日本経済新聞社中国総局長の桃井裕理氏が5月18日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、中国内陸部の陝西省西安で同日から2日間の日程で開かれる中国と中央アジア5カ国との首脳会議(「中国・中央アジアサミット」)について、現地からリポート。辛坊は、この中国と中央アジア5カ国との首脳会議について、「19日から開催される先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)への嫌がらせだ」と指摘した。
中国は、ウズベキスタンやタジキスタンカザフスタンなど中央アジア5カ国との首脳会議を18日から2日間の日程で開催する。中国と中央アジア5カ国が1992年に国交を樹立して以来、この枠組みで一堂に会する首脳会議は初。
辛坊)19日からは先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開催されます。このタイミングで、中国が中央アジア5カ国との首脳会議を開くなんて、要するにG7への嫌がらせですね。
桃井)はい、明らかにそうです。
辛坊)ということは、中国国内でG7はほとんど報道されていないということですね。
桃井)いえ、そんなことはないです。もちろん、中国国内で大々的に報じられているのは、西安で開かれる中国と中央アジア5カ国との首脳会ですが、G7についてもいろいろと報じられていますよ。ただし、かなりボロカスのように言ってはいますけれども。例えば、日本については「G7を利用して中国の脅威を誇大宣伝している」「自分がリーダーシップを誇示したい」「普通の国(軍隊を持つ国)になりたいという願望をかなえようと、私利私欲のために対立をあおっている」など、いろいろと報じています。
他にも特徴的なキャンペーンがあります。日本ではあまり知られていないと思いますが、中国国内のテレビでは、日本国内でG7に対する抗議活動の映像が流されています。
辛坊)えっ? そうなんですか。私は、日本国内でG7に対する抗議活動が行われていることを知らないのですが…。
桃井)日本には言論の自由がありますから、そうした抗議活動が起きていても不思議ではないですよね。G7の会場である広島であったり、東京の首相官邸前であったり、そうした場所での抗議活動です。放映される抗議活動は大規模ではないのですが、あたかも日本国民の全体がG7に反対しているかのように映像を流しています。
辛坊)なるほど。確かに、国会議事堂の周辺などでは、しょっちゅう何がしかの反対運動が行われています。しかし日本国内に住んでいると、今回のG7に合わせて街中でそうした反対運動が起きているという印象はないです。しかし、中国国内に流れる日本国内の映像からは、そうした反対運動が燃え盛っているという印象なのですね。
桃井)そうなんです。逆に言えば、中国の習近平政権はそれだけG7に対し神経をとがらせているということです。
辛坊)中国の習政権としては、「日本国民は日本政府のすることに対し、こんなにも不満を持っているんだ」ということを強調したい意図があるのでしょう。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)