男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。現在、東地区でし烈な優勝争いを演じている千葉ジェッツ。
沢山のブースターに後押しされてラストスパートに入っていることを前回ご紹介しました。
今回も引き続き、千葉ジェッツのキャプテンにして、日本代表のキャプテンも務めた小野龍猛選手にお話を伺います。
千葉ジェッツは2011年にbjリーグ参入に始まり、NBLの参戦を経て創設6年目。Bリーグが開幕するまではタイトルに縁がありませんでした。
そんな中、今年1月に行われたオールジャパン2017(天皇杯 全日本総合バスケットボール選手権大会)で悲願の初優勝・初タイトルを獲得。キャプテンとしてチームを引っ張った小野龍猛選手は「チームの営業などフロント陣は、売り上げや入場人員で数多く日本一を取っているんです。ただ、僕たち選手にはなかった。この優勝で選手も日本一になったし、日本一=ジェッツとなったことはチームとしても、個人としても嬉しかったオールジャパンの優勝でした。」と振り返ります。
さらに「プロチームとして初めて(オールジャパンを)優勝したチームが千葉ジェッツだったというのは大きいと思います。」と喜びもひとしおだったようです。
初めてのタイトル獲得で勢いに乗る千葉ジェッツ。強豪ひしめく東地区のリーグ戦を勝ち抜くためには“自分たちのバスケットをできるか”にかかっているわけですが、千葉ジェッツにとって“会心のバスケット”とはどんなゲームなのでしょうか。
「主にディフェンス面、相手を50~60点に抑えることがウチのバスケットだと思っているので、ディフェンスが一番ですね。あとは第1クオーターの入り方。しっかりと入ることができればウチは強いです。」と言い切る小野龍猛選手。
しかし、「(入りで)やや浮足立ったところも多々ある。そういった部分を締めていければ他のチームには負けないと思います。どこのチームにも勝てる一方で、どこのチームにも負けるチームでもあると思っているので、今後に向けて僕が締めていかないといけない」とキャプテンらしい決意も見せてくれました。
さて、お話を伺っていると答えの端々にキャプテンらしさも垣間見える小野選手ですが、実は「僕はキャプテンなんてやりたくないんですよ(苦笑)向いてないんです僕は。」とまさかの答えが!
「うちのチームには多分、適任者がいないだけです(笑)」と、ウソかまことかはチームやブースターの皆さんの判断に委ねますが、あくまで小野選手は「キャプテンというより、選手の代表者というイメージですね。個性が強いチームなので試合中はポイントガードがしっかりまとめてくれれば(大丈夫)。僕はスポンサーさんやブースターさんへのあいさつや、(チームが)ビシっとしない時に言うくらいです。」と小野流ならぬ小野龍キャプテン像を教えてくれました。
「どっちかというと自由にやらせてもらいたいタイプ」と自己分析している小野選手ですが、なかなか向いてない選手が日本代表のキャプテンを務めることも、指名されることもありません。
それでも「なぜ僕(がキャプテン)なのか全くわからないです…。ただ、代表の時は選手が各々キャプテンシーを持っているので、まとめるということより仲良く和気あいあいとやれれば良いなと思っていました。」という小野選手。個性派の日本代表をまとめるというよりは、伸び伸びプレイできる環境づくりに重きを置いているようです。
小野選手も選ばれているバスケットボール日本代表。リオ五輪の出場を逃し、次なる目標は2020年には東京五輪です。キャプテンを含む4年間の日本代表を通じて感じた日本と世界のバスケットとの差については「まだすごく開いています。埋めるためには個の力が大事だと思っていますし、力を上げなければ勝てないと思います。チームの差もあると思うので、ひとつになってチームワークを重視しないと日本は勝てないと思います。」と冷静でした。
また「世界は背の高さでアドバンテージがあるので、そこを補うのはチームワークとかフィジカル、賢さ、勤勉さなど日本の良い部分。そこを出していけば勝てると思いますし、渡邊(渡邊雄太選手、米ジョージ・ワシントン大学在学中)や八村(八村塁選手、米ゴンザガ大学在学中。)の若い選手も海外で活躍しているので、(代表でも)やってくれると思います。若手にも期待しつつ、中堅やベテランがしっかりまとめて良いチームにしなくてはいけないと、ここ4年間ずっと代表活動をして感じていますね。」
若手・中堅・ベテランの融合による“日本らしいバスケット”が出来た時、日本代表・アカツキファイブが世界に肩を並べている日が来ているのかもしれません。
野球のWBCやサッカーのワールドカップなど、盛り上がるスポーツの日本代表チームですが、「野球もサッカーも日本代表は強くて世界(の舞台)に出ているので」と前置きした上で、小野選手はバスケットボールの日本代表について「そういう(世界の)舞台で勝たなければ日本のバスケット界は盛り上がらないと感じていますし、代表選手も使命を感じています。野球やサッカーのように、バスケットも素晴らしいスポーツだと知っていただくためには代表強化です。Bリーグが盛り上がっているので、ここからしっかり築きあげて日本代表も強くならないといけないと感じています。」
Bリーグから代表チームが強化され、世界で結果を残し、チームも強くなり、選手たちが戻ったBリーグで活躍、リーグも発展する。
日本男子バスケットボールの発展は、Bリーグの発展なくてはありえない。近年の日本代表を支えるトップ選手の言葉にはとても重みがありました。
最後に東地区のラストスパートを戦うにあたってブースターへのメッセージをいただきました。「毎試合、沢山のお客さんに来ていただいて感謝しています。皆さんの声援は必ず僕たちの力になっています。残り試合とチャンピオンシップを勝って、2冠を目指して再び日本一になれるように頑張りますので、ホーム・アウェイ問わず選手の後押しをしていただければ、ありがたいです。頑張ります。」
下位のチームに取りこぼすことなく、上位のチームとの直接対決をいかに制するかポイントになりそうなリーグ戦。小野龍猛選手がプレイでもキャプテンシーでもチームを盛り上げることは間違いありません。
ワイルドカードではなく、東地区の2位、1位を目指す上で大事な千葉ジェッツのホームゲームが今週末、船橋アリーナで行われます。
レバンガ北海道を迎えた2連戦です。
千葉ジェッツ vs レバンガ北海道
開催日:3/25(土)16:00~、26(日)15:00~
会場:船橋アリーナ(東葉高速鉄道「船橋日大前駅」西口より徒歩8分 、新京成電鉄・東葉高速鉄道「北習志野駅」東口より徒歩20分※「船橋アリーナ」行き直行バスあり)
チケット:https://chibajets.jp/ticket.html
千葉ジェッツ:https://chibajets.jp/
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次回は3/27(月)の更新予定。
小野龍猛選手にとっては国学院久我山高校の大先輩でもある
横浜ビー・コルセアーズのベテラン・竹田謙選手にお話を伺います。
(清水久嗣)
前編【観客動員NO.1のブースターの期待を背負うキャプテン。千葉ジェッツ・小野龍猛選手インタビューその① 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!】はこちら>