お花見シーズン到来! 松田聖子“花にまつわるあの唄たち”【GO!GO!ドーナツ盤ハンター】

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昨今のアナログ盤ブームで、改めて注目されているのが歌謡曲のレコード(ドーナツ盤)。
デジタル音源より音に厚みがあり、またCDでは味わえないジャケットの大きさも魅力の一つ。
あえて「当時の盤で聴きたい」と中古盤店を巡りレコードを集めている平成世代も増えているようです。
そんなアナタのためにドーナツ盤ハンター・チャッピー加藤が「ぜひ手元に置きたい一枚」をアーティスト別・ジャンル別にご紹介していきます。

いよいよ4月に突入、都内の桜も満開になってきましたが、一度やってみたいのが、桜の下でドーナツ盤を回す「お花見歌謡DJ」です。最近は乾電池でも回せる高音質のポータブルプレーヤーもあるので、その気になればいつでも可能なのですが、満開の桜のもと呑みながらレコードで昭和歌謡を聴くなんて、なかなかオツではありませんか。
ところで、今年は忙しくて花見に行くヒマがない、あるいは花粉症で外出がおっくう、という方もいらっしゃるかと思います。今回はそんなアナタのために、最新アルバム『SEIKO JAZZ』が話題の松田聖子のシングル盤から、「花にちなんだ曲」を選んでみました。ちょうどこの4月からニッポン放送2017年度上半期キャンペーン「スマイル~君に耳キュン」のキャラクターにも就任した松田聖子さん。聖子ナンバーには花が出てくる曲が多いのですが、レコードでお花見気分を味わっていただければ幸いです。

【ビギナー向け】・・・『チェリーブラッサム』(1981)

チェリーブラッサム

通算4枚目のシングルで、作詞は『裸足の季節』『青い珊瑚礁』『風は秋色』と初期聖子作品を手掛けてきた三浦徳子(よしこ)が担当。作曲は、前記3曲は小田裕一郎でしたが、本作は初めて財津和夫が書いています。
「チェリーブラッサム(=桜の花)」というタイトルとは裏腹に、歌詞に「桜」という言葉は一度も出てきませんが、独特の雰囲気がある曲で、私も個人的に好きな一曲です。王道ポップスの前3曲とは色合いが異なり、曲調はロックサウンド寄りですが、聖子ははじめ歌いにくかったらしく、のちに自著で「この曲が大嫌いだった」と告白しています。しかし歌っているうちに良さが分かり、だんだん好きになっていったとか。
財津はこの曲のヒットがきっかけで、次作シングル『夏の扉』、さらに最初の松本隆作品である『白いパラソル』と3曲連続で作曲を担当。聖子はこの“財津道場”で鍛えられたことで懐の広さを身に付け、ユーミンや細野晴臣らの書いた難曲も軽々と歌いこなす歌手へとステップアップしていったのです。
300円前後で入手可能です。

【上級者向け】・・・『旅立ちはフリージア』(1988)

旅立ちはフリージア

通算26枚目、初めて聖子自身が作詞を手掛けたシングルです。曲自体は9月にリリースされましたが、フリージアは春に咲く花です。松本隆作詞の『風立ちぬ』(1981)にも「すみれ・ひまわり・フリージア」という一節が登場しますが、聖子にとって思い入れのある花なのかもしれません。
作曲はゴダイゴのタケカワユキヒデが担当。この年はフジテレビの開局30周年に当たり、記念にオリエント急行を欧州から日本まで走らせるという壮大なイベントが開催されましたが、本曲はそのイメージソングに採用。「列車の曲なら『銀河鉄道999』を書いたタケカワだろう」ということで、お鉢が回ったような気がします。
またこの曲は、聖子にとって昭和最後のシングルになり、同時に「最後のレコード作品」になりました。当時はちょうどCDに切り替わる過渡期で、今となっては懐かしい8cmCD盤も同時に発売されたのですが、そのためこのレコードは通常のシングルよりプレス数が少なく、結構貴重です。オークションだと1500円以上値が付くこともザラ。ぜひ手元におきたい一枚です。

【その他、押さえておきたい一枚】

『赤いスイートピー』(1982)

赤いスイートピー

8枚目のシングル。松本隆×呉田軽穂(=ユーミン)。本来、赤い花はなかったスイートピーは、本曲のヒットを機に品種改良で、鮮やかな赤が造られた。

『Strawberry Time』(1987)

Strawberry Time

神田沙也加出産による産休後、ママになって最初にリリースしたシングル。松本隆×作曲はレベッカ・土橋安騎夫。花満開のジャケットが印象的。

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5,000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。


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