“大河”ゆかりのまち・鎌倉の名物駅弁、その新展開とは?
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
大河ドラマあるところに「駅弁」あり。鎌倉の玄関口・大船の名物駅弁と言えば、100年以上続く、大船軒の「鯵の押寿し」です。“関東風に握り、関西風に押す”のキャッチフレーズで知られ、日本の東西を結んできた東海道本線らしい駅弁として、地元はもちろん、各地にファンが多い駅弁です。そんな名物駅弁が大河ドラマの舞台となっている今年(2022年)、新たなコンセプトを盛り込んだバージョンを発売しました。
北鎌倉の桜を横目に、横須賀線の列車が終着・久里浜を目指します。平日の昼下がり、春の麗らかな陽気に包まれて人出もまずまず。長椅子が並ぶ11両編成の電車ですと、立ち客が少し目立つくらいの程よい乗車率といった感じ。このご時世、ごった返すような混雑はもう御免ですが、それなりの賑わいは、鎌倉を旅する人にも、地元の観光関係者の皆さんにとっても大事なことですね。
さて、鎌倉名物の駅弁と言えば、大船軒の「鯵の押寿し」が有名です。この「鯵の押寿し」に“鎌倉みやげ”と銘打った新しい紙箱タイプの押寿しの詰め合わせが登場しました。「伝承 鯵の押寿し 桜」(1350円)は、小鯵を使った「伝承 鯵の押寿し」をはじめ4つの味が楽しめます。現在は大河ドラマに合わせて期間限定で、主人公の北条義時が描かれた特別バージョンの掛け紙となっていて、裏面は“鎌倉殿双六”となっています。
【おしながき】
・伝承小鯵の押寿し2貫
・カニの押寿し2貫
・サーモンの押寿し2貫
・海老の押寿し2貫
・ガリ
鎌倉みやげタイプの「鯵の押寿し」は、小鯵・サーモン・カニ・海老が2カンずつ楽しめる「桜」の他、中鯵・サーモン・穴子・海老の4種が2カンずつ入っている「梅」(1250円)、中鯵とサーモンが4カンずつの「桃」(1150円)、中鯵の押寿し8カンの「李」(1100円)と4つのバージョンが楽しめます。
定番の鯵はもちろん、バラエティ豊かな海の幸が入って、飽きないつくりになっているのが嬉しいですね。
横須賀線も新型車両が増備され、お目にかかる機会も増えてきました。この新型車両はグリーン車以外はロングシートですので、普通車で駅弁をいただくのは、少々厳しいもの。その意味でも、駅弁の「みやげ」としての役割は、都市部でも大きくなっていると感じます。大河ドラマゆかりの地を巡った帰りは、100年以上続く名物駅弁「鯵の押寿し」を土産に、お家で旅の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/