数量政策学者の高橋洋一が12月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国からの渡航者への水際対策について解説した。
中国からの渡航者に規制強化
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飯田)中国本土からの渡航者と、中国本土に7日以内の渡航歴があるすべての人に対して入国時検査を行う。陽性となった人は、すべてゲノム解析の対象として、待機施設で原則7日間の隔離措置を講じるようです。
高橋)ゲノム解析するのはいいのですが、アメリカではビザの話までしていますよね。
飯田)発給を停止すると。
中国での「接種率9割」は本当か ~内容データを公表しない中国のワクチン
高橋)「そこまではやらないのかな」と思いました。依頼されてコロナについていろいろと書いているのですが、「コロナがどのように収束するか」というところで、いろいろな国での特色があります。非常に感染者が増えた場合、生き残った人は免疫を持っていますよね?
飯田)感染して免疫ができる。
高橋)感染者が多くなって、免疫を持つ人が増える。あとはワクチンを打って免疫を持つ人が多くなる場合があります。
飯田)ワクチン接種によって。
高橋)ワクチンを打った比率と、感染者数の比率を足し算すると、大体どこの国でも100%を超えてしまいます。100%を超えれば大丈夫なのです。
飯田)100%を超えれば。
高橋)中国は統計数字だと、ワクチンを打った人は90%です。でも感染者数が0.1%なのです。圧倒的に感染者数が少なくて、この数字は統計的に「絶対に違う」と思っていました。
飯田)違うと。
高橋)ワクチンがもともと不活化ワクチンというもので、「こんなに早くできるわけがないのに」というレベルです。実際にデータを公表しないので、どこの国も自分の国のワクチンとしては使えないのです。
集団免疫がないなかで「ゼロコロナ」政策をやめれば感染拡大は必至
高橋)「9割って本当ですか?」と思うのです。いろいろな国を見ていると、ワクチンを打っていても全然関係ないところもあります。公表データでもワクチンの有効性が低いのですね。そうすると90%の人がワクチンを打っていても、「免疫がどこまであるのか」ということに疑問を持っていました。その状態で「ゼロコロナ」という隔離措置をしなくなれば、感染は拡大します。その典型的な例です。
飯田)数字は出てきませんが、報道されているところを見ると、医療ひっ迫も大変なことになっていますね。
高橋)異常なくらいでしょう。「ゼロコロナ」という隔離措置を中心としてやると、結果的にほとんど集団免疫にはならないのです。
飯田)そうですね。
高橋)ワクチンが効けば話は別ですが、ワクチンの有効性も怪しいとなると難しい。どんなタイプが流行しているかもよくわからないですし、いくら何でも不安で仕方がないですよ。
「感染者はほとんどいない」とする中国政府
飯田)民間でのゲノム解析などは、中国では禁じられているという報道もあります。
高橋)だから何も明らかにしないのですよ。打っているワクチンですらデータを明らかにしないのだから、酷い話ですよね。
飯田)明らかにしません。
高橋)一方で中国政府は感染者数などの統計を、捏造しているとすぐにわかるようなデータしか出さないでしょう? 中国政府は少なくとも「感染者はほとんどいない」と言っているのですが、あり得ないでしょう。
飯田)春節を来年(2023年)1月22日に控えていて、人が動き出すなかで、中国の方は海外への渡航の制限を緩めてしまう。
高橋)それなのに日本の水際措置が科学的ではないと言って、内政干渉もしてくる。本当は元を抑えるのが国際常識ではないかと思います。
今回の措置で抑えられるのか
飯田)今回、このような措置をすることになりましたが、これだけで抑えられるのでしょうか?
高橋)種類が違うタイプが日本でも増えてしまって、大変な騒ぎになるかも知れません。
飯田)いまのところはオミクロン型ではないかと言われていますが、これだけ人から人への感染があれば、変異のチャンスも増えてしまう。
高橋)「従来のオミクロン株と違ったら困る」という不安があるから、この手の話については情報公開してくれないと困るのです。しかし、かの国は情報を捏造したり秘密にしたりするのが当たり前ですからね。
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