プロクライマー・野口啓代、東京オリンピックへの道 「相当迷いましたね」

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5月21日(日)、スポーツライター金子達仁がメインパーソナリティを務めるラジオ番組「The Deep」(ニッポン放送・毎週日曜20時~20時20分)が放送。プロクライマー・野口啓代が出演。東京でオリンピックの開催が決まった当時の心境を振り返った。

プロクライマー・野口啓代、東京オリンピックへの道 「相当迷いましたね」

金子達仁・野口啓代

一流アスリートたちをゲストに迎え、スポーツの面白さや、アスリートの心の奥底にある想いを届けていく番組、「The Deep」。野口は、ボルダリングで日本人最多となるW杯年間優勝4回やジャパンカップ9連覇の記録を持ち、16年間国際大会で表彰台に上がり続けた。集大成として臨んだ東京オリンピックでは銅メダルを手にし、長年の競技人生の幕を閉じた。番組では、東京オリンピックを目指すかどうかは迷ったと複雑な心境を明かした。

プロクライマー・野口啓代、東京オリンピックへの道 「相当迷いましたね」

野口啓代

金子:いかがでした?(東京でのオリンピック開催が決まった)その時の気持ち。

野口:複雑でしたね。当時、私も26とか27で。W杯で何度も勝たせてもらって、やっぱりこの先何歳まで競技を続けようかなって考える年齢ということと。あと招致活動していた26歳の時、初めて足の怪我をしてしまって。思うように登れなかった時期だったんですよね。そこから、コロナがなければ31歳で迎える2020年の東京オリンピック。自分がまず、出たいかどうかがわからなくて……。

金子:うん。

野口:招致活動もそうですし、正式に決まった時も、プレゼンや活動を、「誰のためにやってるんだろう……」と思ってしまって。自分が出たいからやっているのか。将来の後輩たちのためなのか。そこが定まっていなかったので、複雑でしたね。

金子:今から振り返ってみて、当時の野口さんは何割、何割ぐらいで、どちらのために動いてたんでしょう?

野口:結果的には、出る、出たいってなったんですけど、その時は全然登れなくて。自分に自信がなかったり、不安な気持ちとか。あとは選考レースもそうですし、目指したところで出られるわけじゃないじゃないですか。それもあったんで、不安で、自信がないから「出たい」って言えないみたいな状況でしたね。

金子:もう女王な感じなんですけど、イメージ!

野口:足の怪我で全然登れなくて、コーチとかもいなかったんで。「誰に相談していいかわからない」とか、「リハビリって何したら良いのかわからない」みたいな状態だったので。

金子:複雑な気持ちで迎えた、オリンピック決定、オリンピック競技決定。複雑だろうが何だろうが、もう出たくなりますよね? 当然!

野口:うーん……最終的には、もう出ようって決めました。

金子:最終的に出ようっていうことは、一時的には、出ないという選択もあった?

野口:出ないというか、目指すかどうかは相当迷いましたね。

プロクライマー・野口啓代、東京オリンピックへの道 「相当迷いましたね」

金子達仁

東京五輪で追加種目となったスポーツクライミングは、ボルダリング・リード・スピードの3種の合計点で順位が決まる。スピードの経験がなかったという野口は、東京五輪を目指すかどうかは迷ったと語った。
金子は、現役時代の孤高の存在な印象があり対談前は緊張気味だったという。しかし、「野口さんと会った瞬間から緊張が溶けていろんなお話を伺うことができた。」と感想を述べていた。

Podcastでの聴取はこちらから。

番組情報

The Deep

毎週日曜日 20:00-20:20

番組HP

スポーツライターとして幅広く活躍する金子達仁が一流アスリートたちをゲストに迎え、“心の奥底にある想い”を聴くラジオ番組です。アスリートたちの対談を通し、ここでしか聴く事のできない“Deep”な想いと知られざるエピソードに迫っていきます。
また、オンエアでは聴く事ができなかった部分をディレクターズカット版としてPodcastコンテンツとして配信していきます。

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