今日1日、プロ野球12球団が一斉にキャンプインします。注目は、オフの主役だった巨人。大型補強で、誰が指揮をしても優勝は間違いなしとの前評判だけに、高橋監督はものすごいプレッシャーを感じているに違いありません。
昨年は現役続行を希望しながら急転。監督を引き受けた経緯があるだけに、
「監督・高橋由伸を一生懸命に演じていた」
と明かした気持ちが痛いようにわかる。現役時代からクールで、喜怒哀楽をそれほど表情には表しません。でも、ひと昔前なら、それが通ったかもしれませんが、現代は何事もアピールの時代。仏頂面、コメントがつまらないなど、担当記者からは嘆きの声が漏れていました。
ただし、
「選手に言う前に、マスコミへ言うわけにはいかなかった」。
このあたりが、いかにも高橋監督らしい。去年、リーグVを飾った広島・緒方監督も1年目は本当にぶっきらぼう。担当記者が音を上げたほどでした。が、2年目を迎え、流行語大賞の『神ってる』などを発信して自身がゲキ変し、チームをVに導いた前例があります。
2年目となる高橋監督も、今年はオリジナリティーを発揮してくれるでしょう。昨年とのキャンプの違いを鮮明にしているのは、1、2軍の入れ替えを行うこと。昨年は、1、2、3軍に加えて、S班と呼ばれたベテランを自由に調整させることがことごとく裏目と出ました。
そんな選手の自主性に任せた1年目に1人だけ、はまった選手がいました。首位打者を獲得した坂本です。原監督時代は、1球毎にサインが出ていて、本人はこれが苦手だったようです。
昨年は高橋監督自身が動くことはなかった。例をあげれば、脚のスペシャリスト、昨シーズンで現役引退をした鈴木は、8試合目で初盗塁。ヒットエンドランのサインなどもなかった。さらに、バッターへ高橋監督から、スクイズのサインが初めて出たのは139試合目だったそう。小技や意表をつくさい配などがない。打線が爆発しなければ勝てないチームでした。
オフのこれでもか-とばかりの戦力補強。FAで横浜DeNA・山口、ソフトバンク・森福、日本ハム・陽を獲得した他、元楽天のマギーまでを年俸約1億9,000万円で手中におさめました。そうはいっても、ポジションは阿部、村田とかぶるため、高額年俸3人の誰かが、ベンチを温める。もったいないというか、ぜいたくな話です。
高橋監督は、
「現時点で、僅差で守り勝つ野球が最善と思っている」
と話しました。ちなみに、チームミーティングでは、「バント成功率、80パーセント以上」という具体的な目標も掲げています。
監督というものは1年目と2年目は別人とよく言われます。高橋監督も今年は由伸流というものを出し、いい采配をすると期待しましょう。
2月1日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」