故郷、熊本で先発。それも巨人のエース、菅野と対決です。山中は満を持しての登板となります。
昨年の開催は熊本地震のために中止。27歳まで過ごした地元への恩返しに、これ以上のステージはありません。
2014年7月、2対2のトレードで新垣渚と共にヤクルトに来ました。生まじめで、クール。ただし、今季は気迫がすごい。理由は、その新垣が昨シーズンで現役を引退したから。
「ぼくは、おまけで来たようなものでした。新垣さんが、まさか先にやめるとは…。もっと頑張らないといけない」
と理由を口にします。
12年のドラフト6巡目でソフトバンクから指名を受けた。13年、ウエスタンリーグの最多勝タイトルを獲得したものの、ソフトバンクでは1軍の勝利はなし。存在がクローズアップされたのは、ヤクルト移籍後の15年でした。シーズン初登板から6連勝。8月、右胸の肉離れを発症して快進撃はストップしましたが…。もし、ソフトバンクにいたら、これほどの活躍ができたか疑問です。
ヤクルトに高津投手コーチ(今季から2軍監督)がいたことも幸運だった。アンダースローを知るのは、やっぱりアンダースロー。たったこれだけのアドバイスで劇的な変化をもたらしたようです。
「ひざではない。右尻で投げるイメージだ」。
まさに、目からウロコの金言でした。中学時代に軟式野球で、「サイドスローだった」ことはあるものの、再び、高校から慣れ親しんだアンダースローに。「ボールを肩から上で投げたことがない」のが自慢という変わり種です。
ストレートが120キロ台。ホームベースの左右を目一杯使い、さらには高低差もフル活用して打者を打ち取っていく。一時は、ストレートの球速をあげることに苦心したようですが、あくまでコントロール重視です。
若手から「ゾンビさん」と呼ばれるのは、ランニングの際など、まるで鬼のような形相で懸命に走るから。太ももが65センチ以上もあるのは、下半身の鍛錬を欠かさない証明です。
今季は2試合登板で、勝敗はまだありません。17年の、まず1勝が、熊本。真中監督の粋な演出です。
4月18日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」