絵になる人は、ひと振りで決める。きのう8日のオーストラリア戦で中田が今大会、初ヒット。それも決勝ホームランでした。
「(バットの)先っぽだったけど、力で持っていきました」。
オフのトレーニングの賜物でしょう。巨人時代の清原が肉体改造で話題を集めたケビン山崎氏の指導を受けて、8キロの減量に成功。担当記者が「シルエットが変わって、中田とは思えない」と語るほどスタイリッシュになりました。
しかし、体を絞れば持ち前のパワーがダウンする心配があります。ただ、
「鍛えて、体重が落ちた分は、回転力がカバーしてくれる。切れるスイングですよ」。
アリゾナの1軍キャンプへは帯同せずに、今春は沖縄・国頭村の2軍キャンプで基礎をつくる。毎晩、夜間練習に参加せず、ひたすらバットを振り続けました。キャンプ中は、鉄人と呼ばれた衣笠祥雄さんから「ボールを自分の間でつかまえなさい」と指導を受けた他、日本代表の合宿からは、兄のように慕っている、稲葉篤紀コーチがつきっきりの状態でした。
今回のチームについて、中田は報道陣へこんな言葉を投げかけています。
「日本代表を平等に見てほしい。(大谷)翔平がダメ。筒香がダメなら、山田へはないでしょう。チームはみんなの日本代表だと思う」。
やんちゃがトレードマークだった中田も、今季はプロ10年目。日本を代表するスラッガーとして、発言力が増してきました。
出場を辞退した大谷については、「感謝している」と前置きして、「スーッと帰れるようになった」。以前のシーズンでは、どんな時でも必ず、ぶら下がり取材で足止めをされたからでしょう。さらに、
「エグいやつだと思う。負けるもんか、という気持ちにしてくれない」
と才能の違いを認め、自身の表現ですごさを語っています。
この日はダメ押しの一発を放った筒香とともに、お立ち台に上がりました。
「ゴウが空気を読まずにバンバン打つので、1本出て良かった」
とホッと胸をなでおろしています。
中田は、
「シーズンでもすごい成績を残したい」、「最低でも40本は打ちたい」
と繰り返している。WBCでの、そして今シーズンでの活躍が楽しみです。
3月9日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」
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