日本の最高学府といえば、ご存じ東京大学。
春になれば、本郷キャンパスの図書館の横で、ダダーーッと「合格者番号の掲示」が行なわれる… というのが、長らく、東大の風物詩でした。
ところが、2013年を最後に、この「合格者番号の掲示」が、取りやめられた。
なぜか? って訊きましたら、図書館を大工事し始めたからなんだそうで…。
まぁ、いまどきは、ウェブサイトや電子郵便(レタックス)でも同時に発表はしますから、別に困ることはないんです。
それでも一部の受験生や親御さんたちからは、「やっぱり記念になるから、合格掲示を見たい!」という声が挙がっていたのだそうです。気持ちは、痛いほど分かりますよね。
なんといっても、合格掲示ってのは、白日のもと、努力の成果がハッキリと目にみえる!
しかも、東大の合格掲示ともなりますと、必ずマスコミ各社が大挙して取材に来ています。
在学生から胴上げなんかされますと、それはもう誇らしい、鼻が高い!
余談ながら、この「東大の胴上げ」には、ちょっとした「伝説」がございまして…、
かつて、若かりし頃の吉田照美さんが、仲間とつるんで東大の合格掲示板の前で「やったーーー!」と叫んだ、という話があるんです。
すると、当日夜のテレビのトップニュースで照美さんの映像がドーン!と、翌朝の新聞にも、照美さんの写真がデカデカと掲載されたそうです。
でも照美さんは、その後の騒ぎにも平気の平左。
「オレは東大に合格したなんて言ってない。あったー!と叫んだだけだ」
と、うそぶいていたとのこと(笑)
まぁ、それほど東大の合格発表というのは、お馴染みの名物行事だったというわけです。
で、この吉田照美さんの「伝説」が影響した… のかどうかは知りませんが…、来年2017年度一般入試の合格発表から、この東大名物の「合格掲示」が、4年ぶりに、再開される運びとなりました!
場所は、安田講堂の近くの道沿いとなるんですが、あの賑やかな「胴上げ」も、めでたく復活することになりそうです。
こういう「変わらない光景」、馴染みの川に鮭が戻ってきたようなので、なんだか嬉しくなっちゃいますよね。
そこで今日は、日本の最高学府・東大の「変わらない光景 変わりゆく光景」に、スポットを当てましょう!
うってかわって、東大の「変わりゆく光景」。
来年2017年4月から、東大教養学部・前期課程に入学する女子学生を対象といたしまして、なんと「家賃補助」が実施されることになった…という話をご存じでしょうか?
そればかりじゃありません。東大は、女子学生のため、キャンパスにほど近いところに、マンションを100室ほど用意!このマンション、セキュリティも万全、保護者も宿泊可能といいますから、もう至れり尽くせり。しかも、「月額3万円」の家賃が補助される。
(※最大2年間、総額72万円もの家賃が補助されるそうです。)
ではなぜ、こんなに女子学生ばかりが優遇されるのか?
大きな理由は、東大の学生の男女構成比。
現在、東大の男女構成比は、女性が20%弱… 実に、女子が少ないのです。
イギリスの教育専門誌が発表している、本年度の「世界大学ランキング」によると、「東京大学」は「世界第34位」。
もちろん国内ではトップですが、世界の有名大学の中では、いまひとつ存在感が薄い順位です。
ハーバード大学などは、男女比が、ほぼ半々だそうで…、世界的に男女の機会均等が叫ばれている昨今、東大が34位に沈んでいるのは、女子学生の比率が極端に低いことも影響している… とも言われたりしています。そこで東大としては、女子学生の獲得にやっきとなっている…らしい。
さらにもうひとつ、「東大の変わりゆく光景」といえば、「入試のありかた」。
去年から、東大で「推薦入試」が導入されていたのをご存じでしたか?
開学以来初めてとなった去年の推薦入試では、100人程度の募集人数に対し、出願者は173人。
倍率は1.7倍だったのですが、最終合格者数は77人となりました。
要するに、募集人数を下回ってしまったわけで、余り「盛り上がった」とはいえない結果です。
で、今年も、つい先ごろ、推薦入試の出願者の数が発表されたのですが… 去年と同じく、173人。
どうにも、盛り上がりに欠けているようで…
一部からは「やはり東大の入試はガチの一般入試。推薦入試はそぐわないのではないか」との声も、あがりはじめているそうです。
そんなわけで、「女子の受験生」あるいは「推薦入試で入りたい受験生」からは、天下の東大、ちょいと敬遠されているようですが…
実は今、東大には、中国人留学生が殺到しているそうです。
「爆買い」の次は「爆留学」!
あまり知られていませんが、中国人学生の東大への留学は非常に盛んでして、去年2015年の東大への中国人留学生は、前年より89人増えて989人、これは東大の留学生全体の43%にも上ります。
じゃあ、なぜ、東大が、中国の高校生たちに人気なのでしょう?
中国では年に一度、全国で一斉に「高考(ガオカオ)」という大学入試が行われます。
コレは完全なる一発勝負でして、中国の高校生たちは、この日に向けて猛勉強をする…。
進学校は、部活動も恋愛も禁止!一人っ子政策のアオリを受けて、スパルタ教育もスゴイ!
そんな受験戦争の中、中国の若者たちは、日本のアニメや漫画に癒されています。
(※そういえば、先ごろ映画「君の名は。」が中国で公開されて、大ヒットしています。)
で、日本に憧れの気持ちを抱いている…。
しかも、いずれ彼らを雇い入れる中国のインテリ層は、日本のバブルはなやかなりし時代…
「ジャパンアズナンバーワン」の時代をよく知っていて、日本に対していいイメージを抱いています。
ですから、東大への留学は、子供たちのその後のキャリアにとっても、大きなプラスになる…というわけなんです!
最高学府・東京大学…その「かわらない光景」と「変わりゆく光景」をご紹介しました!
12月7日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より