巨人は2年連続開幕3連勝。昨日の中日戦、決勝タイムリーを放ったのは新加入のマギーでした。ヒーローインタビューでは、まだ興奮が冷めやらず、顔面を紅潮させ、涙をこらえるシーンも。
とにかく必死でした。オープン戦では、規定打席に達した38人中、37番目と低迷。1割4分8厘はいくら調整とはいうものの、お粗末な数字です。予想外といえばそれまでですが、家族に加え、きっと心配だったのでしょう。両親も来日し、一挙手一投足を見つめていました。「これで、少しは楽になる」。少しだけ安どのタメ息をもらしたように、外見とは対照的で、気が小さく繊細。
2013年、楽天を日本一へ押し上げた実績に加え、巨人、阪神など複数球団の争奪戦で、条件がつりあがり、年俸が約1億9,000万円で、約1億円の出来高がつきます。仮にメジャーと契約しても、左投手の代打という位置づけ。年俸にしても、巨人ほどもらえる球団はないでしょう。
巨人に来て一番予期しなかったことは、楽天とは注目度が天と地ほど違うこと。これが予想外でした。宮崎キャンプでは、村田ヘッドは、「陽の方が、バットの振りがいい」と首をひねるなど、首脳陣、評論家の評価はいまひとつでした。しかし、唯一、「素晴らしい」と絶賛したのは、長嶋終身名誉監督。このあたりが野性的な勘です。
一方、マギーがピリピリしていたのは、チーム事情と無関係ではありません。1塁、3塁を守り、キャッチャーの経験まである。楽天入団時は、レギュラーが保障されていましたが、巨人では定位置の3塁には村田がいました。
村田にしても、昨年は3シーズンぶりに打率3割をマーク。本塁打25本、81打点と活躍し、ベストナイン、ゴールデングラブを獲得しています。にもかかわらず、開幕カードではスタメン落ち。
これも巨大戦力を抱える巨人ならではの贅沢な悩みのひとつかもしれない。高橋監督がマギーを起用したのは、長いシーズンを見据えて。1シーズンもたないだろうとの読みと、大金を投じたフロントへの心遣いが見え隠れします。
V奪還のカギはマギーをどう使いこなすか。振り返ってみると、楽天が優勝した13年もオープン戦では全試合出場を果たしていますが、打率2割ジャスト、本塁打0本、2打点とサッパリでした。
4月3日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」