首長がいるよな」っていう全国的な印象とは全く違うんですね。
増山さやかアナウンサー) へえ。
辛坊) 今回も、企業の課税データを無許可で投稿したって言って、市議会が怒ってるっていう話なんだけど、市長の気持ちも分からないではないよね。どういう企業の名前を公開しちゃったかというと、地元にある超一流の一部上場大企業ですよ。
ところが、この会社の法人市民税のリストがあるんですが、2011年から2021年までの5年連続で法人税額がゼロなんですよ。法人税ってやつは、儲かってなきゃ払わないですから。それだけのことなんだけど。ところがね、大企業にはそれだけの社会的責任があるだろうと。5年も続けて法人税1円も払わずに、地元で企業でございますって、それは地元の市長からすれば、何なんだよっていう……。節税その他でなっているのか、ほんとに儲からないのか、いろんなケースがありますけれど。日本の企業って、法人税払ってない企業って相当数あるんですよ。
それは、脱税してるとは言いません。実際リアルに儲かっていないとか、利益が出ていないとか。だけど、本来は払ったほうがいいんだけど、節税頑張ってるよねっていうところもあるわけで。企業の格や社会的責任に応じた税金は払ってくれないと世の中回らないよね、っていうことの一つの例として、地元の超大手企業ですよ。川重です。川崎重工業なんですが、5年連続で法人税払ってないってことで。
私はね、税金に関して言うと、公開してもいいなと思うのは、人権侵害だって言ってなくなったんですが、20年前ぐらいかな、どこの税務署でも「高額納税者ランキング」って、税金を納める時の恒例行事であったじゃないですか。
増山) 結構楽しみで見てましたけどね。
辛坊)関西方面で言うと、当時の桂三枝さん、今、文枝さんになられて、つい最近も50年やった番組を降板されたっていうのが話題になった。あの方なんか、毎年関西の長者番付のずーっとトップだったんですよ。当時、三枝さんに話を聞いたら「私は貧しかったので、とにかく社会人になったら、こうやってこの仕事をしてる限りは、高額納税者のランキングの常に1位でいることに意味があるんだ」って言って。だから、頑張って、もしかすると節税しようと思ったらできなくもない状況だったのに、それを一切せずに毎年長者番付のトップにいて、税金払うっていうところを社会的な目標として生きてらっしゃった方もいるんだけど。それが10年か20年ぐらい前に、毎年税金の高額納税者の額でランキングして、名前を出すのは人権侵害じゃないかって話になって、それ以来なくなったんですが。
増山) なくなりなりました。
辛坊) 当時、同じようなは議論あったんですよ。税務署にそれを言ったら何て言ったかっていうと、「これは脱税を防ぐという大きな意味があるんです」と。つまり、近所の人で『あそこ、すごい儲かってるのにランキングのトップの中に出てこない』ということになると、『これは脱税してるだろう』ということで、そういうことあぶり出すということが社会的にもあるから、高額納税者を発表する意味があるんですって言ってた時代はあるんです。
増山) そういう理由で。
辛坊) だったら、大企業で、税金払ってないとこのリストみたいなやつは、あってもいいんじゃないかという思いはあるんですけどね。ここで市長を責めるっていう方向性で、果たしてそれで問題解決するのかっていうのは、ちょっと疑問ですね。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)