宮崎VS沖縄・キャンプ地誘致~仁義なき戦い!【ひでたけのやじうま好奇心】

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球春到来!いよいよ、2月1日からプロ野球キャンプイン。
昔はスポーツ実況をやっていたので、未だに、キャンプインと聞くと、カラダがうずきます!

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※昨年の様子 キャンプインし、ランニングをするオコエ(中央手前)ら楽天の選手たち=2016年2月1日、久米島 提供:共同通信社

ちなみに日本初のプロ野球のキャンプは、1946年に読売ジャイアンツが愛媛県松山市にあった旧制松山高校で、ペナントレースに向けて練習を行ったのが最初と言われています。
そして1961年、巨人の川上監督就任1年目。
フロリダ州のベロビーチキャンプを行い、他の球団も、海外でのキャンプがブームとなった。
1972年、広島カープ「アリゾナキャンプ」1978年、ヤクルトスワローズ「ユマキャンプ」などが有名。
1980年代、バブル景気にのってほとんどの球団が海外でキャンプを行っていました。

それからおよそ37年。今年海外でキャンプを行うのは、去年日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズのみ。
しかも前半の2週間だけ。残りの11球団はすべて日本国内なんです。

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提供:共同通信社

・日本ハムファイターズ前半はアリゾナ州 /後半は沖縄県名護市
・ソフトバンクホークス 宮崎県宮崎市
・ロッテマリーンズ 沖縄県石垣市
・西武ライオンズ A班 宮崎県日南市 B班 高知県高知市
・楽天ゴールデンイーグルス 1軍 沖縄県久米島町
・オリックス・バファローズ 宮崎県宮崎市
・広島カープ 前半:宮崎県日南市 /後半:沖縄県沖縄市
・巨人    前半:宮崎県宮崎市 /後半:沖縄県那覇市
・DeNAベイスターズ 沖縄県宜野湾市
・阪神タイガース 沖縄県宜野座村
・ヤクルトスワローズ 沖縄県浦添市
・中日ドラゴンズ 沖縄県北谷町

重複もありますが合計で宮崎5チーム、沖縄9チーム。
去年の、沖縄でのプロ野球の春季キャンプ。観光客は33万2,000人で過去最高。
キャンプにおける経済効果は100億400万円で、これまた過去最高。
この経済効果の中には宿泊代や飲食代だけでなく、選手のユニホームを洗うクリーニング代、およそ数千万円以上も入っいます。

一方、宮崎県は「プロ野球の春季キャンプ」だけの数字は公表されてないんですが、去年の1月~3月までに「宮崎県でキャンプを行った」プロ野球チーム、そしてJリーグ22チーム、さらも中国のサッカーチーム、実業団の陸上チームなど、すべて合計した選手・コーチなどの延べ参加人数は10万2千人、観光客97万9千人といずれも過去最高を記録して、経済効果144億円。こちらも過去最高。

ちなみに六大学の野球部も「宮崎・沖縄」のキャンプが多い。

《去年2016年の春季キャンプ》
早稲田⇒沖縄県浦添市
慶応⇒アメリカ合衆国・フロリダ州
東大⇒前半:沖縄県那覇市/後半:福岡県糸島市
立教⇒前半:宮崎県日向市/宮崎県西都市
法政⇒前半:沖縄県島尻郡/後半:千葉県鴨川市
明治⇒前半:静岡県沼津市/後半:アメリカ合衆国・フロリダ州アリゾナ州

「宮崎と沖縄」の間では、ここ10年以上、熾烈なキャンプの誘致合戦を繰り広げられています。
2004年に(当時)福岡ダイエーホークスと西武ライオンズがそれぞれ高知県で開催していたキャンプを宮崎県に移しました。
また、阪神の高知県安芸市での開催から沖縄県宜野座村へ。
さらに宮崎のみでキャンプを実施していた読売ジャイアンツも2011年からは2次キャンプ地を新球場が出来た那覇に移しました。

若干微妙な状況を強いられていた「宮崎」ですが、2015年にオリックスが沖縄県の宮古島市から宮崎県宮崎市に変更しました。
オリックスと言えば1993年から22年間、宮古島でキャンプを行っていましたが、球場の老朽化をはじめ、周辺にキャンプを行うチームがいないことなどから練習試合ができず、満足いくキャンプに欠けるとの意見が球団内から出たことからキャンプ移設を決断。
それを聞いた宮崎市側は、以前、巨人ファームがキャンプをしていた清武町(きよたけちょう)の野球場を一軍キャンプ用に18億円かけて改装して誘致に名乗りを挙げ誘致に成功しました。

オリックス関係者は変更の理由として、宮崎市内の中心部や宮崎空港から車でそれぞれ約20分とアクセスが良く、ファンが気軽に来場できることも挙げています。
宮崎市の観光協会は「巨人、ソフトバンクと合わせ、ひとつの市に、プロ野球3球団がキャンプを張るのは快挙。土日祝には3つのキャンプ地を回る無料バス『三球シャトル』を出して観客をサポートしています」と意気揚々。

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三球シャトル 2017年 プロ野球 宮崎春季キャンプ特設サイトより

また日本ハムが長年にわたりキャンプを行っている「沖縄県名護市」。
こちらも球場の老朽化(築39年)に伴い、去年から、日本ハムは前半をアメリカのアリゾナ州、後半だけ名護でキャンプを行うことになりました。
スポーツ紙は「日本ハム、名護撤退」と報じましたが、名護市と日本ハムの話し合い重ねた結果、名護市側は今年のキャンプ終了後に総工費30億円~35億円をかけて改築工事を行い2020年に新球場を完成させると宣言。

日本ハム側も、2018~19年は2軍が使っている沖縄県の国頭村(くにがみそん)でキャンプ後半を実施、2020年に新球場が完成した暁には、必ず戻ってくると約束しました。

ポイントは2020年というところ。東京オリンピックでは、プロ野球、ソフトボールが公式種目に復活。
事前の各国キャンプ地でも「宮崎」と「沖縄」がライバルになります。
3月から行われるWBCの日本代表チームのキャンプが行われるのは「宮崎県」です。
さらに「宮崎」は、2019年日本で行われるラグビーのワールドカップ・イングランド代表チームが宮崎のシーガイアで事前キャンプを行うことがすでに内定しているそうです。

宮崎ではキャンプ誘致のパンフレットに「キャンプの聖地」としてPR。
「聖地」だけでなく、2009年に合宿を行った野球日本代表はWBCで世界一!
2015年同じく合宿を行ったラグビー日本代表、Wカップ大飛躍!
宮崎でキャンプすると「勝ち運」が上がる!
メダルに最も近い県!などと言ったキャッチフレーズでPRを行っています。

負けていられないのは沖縄。
こちらも県をあげて、2020年の東京オリンピックのキャンプの誘致に乗り出し、積極的にアジアの国にPR。
その甲斐あって、今年の春、サッカーのプロチームは22チームが沖縄でキャンプを行うことが決定。これは過去最多。そのうち8チームが、中国と韓国のサッカーチームです。

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1月30日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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