ソフトバンクからFA宣言した森福が1日、巨人移籍を決断。巨人は来シーズン、この森福をDeNAの筒香キラーに育て上げたいというような深謀遠慮もあるようです。

巨人への移籍を表明した森福允彦投手＝12月1日、ヤフオクドーム　写真提供：産経新聞社

森福の存在が全国区となったのは、2011年、中日との日本シリーズ第4戦でのこと。6回無死満塁の大ピンチでマウンドへ。絶体絶命のチームをわずか11球で救った。『森福の11球』として、ファンの間で球史に残るシーンといわれています。

また、森福を語る際に、あの野村克也さんを無視するわけにはいきません。愛知県豊橋市出身ですが、高校卒業後シダックスへ入団。そこには野村監督がいました。172センチ・67キロの体調はいかにも小さい。

「私の監督人生で、自信をなくさせてくれた1人。絶対にプロでは通用しないと思った」

とのちに野村監督は語っています。それでも、プロへ行った際の準備にということでシュートをマスターさせ、外角低めへのコントロールを徹底的に指導しています。10球の内、6球を投げられなければ、またやり直し。こうした指導で森福の今日がある。

「挑戦するつもりで、巨人でやりたい」と話し、古巣へ別れを告げましたが、普段はひょうきんなタイプで遅刻王。あまりに遅刻が多く、関係者をハラハラさせており、ソフトバンクのロッカールームには、『森福がいなかったら、すぐに電話を』というはり紙が貼ってあったほど。

『森福の11球』では「ここで、抑えなかったら、丸刈りに」というペナルティーが科せられていたとか。丸刈りは御免とばかりに、こん身の投球を披露したという裏話もあります。

FA移籍を決断すると、涙を見せる選手がいますが、森福もそんな1人。11月23日のファン感謝デーでは、「巨人へ行っても、頑張れ！」とスタンドからは激励の声が飛びました。

森福の加入は相乗効果が期待できる。横浜DeNAから山口俊も移籍する2017年の巨人は、とても強そうです。

12月2日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ！「スポーツ人間模様」