〆切追われる文豪たちの愚痴・弱音・悶絶!【やじうま好奇心】

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さ、師走はやれ仕事だ、年賀状だと…
何かと〆切に追われるものですが、それは、あの夏目漱石さんや川端康成さん、そして、村上春樹さんといった文豪も同じ苦しみを味わっているようです。
今回は様々な文豪の〆切に対する愚痴や弱音、悶絶をまとめた人間味あふれる1冊の本をご紹介します。
ズバリ「〆切本」

〆切本

渋谷区にある社員5人の小さな出版社「左右社(さゆうしゃ)」が出した本なんですが、これが一時品薄状態になるほど反響を呼んでいるんです。

左右社の方があちこち〆切にまつわる資料を図書館で探して、作った300ページ以上ある分厚い本なんですが、日本の文学界のオールスターのような、実に豪華な顔ぶれが揃っています。
田山花袋さん、夏目漱石さん、太宰治さん、川端康成さん、谷崎潤一郎さん、江戸川乱歩さん、野坂昭如さん、松本清張さん、星新一さん、村上春樹さん、谷川俊太郎さん、手塚治虫さん、サザエさんの長谷川町子さん、吉本ばななさん、藤子不二雄(A)さんまで、90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話94篇を収録。

谷崎潤一郎さん「細雪(ささめゆき)」などで知られる作家

ざっくりと要約しますと、こんな事を書いています。
「私が筆の遅いのは体力の問題。20分と根気が続かない。原稿用紙に向かっても、タバコを吸うとか、茶を飲むとか、10分、20分おきぐらいに色々な合いの手が入る」
意外な事に、あまり集中力がなかったようです。
ちなみに、谷崎さんは編集者が来るのを恐れて、高野山にこもった事もあるとか。

坂口安吾さん「堕落論」などで知られる作家

坂口安吾

坂口安吾

坂口安吾さんは、こんな弱音を吐いています。これも要約します。
「忙しい時には、ねむい。(中略) ここ2~3日徹夜しなければ雑誌社が困るという最後の瀬戸際へきて、ねむたさが目立って自覚されるのである。アア、こんな時に眠ったら、さぞ気持ちよく眠れるだろうなぁと思う」偉大な坂口安吾さんでも、睡魔という誘惑にはなかなか勝てなかったようです。

遠藤周作さん「沈黙」などで知られる作家

遠藤周作

遠藤周作 写真提供:産経新聞社

遠藤周作さんも〆切には苦しんだようです。
「大半の時間は机に向かっているが、鉛筆をいじったり、パイプを掃除したり、同じ新聞を何度も何度も読み返したりしているのだ。正直な話、私は毎日、イヤイヤながら仕事をしているのである。(中略) 自分は小説家としてバカではないのか、才能がないのではないかと、いつも感じる」
遠藤周作さんでも、こんな弱気になる事があったようです。

井上ひさし

井上ひさし 写真提供:産経新聞社

他にも、傑作だったのが、井上ひさしさん。
〆切が守れない時には編集者に「殺して下さい」とまで、言ったそうです。

偉大な文豪の〆切に対する愚痴を笑って、楽になりましょう。
読めば、なぜか勇気が湧いて来る左右社の話題の本「〆切本」をご紹介しました。

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12月9日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

来週12(月)からのあさラジはトランプ新政権で世界が動く!何かが起きる!ニッポンはド~ナルド!?

次期アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏に決まり、早くも国内外にその存在をアピールし始めています。
その存在は、これからの世界各国に大きな影響を与えるのは間違えありません。
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