『鎌倉殿の13人』は「芝居してないでしょと家族から言われた」北条時政役・坂東彌十郎

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(12月19日放送)に歌舞伎俳優の坂東彌十郎が出演。最近の演技活動について語った。

『鎌倉殿の13人』は「芝居してないでしょと家族から言われた」北条時政役・坂東彌十郎

坂東彌十郎

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。12月19日(月)~12月23日(金)のゲストは歌舞伎俳優の坂東彌十郎。1日目は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、ドラマ「クロサギ」など映像作品での演技について---

黒木)かたき役から老け役までいろいろな役を演じていらっしゃる彌十郎さんですが、皆さんご存知のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では北条時政役でご出演なさっておりました。私は「クロサギ」も観ていました。

坂東)ありがとうございます。

黒木)初めてお目にかかるのですが、「御木本!」みたいな。

坂東)あんなに悪くはないと思います。

黒木)満面の笑顔でスタジオにお見えになったので、演技としてされているのだなと改めて思いました。大河ドラマの北条時政役は三谷幸喜さんから直接オファーが来たのですよね?

坂東)以前から、「何か一緒にやりましょう」という話はいただいていたのですが、まさか大河ドラマのああいう役とは思いませんでした。

黒木)時政が本当はダークではなく、家族思いで、国のことを思っている、そんな男の人の役づくりをしていらっしゃったと伺ったのですが。

坂東)三谷さんの脚本が、そのように書かれていたのですよね。うちの家族から言わせると、「なに、普段とおなじじゃない。芝居していないでしょ」と言われました。

黒木)ちょうど海外公演が終わって、「何でも挑戦してやろう」というときにオファーが来たと伺いましたが。

坂東)60歳を過ぎて、「これからは、やりたかったことは何でもやろう」と思ったときだったので、「ではやらせていただこうかな」と思いました。

黒木)もともと舞台をやっていらっしゃいましたが、映像で演じることに関して、ご自分のなかではどのように切り替えていらっしゃいますか?

坂東)慣れていないので難しかったですね。同じシーンでも、向きを変えて同じところを撮るではないですか。同じことをもう1回言わなくてはいけないとか。

黒木)何度も同じこと言わなくてはならないことがありますね。

坂東)1年間、面白い経験をたくさんさせていただきました。

黒木)大河ドラマは骨太でしっかりつくっていらっしゃるから、やりがいもありますしね。

坂東)大河ドラマが初めてでしたから、テレビドラマはすべてそうなのだと思っていたのです。ご一緒するみなさんに聞いたら、「大河は別のつくり方です」と言うので、「最初からいい経験をさせていただいてよかったな」とは思いました。

黒木)「クロサギ」の御木本役はやりやすかったのではないですか?

坂東)現代劇は経験が本当に少ないのですよ。ご一緒した女優さんにも、「普段しゃべっているではないですか」と。「ああ、そうですね」という感じで教えていただいきました。

黒木)でも御木本役は、役づくりをしなくてはならないキャラクターですよね。

坂東)監督に、「キャラクターをもう少し強く」と言われたので、だんだん強くなってしまって。「いいのかな、こんなにやっちゃって」と思ったのですが。

黒木)観ている方は快感でした。

坂東)そうですか。ありがとうございます。自分では、どこまでやればいいのかと。「やれ」と言われれば、どこまでもできるのですが、「いいのかなあ?」と、不安がありました。

黒木)映像の楽しみ方というのも、NHKと両方やられて味をしめられたのではないですか?

坂東)いやあ、でも本当にドキドキします。

黒木)でも、舞台のときは?

坂東)舞台のときは、ドキドキした経験はあまりないのですよね。黒木さんも舞台をおやりになっていて、そうではなかったですか?

黒木)私は逆ですね。舞台のほうがドキドキして、映像はもうまったく。

坂東)舞台の袖から出るときの、ワクワクした感じは好きなのですが。

黒木)何とも言えない緊張感ですよね。

 

『鎌倉殿の13人』は「芝居してないでしょと家族から言われた」北条時政役・坂東彌十郎

坂東彌十郎/ 歌舞伎俳優

坂東彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)/ 歌舞伎俳優
■1956年(昭和31年)5月10日・東京都出身。屋号:大和屋
■往年の銀幕の大スター・初代坂東好太郎の三男として生まれ、昭和48年5月歌舞伎座『奴道成寺(やっこどうじょうじ)』の観念坊で坂東彌十郎を名のり初舞台。
■昭和53年2月『文七元結(ぶんしちもっとい)』の鳶頭役で名題(なだい)昇進。
■昭和58年から15年間、三代目市川猿之助の門下に入り、猿之助一門の若手で構成する21世紀歌舞伎組のメンバーとして活躍
■猿之助演出のオペラ「コックドール」等で演出助手を務め、坂東玉三郎の「夕鶴」では演出も務めた
■コクーン歌舞伎、平成中村座など、十八代目中村勘三郎との共演も多く、平成中村座の海外公演にも参加
■2014年坂東彌十郎・新悟自主公演「やごの会」を立ち上げ、日本橋劇場にて第一回公演を開催。また2016年にはフランス、スイス、スペインの3ヵ国を巡る「やごの会」ヨーロッパ公演を開催した
■映像作品でも活躍され、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では北条時政役を演じ、TBS「クロサギ」では主人公の復讐相手となる詐欺師を演じている

 

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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