『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

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Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1310回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、5月8日公開の『幕末ヒポクラテスたち』と『未来』をご紹介します。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

画像を見る(全13枚) (C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

『幕末ヒポクラテスたち』日本医学の夜明け、蘭方医が奮闘する!

脈診・腹診・舌診など、伝統中国医学(東洋医学)の手法で診察し、生薬で構成された漢方薬を処方して治療を施す漢方医。オランダ経由で伝わった西洋医学(蘭方)を学び、その理論と技術で診療を行った蘭方医 。

まったく違った角度から人命と向き合う医師たちと、彼らを取り巻く人々の姿を描いた映画『幕末ヒポクラテスたち』。生と死をおおらかに見つめる、爽快な医療時代劇が誕生しました。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

『幕末ヒポクラテスたち』のあらすじ

幕末、京都の外れにある村。蘭方医の大倉太吉は、妻・フミや子どもたちと質素に暮らしながら、往診に走り回る日々を送っていた。診療所の外には、村人たちの行列ができる日も。腕が良いうえに、貧しい者からは診察料を取らないこともあり、村人から信頼を集めていた。

そんな太吉の天敵が、漢方医の荒川玄斎。どんな病にも葛根湯を処方する彼とは、顔が合えば、互いをディスり合ってばかりいる犬猿の仲だった。

ある日、飯屋で食事中の太吉の元に、気性の荒い青年・相良新左が瀕死の状態で転がり込んでくる。太吉がその場で一世一代の外科手術を行って新左の命を救ったことから、2人の人生が動き始める……。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

『幕末ヒポクラテスたち』のみどころ

主人公・大倉太吉を演じたのは、演技力の高さに定評がある佐々木蔵之介。貧富や立場を区別することなく診療する一方で、手術や解剖など医術に関する好奇心を抑えることができない。真摯に命と向き合う情熱と、子どものような無邪気さを併せ持つ蘭方医役は、俳優・佐々木蔵之介の真骨頂。人間くさくてチャーミングな人物像を体現しています。

太吉を取り巻く人々も、個性的なキャラクターばかり。漢方医・荒川玄斎役の内藤剛志をはじめ、藤原季節、藤野涼子、真木よう子、柄本明といった実力派キャストがズラリと顔を揃え、作品に華を添えています。

またナレーションを担当した室井滋の軽快な語りも聞き逃せませんよ。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

本作を企画したのは、『ヒポクラテスたち』や『ゴジラ』シリーズなど、多彩な作品を世に送り出してきた映画監督、大森一樹。医師免許を持つ大森監督が、母校である京都府立医科大学創立150周年映画として撮影準備を進めていたさなか、2022年に急逝。

一度は頓挫しかけたのですが、大森監督の助監督を務めていた緒方明監督や脚本家・西岡琢也をはじめ、京都や大森監督にゆかりのあるスタッフ・キャストが結集し、本作を完成させました。

この映画の成り立ちを少しだけでも頭の片隅に置いてご覧いただくと、日本医学の夜明けのために奮闘した医師たちの姿が、大森監督の遺志を受け継ぎ、日本映画史を紡ぐ映画人たちの躍動と重なり合い、より深い共鳴を受ける人も多いことでしょう。

型破りで愛すべき人たちの物語。映画館でご堪能下さい。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026 映画「未来」制作委員会 (C)湊かなえ /双葉社

『未来』悲しみの先には、きっと希望が待っている

「告白」などで知られる湊かなえの傑作ミステリーを、名匠・瀬々敬久監督が実写映画化した『未来』。

複雑な家庭環境で育ちながらも、教師になる夢を叶えた篠宮真唯子。ある日、真唯子の教え子・佐伯章子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、“20年後のわたし”。

返事を書くことで、父の死や、母との孤独な日々に耐えていた章子だったが、やがて信じがたい事実に追い詰められていく。真唯子は社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながらも、章子を救おうとするが……。

現代社会が抱える問題のひとつである「子どもの貧困」と真正面から向き合った意欲作。声にならない痛みを抱えて生きる人々の姿は、まるでノンフィクションを観ているかのよう。主演の黒島結菜をはじめとするキャスト陣の熱の入った芝居が、物語にさらなる説得力を与えています。

タイトルとは裏腹に、過酷な現実が突きつけられていく本作。それでも、その先には希望がみえる未来があってほしい。そんな風に願わずにはいられない社会派エンターテイメントです。

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

<作品情報>
幕末ヒポクラテスたち
2026年5月8日(金)から新宿ピカデリー他全国公開

出演:
佐々木蔵之介
藤原季節 藤野涼子 川島鈴遥 堀家一希 諏訪太朗 阿南健治 栗原英雄 吉岡睦雄 斉藤陽一郎
室井滋(ナレーション)真木よう子 柄本明/内藤剛志

監督:緒方明
製作総指揮:大森一樹、浮村理
企画:夜久均
原案:映画「ふんどし医者」(C)1960 TOHO CO., LTD.
脚本:西岡琢也
音楽:coba
プロデューサー:森重晃、菊地陽介
制作プロダクション:ファーストウッド・エンタテインメント/ステューディオスリー/レプロエンタテインメント
協力:東映京都撮影所
配給:ギャガ
配給協力:大手広告
(C)2026「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会
公式サイト https://gaga.ne.jp/bakuhippo_movie/

『幕末ヒポクラテスたち』佐々木蔵之介主演、大森一樹監督が遺した企画を映画化

(C)2026 映画「未来」制作委員会 (C)湊かなえ /双葉社

<作品情報>
未来
2026年5月8日(金)から全国ロードショー

出演:
黒島結菜
山﨑七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華
玉置玲央 野澤しおり 吹越満
松坂桃李 北川景子

原作:湊かなえ『未来』(双葉文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:加藤良太
音楽:安川午朗
イメージソング:Uru「さすらいの唄」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作幹事:東京テアトル U-NEXT
配給:東京テアトル
企画・制作プロダクション:松竹撮影所
(C)2026 映画「未来」制作委員会 (C)湊かなえ /双葉社
公式サイト:https://mirai-movie.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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