いよいよ今夜はWBC日本代表の初戦です。1次ラウンドB組で最大の強敵と言われているキューバ戦です。キューバはここまで引き分けをはさんで5連敗中と不調ですが、侍ジャパンもいまひとつ、パッとしません。
侍ジャパンの最大の泣き所は正捕手不在ではないでしょうか。2006年=里崎、09年=城島、13年=阿部と過去の大会は、日本を代表するキャッチャーが司令塔の役割を果たして、好成績を残しています。しかし、今回は嶋が故障で戦線離脱。かなり雲行きが怪しくなりました。そして、キューバ戦は小林が先発マスクをかぶり、石川とコンビを組む。かなり不安です。メンバー発表時から、「選手選考がおかしい」と指摘されていますが、否定はできない。小林は巨人のチームメート、菅野専属といってもいい。もう1人、日本ハムの大野も大谷とのコンビを想定しての選出でした。
台湾選抜との壮行試合第1戦で、大野がスタメン、小林はその後に出場して、8失点。打たれたのは投手でしたが、2人とも、リードがお粗末で散々。日本球界の捕手難は深刻です。昨シーズン、小林は規定打席に達したものの、打率が2割4厘でした。これは、規定打席到達選手で最下位です。
今オフ、小林を1人前に-と立ち上がったのは阿部でした。
「さらさらヘアーがムカつく」「試合中、ヘルメットをとると、いつも髪を気にしている。おれがバリカン星人になるよ」。
阿部は短髪。城島もこの点については以前、
「ヘルメットをすぐにとれるようにしなくてはいけない。歴代の名捕手に髪が長い人はいないよね」という話をしていました。
阿部の発言にはさすがに、グサリときたのでしょう。小林は正月、実家へ帰省中に断髪。イメージを一新して、阿部とグアム合宿を行いました。急成長をみせたはずだったのですが…。いみじくも不安が露呈したのが3日、阪神との強化試合です。ソフトバンク・武田とバッテリーを組むと、生命線の魔球、カーブがうまく捕球できない。初めてパ・リーグ投手と先発でコンビを組んだことが要因です。この時、脳裏をよぎったのは、昨シーズン、マイコラスが小林の捕球難で不満を爆発させたことこと。
高橋監督も、オフレコのようなトークでこんな苦言を呈しています。
「体力が1年もつぐらいで、何かあるの? レベルもさほど高いとは思わない」。
こんな感じで、いまひとつ信頼がない小林にとって、今WBCは男を上げる千載一遇のチャンスです。勝てば官軍。自信と経験をつけるにはこれほどのチャンスはありません。意地を見せてほしいものです。
3月7日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」