Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1302回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、3月20日に公開された『君が最後に遺した歌』と『全知的な読者の視点から』をご紹介します。

画像を見る(全13枚) (C)2026「君が最後に遺した歌」製作委員会
『君が最後に遺した歌』この曲は、僕たち二人でしか奏でられない
『今夜、世界からこの恋が消えても』などで知られる一条岬の同名小説を実写映画化した『君が最後に遺した歌』。
詩を書くことが好きな男子高校生と、文字の読み書きが困難なクラスメートの女子高生。一緒に歌を作ることで心を通わせていく姿を描いた、珠玉のラブストーリーが誕生しました。
『君が最後に遺した歌』のあらすじ
ある日、単調な日々を送る高校生の水嶋春人は、趣味で詩を描いていることをクラスメートの遠坂綾音に知られてしまう。彼女は天性の歌唱力と作曲の才能を持っていたが、“発達性ディスレクシア”の症状を抱えているために、文字の読み書きが困難だった。
綾音から歌詞を書いてほしいと頼まれたことから、平凡だった春人の人生は一変。放課後の部室で一緒に歌を作るうちに、彼らの距離が少しずつ縮まっていく。
それは、二人が過ごす“10年”のはじまりだった……。
『君が最後に遺した歌』のみどころ
主人公・水嶋春人を演じたのは、本作が映画単独初主演となる道枝駿佑(なにわ男子)。文字のない綾音と、夢のない春人。音楽を通して綾音に魅かれ、運命に翻弄されていく青年を情感豊かに演じています。
そして遠坂綾音役に扮したのは、道枝駿佑とは初共演となった生見愛瑠。本作では、1年にわたるボイストレーニングとギターレッスンを経て、歌唱とギターに初挑戦しました。
共演には井上想良、田辺桃子、宮崎美子、萩原聖人など、個性的な顔ぶれがズラリ。また竹原ピストルや新羅慎二といったミュージシャンが出演しているのも見逃せません。
メガホンを取ったのは、現在公開中の映画『ほどなく、お別れです』も大ヒットしている三木孝浩監督。春人と綾音の距離感や心の動きを丹念に紡いでいく演出が秀逸で、恋愛映画の名手ならではの手腕を発揮しています。
音楽を手がけたのは、東京事変のメンバーで日本を代表する音楽プロデューサーの亀田誠治。「君と見つけた歌」やAyane(綾音のアーティスト名)のシングル曲「Wings」などの劇中歌を書き上げました。
その中でも、「春の人」を歌うシーンは必見。綾音が離れ離れになってしまった春人への想いを綴ったラブバラードを切なく歌い上げる、生見愛瑠のライブパフォーマンスの素晴らしさもさることながら、それを受ける道枝駿佑の芝居は胸に迫るものがあり、涙なしでは見られない人も多いことでしょう。
この春、ラブストーリー好きにオススメしたい珠玉のラブストーリーです。
『全知的な読者の視点から』崩壊した世界を自らの手で書き替える!
すっかり落ちぶれて読者がいなくなってしまったweb小説の連載を、10年にわたって読み続けていたキム・ドクシャ。その最終話を読み終えた時、ドクシャは“最悪な結末”に絶望する。
すると落胆する彼の元に、作者から一通のメッセージが届く。「だったら、あなたのお望みの結末を見せてください……」
自分だけが読んでいた小説のように崩壊してしまった世界を救い、小説の結末を書き替えるため、ドクシャは立ち上がる……。
斬新な設定と目の離せないストーリー展開から韓国のweb小説サイトで大きな話題をさらい、日本でもマンガ版が大ヒットしている『全知的な読者の視点から』を完全実写映画化。主人公キム・ドクシャを演じたのは、先頃開催された第98回アカデミー賞で「長編アニメ映画賞」と「主題歌賞」を受賞した『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』にも出演し、グローバルな人気を誇るアン・ヒョソプ。
一見すると、どこにでもいそうな平凡な青年。その一方、実は誰も読んでいない小説の結末を知っている、すなわち、“このデス・ゲームの攻略法を唯一知っている主人公”という特殊なキャラクターを好演。強烈な存在感を放っています。
原作ファンとしては、この独特な世界観を表現できるのかが気になるところでしたが、それは杞憂の一言。VFXを駆使して構築された、小説の世界と現実世界がリンクする異世界は没入感たっぷりで、次から次へと繰り広げられる壮絶アクションには心を奪われてしまいます。
ディストピアものが好きな人にはたまらない、究極のサバイバル・アクション映画です。

(C)2026「君が最後に遺した歌」製作委員会
<作品情報>
君が最後に遺した歌
2026年3月20日(金・祝)から全国東宝系にてロードショー
出演:
道枝駿佑 生見愛瑠
井上想良 田辺桃子 竹原ピストル 岡田浩暉 五頭岳夫 野間口徹
新羅慎二 宮崎美子 萩原聖人
原作: 一条岬『君が最後に遺した歌』(メディアワークス文庫/ KADOKAWA 刊)
監督: 三木孝浩
脚本: 吉田智子
音楽プロデュース: 亀田誠治
制作プロダクション:TOHOスタジオ
配給:東宝
(C)2026「君が最後に遺した歌」製作委員会
公式サイト https://kimiutamovie.toho.co.jp/

(C)2025 LOTTE ENTERTAINMENT, SMILEGATE, REALIES All Rights
<作品情報>
全知的な読者の視点から
2026年3月20日(金・祝)から全国公開
出演:
イ・ミンホ アン・ヒョソプ チェ・スビン シン・スンホ ナナ ジス クォン・ウンソン
監督:キム・ビョンウ
原作:「全知的な読者の視点から」 singNsong (「LINEマンガ」連載)
原題:原題:전지적 독자 시점/Omniscient Reader: The Prophecy
配給:ツイン
(C)2025 LOTTE ENTERTAINMENT, SMILEGATE, REALIES All Rights Reserved.
公式サイト https://zenchi-dokusha.jp/
連載情報

Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/






















