今夜は本拠地開幕戦。しかも相手が、開幕カード3連勝の巨人で、予告先発は菅野です。はやる気持ちをグッと抑えて、ラミレス監督は、
「勝つだけです」
とクールに言いました。
故郷はベネズエラ。首都カラカス郊外の人口200人という、小さな町で生まれ、5歳から野球を始めました。実家は裕福ではなく、電気代などの支払いにも苦労したそうで、幼少時から水汲みなどの手伝いをしてきました。唯一の希望は、野球でトップになれば貧困から脱出できる。
「よくストレスなどの質問を受けるけど、昔を思えば大したことはない」。
さい配をふるうのは監督の仕事ですが、グラウンドでそれに応えるのが選手。プロ野球12人の監督で、これほど選手に対してやさしい人もめずらしい。怒らない。イヤミをいわない。グチらない。わかっていても、なかなか実行できるものではありません。高田GMが、「たまには怒ったりした方が、監督らしい」と心配するほどです。
ホーム、横浜スタジアムでは午後1時に球場入り。最初にすることは、データルームに入り、さまざまな最終チェックを行う。外見とは対照的で、緻密。
監督は孤独です。つらい時、必ず思い出すことが-。来日してから3人の野球人から授かった金言です。00年11月、ヤクルト入団が決まりました。当初の予定では、「ローンを返すため、お金を稼がなければならない」と1シーズンだけ日本でプレーして、メジャーへ戻るつもりでした。要は、腰掛けのつもりで日本球界を甘く見ていたわけです。
でも、野球の面白さ、奥深さを知ったのはアメリカではなく、日本。出会った人も素晴らしい。来日してバッティングに悩んでいると、若松監督から、「右に打て。そうすれば大丈夫だ」とアドバイスを受けて、メジャーで失いかけていたバッティングの自信が回復。次は、勝つことの大切さを、チームメートから教えられます。古田敦也さんからは、「一緒に戦おう」と。
「その時から戦友になった」
とラミレス監督は言いました。
そして、3人目が巨人移籍後、原監督からは、
「自己流で調整することを賛成してくれた。原さんは素晴らしい監督だ」。
選手として、DeNA移籍後の13年、外国人枠で入団した選手初の通算2,000本安打を達成しました。
2年目となるラミネス監督、今日は果たしてどんな作戦に出てくるのでしょうか。楽しみです。
4月4日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」