昨日5日、大谷翔平が札幌の球団事務所で交渉を行い、2億7,000万円でサインしました。本人の口から柔和な表情で「2億7,000万円」と告げられた時は、安いと感じた方も多かったのではないでしょうか。その倍払ってもいいくらいの今年の活躍でした。
しかし、チームのバランスを考えると、中田翔が2億8,000万円ですから、それを上回ることは事実上不可能。そうはいっても高卒5年目でダルビッシュと並ぶ史上最高額です。
さらにこの日、話題を集めたのは、早ければ2017年オフにはポスティングシステムを利用したメジャー挑戦を容認されたことです。
大谷翔平選手の高校を卒業してからプロ入りする経緯、その後の二刀流での活躍ぶり。ここまで、すべてうまく動いています。
来年も活躍して、大変な争奪戦になってメジャーリーグへということになると、日本の野球界にはぽっかり穴が開くことになりますが、メジャーでどのくらいのピッチングをするか、二刀流がはたしてあるのかどうか、非常に興味深いところです。
ポスティングの現システムでは13年から、2,000万ドル(約22億8,000万円)が上限となっています。ポスティングでの最高額は11年、レンジャーズが日本ハム・ダルビッシュを落札した5,170万ドル(当時約40億3,300万円)で、次が06年、レッドソックスへ移籍した際の西武・松坂大輔で5,111万ドルです。
日本のプロ野球は大きく変わってきており、選手の年棒を抑えて、自前のスターを作ることがトレンドになっています。その先駆けが日本ハム。北海道へ移転した04年に1億円を投じて、さまざまな角度から保有する選手の能力や、現在の地位などを数値化した、ベースボール・オペレーション・システムを導入しています。
大谷が移籍しても、次の選手へ活躍のチャンスを与える。今オフ、陽岱鋼がFA宣言しても、無理に引き止めなかったのも、そんな事情があればこそ。これまで我々が気づかなかったすごい選手が、にわかに日ハムから出てくる可能性が十分あるということです。
MLB側も、今回の移籍容認は話題になっています。でも、打者限定の選択肢はなし。野手+セットアッパーか、投手オンリーの2通りだと言われています。最大の魅力は、何といっても160キロ以上のストレートを投げることですから。二刀流の実現は、あくまで交渉しだいです。
移籍を前提に、大谷は来年、「タイトルはすべて獲りたい」と意欲を燃やしているとのこと。来季も漫画みたいな野球を実現してくれるでしょうか。
12月6日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」