『人間標本』西島秀俊×市川染五郎、湊かなえの傑作をドラマ化
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Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1291回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、Prime Videoにて世界独占配信中の『人間標本』と、1月16日公開の『旅の終わりのたからもの』 をご紹介します。

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『人間標本』人間の持つ美への執着を鮮烈に映し出す
読み終えるとイヤな気分になるのに、読み始めると止まらなくなってしまう。“イヤミスの女王”の呼び声が高い人気ベストセラー作家・湊かなえが、デビュー15周年を記念して書き下ろした『人間標本』。自身が10年来にわたって温めてきた“親の子殺し”というショッキングなテーマに真正面から取り組んだ本書は、発売当初から“湊かなえの真骨頂”として大きな話題になりました。
そんな禁断のミステリーサスペンスが、ついに実写ドラマ化。蝶をモチーフにした妖しくも美しい世界観が繰り広げられます。

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『人間標本』のあらすじ
盛夏の山中で、6人の美少年の遺体が発見された。自首したのは、有名大学教授で蝶研究の権威である榊史朗。彼は幼少期から蝶の標本作りを通じて“美を永遠に留める”ことに執着していた。
その美しい世界を渇望するあまり、彼はついに最愛の息子までも標本のターゲットにしてしまう。
史朗はなぜ、このような凄惨な事件を起こしたのか。狂気に満ちた犯行の真相が明らかになっていく……。
『人間標本』のみどころ
主人公・榊史朗を演じたのは、国内外の話題作への出演が続く西島秀俊。まるで他人事のように。あるいは、至高の快楽を味わっているかのように。穏やかな表情で犯行を独白する姿に、背筋がゾクッとすることでしょう。
そして史朗の息子・榊至役は、“歌舞伎界のプリンス”の異名を取る市川染五郎。本作が現代劇ドラマ初出演。これまでの出演作とは違った魅力を放っています。
共演には宮沢りえ、伊東蒼といった実力派キャストが集結。また至とともに標本にされてしまう5人の美少年を荒木飛羽、山中柔太朗、黒崎煌代、松本怜生、秋谷郁甫が熱演しているのも見逃せません。
いくつもある見どころの中でも目に留まるのは、やはりタイトルにもなっている人間標本。蝶の特性と美少年たちの個性が見事にリンクしていて、とんでもない犯罪だと分かっていながらも、まるでアート作品のような美しさに目を奪われてしまいます。
そして、物語が幾重にも層をなしていて、次々と真実が浮き彫りとなっていく展開には唸らされるばかり。ミステリーとしてだけでなく、ヒューマンドラマとしても極上の作品です。
『旅の終わりのたからもの』 実体験をもとに描いた、生涯忘れられない旅
ニューヨークに住むルーシーは、父・エデクとともに、ポーランド・ワルシャワを旅行することに。父親の故郷を訪れることに喜びを隠せないルーシーに対して、エデクのノリはいまいち。約50年ぶりの帰郷にもかかわらず、娘が立てた旅行プランを次々と潰していく。
そんな2人が訪れたのが、アウシュヴィッツ強制収容所。ルーシーはエデクから、ホロコーストで生き抜いた過去の記憶を聞かされるが……。
民主国家としての土台を築く激動の時代にあった1991年のポーランドを舞台に、家族の歴史を辿る父娘の旅を描いたロードムービー『旅の終わりのたからもの』。
まったく噛み合っていない父と娘の珍道中に大笑いしたかと思えば、優しさと愛に満ちた家族の物語に涙がホロリ。悲しみを抱きながら、それでも生きていく力強さに勇気をもらうことしきり。
家族って、ちょっぴり面倒なところもあるけど愛おしい。あなたにとっても、きっと宝物のような一本になるはず。

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<作品情報>
人間標本(全5話)
Prime Videoにて世界独占配信中
出演:
西島秀俊 市川染五郎
伊東蒼
荒木飛羽 山中柔太朗 黒崎煌代 松本怜生 秋谷郁甫
宮沢りえ
原作:湊かなえ 『人間標本』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:廣木隆一
美術監修・アートディレクター:清川あさみ
主題歌:mono²「愛情」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:Amazon MGMスタジオ
配信:Prime Video
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作品ページ https://www.amazon.co.jp/dp/B0FWX9LPYQ

(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS
<作品情報>
旅の終わりのたからもの
2025年1月16日(金)から kino cinema 新宿ほか全国ロードショー
監督:ユリア・フォン・ハインツ
原作:「Too Many Men」リリー・ブレット著
出演:レナ・ダナム スティーヴン・フライ
原題:TREASURE
配給:キノフィルムズ
(C)2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS
公式サイト https://treasure-movie.jp/
連載情報

Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/




















