1人気を吐くキーマン!WBC日本代表・菊池涼介内野手(26歳) スポーツ人間模様

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通算3度目の世界一を目指す侍ジャパン。25日のソフトバンク戦に続いて、昨日28日に行われた台湾リーグ選抜にも敗れ、2連敗と全くいいところがありません。ただ、台湾リーグ選抜は、同国のWBC代表よりもはるかに強く、担当記者の多くは「これも想定内」だと言います。

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8回、右翼線二塁打を放つ菊池=2017年2月28日 ヤフオクドーム 写真提供:共同通信社

そんな中でただ1人、気を吐いているのが2戦連続で3安打を放った菊地。なかなか話題にはならないものの、日の丸を背負って戦うことに並々ならぬ意欲を燃やしています。昨シーズンはNPB最多の181安打を放ち、内野の要といえるキーマンです。

東京・東大和市出身。昨シーズンから広島では、チームの顔ともいえる存在になったことで、「ひとケタの背番号を」と話を持ちかけていますが、「33番は譲れない」と固辞しています。というのは、かつて自身のヒーローがつけていたナンバーだから。そのヒーローとは、広島から巨人へFA移籍し、西武で現役引退し、同じ東大和市出身の江藤智(あきら=現巨人打撃コーチ)です。

そうした一途な気持ちが、常に努力を続けている原動力となっている。人生のターニングポイントでは、常に自身が率先して切り開いてきました。最初は高校進学時のこと。菊池が通っていたのは有名な中学生ではなく、強豪校から声がかからない。そこで、自分が動き、数多くの電話をかけて長野・武蔵工大第二高を選び、越境入学します。でも、甲子園出場は果たせず、無名の高校生に終わりました。

甲子園出場は出来ませんでしたが、今日の礎を築いたのがこの高校時代。規律が厳しく、用具を大事にすることも徹底的に教えこまれた。加えて、ほぼ毎日行われた100本ノックが、守備の達人となった菊池のスタートです。100本なら、それほどでも…と感じるかもしれませんが、全て捕球してから1塁へ送球するのが、同校のスタイル。これはかなりつらい。「あの練習がなかったら、今はありません」と振り返っています。

大学進学でも大いに悩みました。進学する志はあっても、アルバイトをしながら、野球をできる大学がみつからない。唯一、オッケーが出たのは中京学院大。最初は、「おなかいっぱい、まかないが食べられる」と牛丼のチェーン店だったものの、「時給が良かったから」とパチンコ店へ移ったそうです。2011年、広島からドラフト2位で指名された際の契約金は7,000万円。当時のアルバイトの時給がだいたい700円だったので、その額の多さに非常に仰天したそうです。

入団が決まって入寮時の伝説もユニークでした。身の回りの荷物を全部、着払いで依頼。広島関係者は、「後にも先にも、そんなことをしたのは菊池だけ。それぐらい苦労して、やってきたことが痛いほどわかった」と明かします。

今年も活躍が期待される菊池。まずはWBCでひと暴れして日本を優勝に導くことを願うばかりです。

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3月1日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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