フルート奏者になるために・・・学生時代の、8時間の猛特訓が支えるステージ

By -  公開:  更新:

毎週日曜朝に放送中のラジオ番組「魔法のラジオ」のパーソナリティも務める、フルート奏者の横田美穂さん。

フルートというとクラシックのイメージが強いですが、横田さんのフルートはクラシックを奏でるだけではありません。これまでのフルートのイメージを変えるような疾走感溢れるメロディや軽快なリズム、ポップで心がワクワクと楽しくなるような曲は、気を張らずに誰もが親しめます。

もともとのフルートの優しい音色から、力強い音までを操る、変幻自在のパフォーマンスは多くの人を魅了し、コンサートやテレビ、ラジオなど各メディアで活躍する横田美穂さんの魅力に迫ります。

【横田美穂インタビュー 第1回】
フルート奏者になるために・・・学生時代の、8時間の猛特訓が支えるステージ

フルート奏者になるために・・・学生時代の、8時間の猛特訓が支えるステージ

●フルートとの出会い

編集部:幼い頃にピアノを習っていたそうですが、フルートとはいつ出会ったのですか?

横田:小学生の時、地元の高校のブラスバンドの演奏を見ていたんです。そこでフルートを見て『あのキラキラした楽器はなんだろう?』『私、あれをする!』って心に決めました。中学生になったら吹奏楽部に入って絶対にフルートをしようって。吹奏楽部にはサックスやクラリネットなどの人気楽器もありましたが、まったく心変わりしませんでした。横に構える楽器がステキだと思ったし……でも、やっぱり直感ですね。

編集部:中学生になり、実際にフルートを演奏していかがでしたか?

横田:まったくの素人ですから、初めは音も出ませんでした。埼玉ののんびりした中学校で練習して、だんだんと音が出るようになって、音色に透明感が出てきたら凄く楽しくなりました! 出来ることが増えると楽しいじゃないですか?それで、もっと夢中になり、中学2年の時にはフルーティスト(=フルート奏者)になると決めました。

フルート奏者になるために・・・学生時代の、8時間の猛特訓が支えるステージ

●1日8時間の練習漬けの学生時代

編集部:中学2年生で、もうプロへの道を決めていたのですか!?横田さんのご両親は、進路について理解してくださいましたか?

横田:ほんとうに両親に感謝していて、凄く応援してくれたんです。母は「フルーティストになるなら、中学の部活だけじゃ足りないよね?習いに行かないとダメよね!」って言ってくれて。父は普通の会社員ですが、母は陶芸家で書道家なので芸術に対して理解があり、好きなことをさせてくれました。

編集部:プロになるために、学生の頃はどんな練習をしたのですか?

横田:先生には「1日8時間練習しないとダメだよ」って言われていたので、『8時間練習しなきゃ!』って練習時間を確保することをすごく考えていました。朝は1時間早く起きて、学校の昼休みにも30分練習、部活が始まる前に・・・と時間を見つけて8時間練習していました。

編集部:1日に8時間も時間を確保するのは、相当大変ですよね?先生は例え話として、“8時間練習するくらい頑張りなさい”とおっしゃったのでは?

横田:それもやっぱり、若さゆえの“素直さ”と“底知れぬパワー”のお陰だと思います。今だったら、ずる賢く練習時間をごまかしているかもしれませんね(笑)だけどその時は、「やりなさい」って言われたことを素直にやっていました。

音楽家だけではなく、スポーツ選手を見ていても“ひたむきさ”を感じることってありませんか?最近ちょっと忘れがちだから、もう一回初心に戻らないといけませんね。

そんなわけで中学も高校も、ずーっとフルート漬けでしたから遊んだ経験がありません。高校の思い出といったら、同級生の女の子と大宮へ行って、あんみつパフェを食べたことくらいです(笑)演奏者のあらゆる経験が音に反映されるので、楽しいことがもっとあったかもしれないと思うと、勿体ないことをしたかな、と思うこともあります。

フルート奏者になるために・・・学生時代の、8時間の猛特訓が支えるステージ

●学生時代の“がむしゃら”な練習がステージを支える

編集部:学生からプロを目指したことで、悩んだことはありませんでしたか?

横田:思い通りにならず、悩むことは昔も今もあります。高校では音楽家コースに入ったので、学期ごとに実技試験がありました。当たり前ですが、試験は一回勝負。試験官の先生がすごく怖く感じたり、緊張で震えたり、100%出し切れなかったり。上手くいかなくて何度も落ち込みました。

編集部:横田さんはいつもどうやって緊張を克服しているのですか?

横田:緊張を身につけて、緊張を自分の味方にしています。だら~んとしたプロっていないですよね?憧れの演奏家のステージも、こちらの息ができないほどの緊張感と集中力が伝わってくるんです。だから、緊張は必要なものなんです。

緊張を味方につけられたのは、底知れぬスタミナがあり、がむしゃらに、大量に練習したというベースがあってこそです。だんだん打たれ強くもなるし、どうやって自分のスイッチを入れれば音楽に集中できるのか、という感覚も掴めますよ。

編集部:ありがとうございました。

気になるインタビューの続きは、また明日。楽器やフルートの魅力をご紹介します。

■「魔法のラジオ」番組HP
https://www.1242.com/radio/mahou/

■横田美穂 オフィシャルWEBサイト
http://www.miho-yokota.net/

■横田美穂 CD楽曲情報
http://www.miho-yokota.net/discography

文:allnightnippon.com 編集部 望月知世
写真:allnightnippon.com 編集長 長浜純

Page top