石丸さち子脚本・演出で、大野幸人が挑む1人芝居「Angel」の魅力に迫る

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劇作と演出の両面で活動し、「第24回読売演劇大賞・演出家大賞」にノミネートされている石丸さち子の脚本・演出で、大野幸人が挑む1人芝居「Angel」。再演を前に、改めて「Angel」の魅力をお二人にお伺いしました。

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<石丸> 二度目の公演をやらせていただくことが決定した「Angel」という作品。

お話としては、一世を風靡したアイドルが、青春期の大きな痛みを抱えて姿を消して。引退という形をとらないで、失踪して芸能界を去って。そしてずっと青春期の痛みを抱えたまんま閉じこもって暮らす。これが「ライ麦畑でつかまえて」で有名なサリンジャー(J・D・サリンジャー)という作家の、後半世の隠遁生活をモデルにしているんです。

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こう言うと何かものすごく文学的で暗い話に聞こえるのですが、ダンサーである大野幸人が演じると、叫びたい「声」や「体」を閉じ込めた切なく辛い時代の後に、とんでもなく美しい開放の、奇跡の瞬間が顕れるんです。

それは、長く暗い孤独な時間に、一瞬の輝きを放った、少女との出会いの記憶。海馬のあたりの短期記憶から脳髄の広間に大事にとってあった、愛と救済の記憶。

「あの人と見たあの景色があるから、元気がない時もやってこれた」みたいな、恒久的な生きるエネルギーになりうる美しさです。誰もが経験のある、神様が与えてくれた奇跡みたいな一瞬。この芝居にもそんな一瞬が現れます。とってもハッピーで心が浄化されて美しい。台本と大野幸人という表現者との出会いで、かけがえのないシーンが生まれました。ダンスに親しんでいない人でも、演劇に親しんでいない人でも、ちょっと元気がない時に 見ていただけると、2017年を生きる元気になってもらえる、一生覚えていて頂ける美しさじゃないかなって、私は自負しています。

幸人君、いかがでしたか?自分のことは語りにくいですね。

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<大野> そうですね、でも本当に僕自身演じていて、すごく楽しいしすごく好きな作品なので、見て体験してもらいたいですね

<石丸> 本当に観ていただかないと、分からない物語なんです。この解放される時は何なの?この幸せな感じ!……で、それが訪れるまでの、誰もが知っている子供の頃に抱えた屈折。思春期に味わう、社会に初めて出会っていく時の、行き詰った気持ち、そして愛する者と出会い、別れ、時を経てかつての愛情に救われて……こんな感じ、誰にもありますよね?

登場人物の賢(すぐる)君だけじゃなくって、アイドルだった登場人物だけじゃなくって、皆誰しもが抱え持った思春期の鬱屈。それが開かれていく瞬間を、ぜひぜひ楽しんでいただきたいです。そして昭和期のアイドルの、懐かしく甘い、独特な感じがありますよね。

昭和のアイドル小島賢のデビュー曲「涙の十六歳」は大野幸人の振り付けなんですけれど、もの凄く懐かしくって「あ、これに熱狂したな」「この隙間にあいの手入れたな」……みたいなことまで思い出せるくらい、懐かしくって。アイドルと呼ばれる存在に、思春期熱狂した記憶のある人は、絶対楽しめます。そういうお楽しみもありますよね。

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<大野> はい

<石丸> で、そこを見てもらうために来た人が、物語の後半でビックリしたり、心震える展開になると思うし。ま、とにかく本当に観ていただきたい作品です。それにしても、この物語を生き抜くのは、とってもエネルギーがいりますよね。

<大野> はい。本当に色々な気持ち、繊細な感覚になる感じがします。僕も客席から観て、体感したいと思う程、大好きな作品です。皆様に是非観て頂きたいです。

<石丸> 大野幸人が一人で演じる「Angel」に、どうぞご期待ください。

公演名:solo act&dance「Angel」
出演:大野幸人
脚本・演出:石丸さち子
公演日時:2017年1月21日(土)開演14時/開演19時 (2回公演)
2017年1月22日(日)開演14時
会場:ニッポン放送B2 イマジン・スタジオ
料金:全席指定 5,500円(税込)
お問合せ:03-5778-3431(平日11時~18時)CBS International

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