政治ジャーナリスト、田﨑史郎氏が3月6日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。国会欠席を続け、8日の参院本会議で陳謝する見通しとなったNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員=比例代表=について、「愚かな議員がいるな」と手厳しく批判するとともに、「よくも、こういう人を国会議員に選んだな」と有権者の責任にも言及した。
昨年7月の初当選から一度も国会に出席していない NHK 党のガーシー参院議員が3月8日、参院本会議に出席し、議場での陳謝の懲罰処分に応じる見通しになっている。2月27日に帰国の意向を参院に伝えたガーシー議員だが、この間、FNNのインタビューに応じ、警視庁の捜査の行方や身辺の危険などから、帰国について「相当悩んでいる」とも語っている。ガーシー議員の帰国と陳謝のポイントは何か-。
辛坊)ガーシー参院議員の問題について、どのようにお考えですか。
田﨑)「愚かな議員がいるな」と感じるとともに、「よくも、こういう人を国会議員に選んだな」とも感じています。
辛坊)有権者にも責任があると。
田﨑)それも半分あるということです。
辛坊)民主主義というのは、そういうものですね。
田﨑)あきらめるほかないんですけどね。
辛坊)ガーシー議員は今後、どうなるのでしょうか。
田﨑)ガーシー議員が陳謝する本会議は8日にセットされています。そこに出席するかどうかが焦点になっていますが、自民党参院議員の幹部に取材すると、「帰国しないんじゃないだろうか」と考えている方が多いです。その理由は、警視庁がガーシー議員に対し、「帰国されたならば、事情聴取をお願いしたい」と伝えたのではないかという見方があるからです。
警視庁は1月、ガーシー議員の関係先を常習的な脅迫と名誉毀損の疑いで家宅捜索しています。本人の話を聴くのは捜査の手順上、当然のことです。これに対し、ガーシー議員が躊躇しているのではないかという見方が大勢です。
辛坊)国会議員は、国会開会中に逮捕されないという不逮捕特権を持っています。国会開会中に逮捕するためには、その所属議院の承認が必要ですね。
田﨑)議院運営委員会での了解も必要になります。また、逮捕許諾請求を参院に提出しなければなりません。
辛坊)逮捕許諾請求が出された場合、許諾されるのでしょうか。
田﨑)議員運営委員会で、許諾請求の理由を審査します。それで納得すれば、許諾することになります。
辛坊)国会開会中に逮捕されなかった場合、会期末に再び海外へ出てしまう可能性もあります。ガーシー議員にパスポートを返納させることもあるのでしょうか。
田﨑)まず、国会議員が国会開会中に海外へ出るときは、参院の許可が必要です。
辛坊)ということは、現状は参院の許可なく海外にいるということですね。
田﨑)そうです。今回帰国した場合、再び出国するには参院の許可が必要です。ですから、次に許可なく出国したら、除名の話がまた浮上してきます。除名になったら、当然のことながら不逮捕特権はなくなります。
辛坊)パスポートの返納命令が出た場合、出国はできなくなりますよね。
田﨑)実務的なことは詳しくないですが、返納命令が出ていれば、一般的な解釈としては、そのパスポートは行使できなくなるのではないでしょうか。
辛坊)そうすると、国会が閉幕した瞬間に逮捕のリスクが生まれるわけです。そう考えると、ガーシー議員は帰国しないですね。
田﨑)ですから、そういう見方をする人が多いんですよ。ただ、海外にいても、除名により国会議員の身分を失えば、不逮捕特権も消滅します。
辛坊)とはいえ、犯罪人引き渡し条約がない国にいれば、基本的には逮捕されることはないわけです。ただ、次に帰国しようとするときには逮捕されるリスクが高まります。
田﨑)この問題は、ガーシー議員本人だけでなく、比例代表名簿に載せたNHK党の責任はないのかという視点も忘れてはなりません。
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