M-1で緊張する「ぺこぱ」の2人を助けた先輩芸人の「一言」
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(10月20日放送)にお笑いコンビのぺこぱが出演。2019年のM-1で舞台に立ったときの心境について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。10月17日(月)~10月20日(金)のゲストはお笑いコンビのぺこぱ。4日目は、2019年当時のM-1ついて---
黒木)松陰寺さんはラジオのときは違う名前で出演しているのですか?
松陰寺)僕たちがやっている「オールナイトニッポン0(ZERO)」では本名の松井勇太という名義でやらせてもらっています。
シュウペイ)誰ですか?
松陰寺)フォれ(俺)の本名です!
黒木)そのときはメイクはされないのですね。
松陰寺)メイクもしてないですし、そんなに肯定することもなく、普通のおじさんが淡々と話しています。
黒木)メイクをしていらっしゃらないと街で歩いていてもわからないのではないですか?
松陰寺)これが本当に気付かれないのですよ。
黒木)そうでしょう。
松陰寺)テレビに出始めて3年経つのですけれど、犬の散歩していても気付かれないですね。テレビ局でもメイクしないで行くと入れないときありますもん。止められてしまって。
シュウペイ)相方の僕も気付かないときありますよ。「あれ、待ち合わせ場所のどこ?」と周りを見ていると、「いや、いるよ」って、目の前にいたりとかするので。
黒木)シュウペイさんはよく遅刻なさるのでしょう。M-1のときもね。
シュウペイ)ああ、M-1のときも遅刻しましたね。
松陰寺)遅刻するじゃないですか、大急ぎで来るのかなと思いきや意外とゆっくりシャワー浴びてから来るのですよ。余裕を感じるのですよね。
黒木)2019年のM-1のときは先輩の方に「優勝を狙っていけ、順番とか考えるな」とアドバイスされたのですって?
松陰寺)M-1では出演順を決める「笑神籤(えみくじ)」があるのですが、本当にぶっつけ本番なので、何番が出るかわからないのですよね。
黒木)ガチなのですね。
松陰寺)トップバッターは不利な条件になりがちなので、ほとんどの演者さんは「トップは来るな」という待ち方をしているのですよ。
黒木)そうでしょうね。
松蔭寺)僕らの師匠のTAIGAさんというピン芸人の方がいるのですが、その人に「それを絶対やるな」と言われたのです。
黒木)待つときに。
松蔭寺)「トップ来い、トップ来い」と思えと。それで来なかったら「2番来い」と、「いつでも行ける前向きな気持ちで挑め」と言われたのです。
黒木)なるほど。
松蔭寺)それを実行していたら結局、出番が10番目だったではないですか、その「トップ来い」のテンションで疲れちゃって、肩の力がいい感じで抜けていましたね。
黒木)練習もあまりなさらなかったと。
シュウペイ)しなかったですね。
黒木)そのあたりがやはり度胸がありますね。
松陰寺)運がよかったとしか言いようがないですね、順番に関しては。
シュウペイ)どんなに練習していても、あのM-1の本番がいちばんできがよかったので、やはりそこに持っていけたというのはあるね。
松陰寺)確かにいちばん自然にできたかなと思います。
黒木)待っているからこそ疲れてしまって、肩の力が抜けてできたと。
松陰寺)すべてがいいように重なりましたね、現象が。
シュウペイ)M-1の前半でミルクボーイさんやかまいたちさんがウケすぎて、もう「今年のM-1は終わってしったな」と。
松陰寺)本当に思いましたね。
黒木)面白かったですからね、それまで。
松陰寺)ミルクボーイさんで、もう本当に「今年のM-1終わったやん」というのは後ろにいる芸人がみんな思っていましたよ。だから「テレビでネタができるからやるか」くらいの感じでした。
シュウペイ)ネタを披露できるし。
黒木)それにしては、松陰寺さんのあの派手なアクションはすごい熱量でしたよ。
松陰寺)本当ですか。あれよりもっと強いときもあるのですけれど。
黒木)うそ。
松陰寺)本当です。「ロンリネス」で出てきて首と頭をめちゃくちゃ振るじゃないですか。だいたい東京の劇場に行くとあそこはほとんどウケないのですよ、自己紹介に入っていくのですが、M-1のときは僕が頭を振ったときに2~3人のお客さんが「クスクス」と笑っている声が聞こえたのですよ。そのときに「いける」と思いましたね。
黒木)私はテレビで観ながら、「何なんだろう、この人」という感じでした。
シュウペイ)多くの人がそのリアクションで合っていると思います。
黒木)それでやめないのよ。「これ、なに?」と目撃してしまったのでもう釘付けでした。
松陰寺)あのときの僕の「やめる、やめない」のさじ加減を相方が横で見ていて、「きょうの松陰寺が乗っているか乗っていないか」というのがすぐわかるというので。
シュウペイ)すぐ「乗ったな」というのがわかったので、あそこの頭を振っている部分の動きが長くなったのですよ。
黒木)ああ、でもあれがよかったですよね、すごく印象に残りましたし。
松陰寺)確かにめちゃくちゃ気合いを入れたので一瞬、首が「パキッ」となりました。
黒木)本当に?
シュウペイ)いつもにないくらい「パキッ」となっていました。
松陰寺)鳴っているの、わかるよね、隣にいると。
シュウペイ)それでスイッチが入って長くなるじゃないですか、そのあと僕が「シュウペイです」と言い出すから、「この人たち何なの?」ってなりますよね。
黒木)そうなのですよ。
松陰寺)説明が足りなさすぎるよね。
黒木)そうですね、ときを戻してもう1度あれを観たいなと思うくらいです、あの瞬間をね。
松陰寺)首振りを還暦まで続けたいなと思っています。
シュウペイ)となりで衰えて首振れていないのを見ていて辛くなってくると思います。
松陰寺)しっかり鍛えてやっていきたいと思います。
ぺこぱ/ 漫才師
●シュウペイ:1987年・神奈川県出身。
●松陰寺太勇(しょういんじ・たいゆう):1983年・山口県出身。
■アルバイト先で知り合ったピン芸人の松陰寺と、元ギャル男のシュウペイが2008年にコンビ結成。
■ヒップホップ漫才やローラーシューズを履いたパフォーマンスなど、様々な芸風の編成を重ね、2019年元日の日テレ系「ぐるナイ・おもしろ荘」で優勝。
■着物と派手なメイクが特徴的な松陰寺が、着物をスーツに替えて臨んだ「M-1グランプリ2019」では初の決勝進出を果たし、3位に輝いた。
■この「M-1」で披露した「ノリツッコまないボケ」や「時を戻そう」といった印象的なフレーズが大きな話題を呼び、一躍・時の人に。
■それ以降は、数々の番組に出演し、幅広い世代から人気を集めている。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳