9回、追加点が欲しい場面で、代打で出てきた亀井が見事なタイムリー。勝負強さが光りました。
開幕前、高橋監督は、右の代打は村田。左が亀井と通告をしたらしい、という話が伝わってきました。なぜなら昨シーズン、巨人のチーム代打打率は1割5分6厘で12球団のワースト。選手は監督からの指示に従わなければなりません。高橋監督も、晩年は代打の切り札として一振りに賭けたわけですから。
亀井が1打席入魂の見本にしたのが、その監督の現役時代。5回までベンチに座り、ナイターの照明に目を慣らすルーティンを知っていました。
「マネをしているだけです。ずっとリスペクトしてきた人。打てたのはタマタマとしても、とんでもなく、ボールがよく見える」。
昨年、亀井が出場したのは、わずかに66試合でした。6月中旬には3軍まで降格したのですから、致し方ないことでしょう。今季が12年目ですが、ペナントレースで規定打席に達したことがなく、年間100試合以上の出場は、わずか3シーズンだけです。
2015年に、84代4番の実績があるにもかかわらず…。野球センスは抜群でも、故障が多いのは玉にきず。何しろ、外野をすべてこなし、内野もショート以外の経験もある。
「外野は肩全体で投げるイメージで行えば、今でもキャッチャーまで100パーセント、ストライクを投げる自信がある」
と、さらりと話します。試合前も、人工芝、天然芝にかかわらず、隅々まで状態を確かめ、土の硬さのチェックも怠りません。
第2回WBC日本代表として出場した際には、イチローがキャッチボールの相手に指名。当時の感触が未だに残っているそう。
「あれほど、回転の速いボールを受けたことがない。ズドンときました」。
今年のこだわりは、バットのグリップを0.3ミリ、太くしたことです。「皮膚の皮1枚分、太くしてください」と用具メーカーの担当者へ依頼。そのリクエストを聞いて、スタッフが驚いたといいます。同じことを巨人時代の松井が要望し、そのシーズンで、50本塁打をマークしました。
バッターでは高橋由伸、守備ではイチロー。2人のレジェンドの背中を追い続ける。今シーズンは昨日まで打率4割。得点圏打率が7割1部4厘というハイアベレージをマークしているだけに、あす18日からの九州シリーズも注目の選手です。
4月17日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」