新横綱の稀勢の里が3連勝。その勢いは、弟弟子の高安にも素晴らしい影響を与えているようです。高安は、
「自分の人生のために戦う」
と、場所前から並々ならぬ誓いを立てました。
大関昇進の条件は、3場所の合計が33勝。先場所が11勝4敗の高安が来場所、大関獲りにかかるには10勝以上がノルマです。
稀勢の里の横綱昇進を誰よりも喜んでいたのが高安でした。
「ずっと願っていれば、実現することがわかった」
と、しみじみと語っています。
今場所、3連勝と好調の要因を
「けいこです。しっかりと足に力が入っている」。
昨日は、大関復帰を目指す琴奨菊を力でねじ伏せています。
「高安を大関にあげることが、私の指名のひとつ」
と、稀勢の里。入門以来、胸を借りてここまできました。高安も、
「大関にあがるまで、何度でも挑戦する」。
この2人の調子の良さを、驚きの目でみているのは、八角理事長以下、協会の幹部です。「腰が重くなった」。これは、力士へ最高の褒め言葉。筋力トレーニングなどでは不可能な、けいこでしか得られない力強さです。
高安には、ちょっとした武器があることをご存じでしょうか。ひと目見ればおわかりのように、全身の剛毛がわかります。20歳を過ぎて、急に毛深くなったそうで、クマと呼ばれている。ところが、対戦する力士からいわせると、「当たった瞬間、あの毛が痛い」。何度も耳にしたことがあります。さらに、足のサイズが33センチと規格外の大きさで、地に足がしっかりついていると、力士にふさわしい資質を兼備。
中学は野球に取り組んでいたものの、「身ひとつで稼ぎたい」と鳴門部屋へ入門しました。先代親方が好んだ叩き上げですが、稀勢の里と決定的な違いは、あまりの厳しさに、音を上げて何度も脱走した過去が…。破門にならなくて本当に良かった。
生まじめですが、女性ファンが多く、かなりモテる-と評判です。それから、カラオケが得意で、抜群の歌唱力も魅力の高安。今場所の目標はまず、10勝を挙げることです。
3月15日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」