外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が9月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。インドネシア・ジャカルタで開催された東アジア首脳会議(EAS)について解説した。
岸田総理が東アジア首脳会議に出席、処理水放出で理解を求める
岸田総理大臣は9月7日、インドネシアの首都ジャカルタで行われた東アジア首脳会議(EAS)に出席し、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について「科学的な観点から何ら問題は生じていない」と述べ、6日に続いて各国に理解を求めた。会議には東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の他、アメリカのハリス副大統領、中国の李強首相、ロシアのラブロフ外相なども出席したが、外務省によると中国の李氏をはじめ他国から日本への非難は出なかった。
中国が日本の処理水放出を非難するのは国民に溜まったガスを抜くため ~孤立し、アメリカとの関係もよくない中国
宮家)非難が出ないのは当然です。声高に非難しているのは中国だけですし、そもそおあれは言いがかりです。
飯田)そうですね。
宮家)中国があんなことを言うのは、不動産の価格が下がり、経済も悪いし、失業率も高く、必ずしも国内がうまくいっていないので、国民の間にガスが溜まっているからです。
飯田)不満が。
宮家)ガスを抜くために反日で動いているわけですが、下手をしたら「反日」が「反政府」になってしまう可能性もあります。そうしたら困るのは中国ですよ。
飯田)反政府になってしまったら。
宮家)その意味では、日本を追い詰めようとしても、追い詰められる状況ではないです。「内憂外患」と言いますが、外患という点で中国は孤立している。そしてアメリカとの関係もよくない。
経済状況が悪く、日本を完全に断ち切ることはできない中国 ~日本企業が出ていったらますます経済が悪化する
宮家)今回の東アジア首脳会議は、バイデンさんやプーチンさん、習近平さんも来ないわけですから、成果はどうなのでしょうね。しかし、日本は言うべきことを言い、うまくやっていると思います。
飯田)ASEAN+3(日中韓)首脳会議のタイミングでも、岸田さんは中国の李強さんを捕まえて立ち話をしています。
宮家)向こうも関係改善の呼びかけをしてくるのは当然です。中国だって日本を完全に切る気はまったくないのです。そんなことをしたら、中国から日本企業が大挙して出ていってしまいますからね。
飯田)経済がますます悪化してしまう。
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