日本のコロナ対策の変更を要求する中国の「わかりやすさ」

By -  公開:  更新:

外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国が変更を要求する日本の新型コロナの水際対策について解説した。

日本のコロナ対策の変更を要求する中国の「わかりやすさ」

抗原定量検査に臨む中国からの到着客ら=2023年1月8日午後、成田空港 写真提供:産経新聞社

中国の日本人へのビザ発給停止長期化も

中国外務省の汪文斌副報道局長は1月12日の記者会見で、日本の新型コロナウイルス感染症の水際対策に関し、「中国人への差別的制限措置を速やかに変更するよう望む」と要求した。対抗措置として打ち出した日本人へのビザ発給手続きの停止を長引かせる恐れもある。

飯田)差別的な制限措置を速やかに変更しろと。

宮家)中国が「ゼロコロナ」政策などという無理なことをして、ロックダウンを行い、みんなが感染しない状態にした。それは短期的にはよかったけれど、長期的にはうまくいくわけがないのです。そして、今度は、解禁なんかすれば、感染が拡大して感染者が増えるに決まっているではないですか。実際に増えていて、その人たちが外国に行くということになれば、諸外国は「勘弁してくださいよ」という話ですよね。

飯田)中身がわからないですからね。

宮家)人数が多いのだから、変異でもされたら何が起こるかわかりませんし、慎重になるのは当たり前です。中国への制限措置は日本や韓国だけではなく、欧米も行っているわけでしょう。なぜ日本と韓国だけに反発するのかという話です。わかりやすい人たちですよね、中国は。もう少し冷静になっていただきたい。日本は差別的な制限などしていないのだから。

飯田)感染症対策をしているだけです。

宮家)本当にわかりやすい人たちなのです。自己中心的なだけではなく、絶対に「間違っている」とは言いませんからね。なぜ日本と韓国だけに文句を言い出したのかはわかりません。ヨーロッパについてはまだ対応していないでしょう。やはり政治的な意図がどこかで働いたのだろうと思います。

中国経済にとってもいいことではない

宮家)個人的には、中国に行きたいと思ったこともあったのです。

飯田)「検討していた」とテレビでおっしゃっていましたね。

宮家)私の友人で、非常に優秀なエコノミストが北京にいます。彼が年に何回か報告を送ってくれるのですが、とてもよくできているのです。久しぶりに話を聞きたいと思って、直接、電話を掛けました。どうせ聞かれているので、聞かれてもいいことしか話さなかったけれど。

飯田)聞かれてもいいように。

宮家)そうしたら、「いまなら誰でも入れますよ」ということだったので、「また行きます」と言ったのです。しかし、その翌日から(対抗措置が)始まったため、行けなくなってしまいました。

飯田)翌日からですか。

宮家)中国に投資している会社の人たちが、これから何とかしようと思って出張を考えているときにシャットアウトしたら、中国経済にとっていいことは何もないですよ。何を考えているのか、私にはよくわかりません。

飯田)はからずも中国でのビジネスリスクのようなものを顕在化させてしまいましたよね。

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top