春風亭一之輔 「見た目がやさしそう」だった春風亭一朝に弟子入り

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月30日放送)に落語家の春風亭一之輔が出演。落語との出会い、そして落語家になるまでを語った。

真打披露会見を開いた落語家、春風亭一之輔(右)と師匠、春風亭一朝(左) 撮影日:2012年03月08日  撮影場所:東京 内幸町 写真提供:産経新聞社

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月29日(月)~9月2日(金)のゲストは落語家の春風亭一之輔。2日目は、落語との出会いについて---

黒木)小学生のときに落語と出会われたということですが。

一之輔)小学5年生のときに、水曜日の6限にクラブ活動をする枠があったのです。で、あまり人気のあるクラブを選びたくなかったんですよね。

黒木)そこのところから少しひねくれていますね。

一之輔)人がいないところはどこかと。

黒木)それは、孤独が好きだからということですか?

一之輔)目立ちたがり屋なんですが、「やいのやいの」言われたくない。ライバルが少ない方がいいかなと思って。

黒木)なるほど。

一之輔)そんななかで、お笑いも好きだったもので、落語クラブでやってみるかと。落語クラブというのは実演するクラブです。そこに入ったら4人くらいしかいなかったですね。変わり者が集まってくるんですね。

黒木)変わり者が4人。

一之輔)先生に「これ覚えなさい」って言われて。「寿限無(じゅげむ)」と言う落語があるではないですか。名前の長いのを言うやつですが。

黒木)寿限無ですね。

一之輔)「6年生を送る会」というイベントがあってですね、そこで先生に「お前やれ」って言われてやったんですよ。「弥次郎」っていう10分くらいの落語を先生に覚えさせられて。

黒木)弥次郎を。

一之輔)うちの学校は1500人くらい生徒がいるマンモス校だったんですよ。僕の初高座は体育館で1300人くらいを目の前に……。

黒木)素敵なデビューですね。そこから大学に行かれて、落研に入られますよね。

一之輔)高校のときに、運動部やめてぶらぶらしていた時期があって、そのときに浅草の演芸ホールにふらっと入って。そうしたらお客さんも少なくて。出てくる芸人がやる気がないんですよ。

黒木)(笑)。

一之輔)聴いているお客さんもそんなにやる気がない。お金払って入ってるわりには、お弁当食べてたりビール飲んでたりして、そんなに笑わない。「この自堕落な空間は一体、何だろう」と思いましたね。

黒木)何だろうと。

一之輔)「いいな」という。その辺もひねくれているのかなぁ。

黒木)性に合ったのですかね。

一之輔)合うんですね。すごいなと思ったのは、最初はまるで聴いていなかったお客さんが、何人も何人も寄席って出てきますから、トリに向かって段々段々、バラバラだったお客さんが1つになっていくんですよね。

黒木)トリに向かって。

一之輔)最後に出た落語家さん、昇太師匠の師匠で、春風亭柳昇師匠という方だったんですけど、おじいちゃんですよ。滑舌もあんまりよくなくて。まあそれはキャラクターっていうか芸風なんですが。「はぁはぁはぁはぁ」言ってる落語で。柳昇師匠になったら、いままでバラバラだった老若男女が、「ドン!ドンドンドン!」とウケてる。それを観て、「なんかちょっと、かっこいいなぁ」と思ったんですね。

黒木)たまたま入った浅草演芸ホールで。

一之輔)同年代もいないし。

黒木)たまたまっていうのも。これも運命的な出会いなのでしょうね。

一之輔)そうでしょうね。日曜日の昼間「ブラ~ッ」と浅草を……僕は千葉なんですけど。近い方なんでね、歩いてましたら、「ブラ~ッ」と引き寄せられましたね。

春風亭一之輔

黒木)それでそのまま、大学行かれて、落研に入られて。

一之輔)そうですね。

黒木)それで、たまたまラジオで聴かれた一朝師匠のところに入られて。

一之輔)そうです。春風亭一朝の出ていたラジオの寄席中継がありまして。それ聴いて、「この人は気持ちいい落語をやられる人だな」と思って。

黒木)気持ちいい落語を。

一之輔)あとは寄席に出たかったですね。変な空間の高座の上に上がって「落語をやりたいな」と思ったんですよ。

黒木)高座に上がって。

一之輔)大ホールではなく、浅草の演芸ホールのようなちっちゃな小屋で、「フラッ」と来た人たちを前に、落語を15分だけ喋って「ツッ」と帰っていくみたいな。「そんな生活、楽しそうだな」と思って。で、寄席にしょっちゅう出ているうちの師匠で、落語ももちろん上手いし、そういうところ入ろうかなって。あとは見た目がやさしそうっていうのも大きいですね。

黒木)実際お優しかったのですか?

一之輔)優しいというか放任ですね。あんまりこう、落語の修行って、家の掃除や洗濯のもするんですけど、「うちはいい、そういうのは」って。

黒木)その分お稽古しなさいと。

一之輔)時間を有効に使えと。ただ、「その時間に何をやっていたのか」、「いまどんな落語覚えているのか」とか、そういうことは聞かれますよね。

黒木)なるほど。

一之輔)怠けていると、何にも言わないですけどね。何も言わないけど、「怠けてんな、こいつは」と、そういう扱いをされます。あまり厳しいことは言わない。

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/  落語家

■1978年・千葉県生まれ。
■小学校時代の部活動・落語クラブで「弥次郎」を演じる。
■日本大学芸術学部放送学科入学し、すぐに落語研究会に所属。
■大学卒業後、春風亭一朝に入門。春風亭一朝に師事。
前座名は「朝佐久」。2004年、「一之輔」として二つ目昇進。
■NHK新人演芸大賞落語部門大賞、文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞受賞など、
数々の賞を受賞し、2012年、異例の21人抜きの抜擢で真打昇進。
■2012年、2013年に2年連続して国立演芸場花形演芸大賞の大賞を受賞。
■年間900席もの高座をこなしながら、ラジオ・テレビなど多方面に活躍。
■10月28~30日、落語会・独演会『2022落語一之輔~三昼夜ファイナル~』を開催。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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