清水久嗣のB.LEAGUEレポート!有言実行のサクセスストーリー~川崎ブレイブサンダース篠山竜青選手その①

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
“自分もプロバスケットボールプレイヤーになりたい!”
シーズン終盤の熱戦を見て、こう思った子供たちは少なくないはずです。

しかし、なりたいと思うだけでなれるほど甘くはないのもプロの世界。
それでも早くからトッププレイヤーを目指して道を定めて突き進んだ結果、実際にプロとしてプレーしている選手もいます。

川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手。
圧倒的な勝率で中地区を制覇したチームのキャプテンにお話を伺ってみると、“プロバスケットボールプレイヤーになるためにはどうすればいいか”そのヒントが隠されていました。

川崎ブレイブサンダース(キャラ無し)@680px

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS 

©KAWASAKI BRAVE THUNDERS

神奈川県・横浜市出身の篠山竜青選手。お母様と兄弟がバスケットボールの経験者だった影響で小学生の時から地元でミニバスケットを始め、チームは全国大会にも進出しました。
「横浜市はミニバスが盛んでレベルも高かったですし、バスケットの基本をしっかり学べました。バスケットとの向き合い方も身についたと思います」とバスケットを始めたころの記憶をたどります。地元の中学校に進学した後もバスケットボールに打ち込む日々。もうその頃から、プロバスケットボールプレイヤー・篠山竜青が誕生するストーリーは始まっていました。

都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会に神奈川県選抜として出場した篠山選手は「初めて自分の力を全国の舞台で試すことができました。僕達は決勝トーナメント1回戦で大阪府選抜に敗れたんですけど、(その大阪が結果的に優勝して)他の県のチームを見たときに『多分、やっていける。』と感じて、これなら『一番上を目指したい』と。当時から勉強が苦手だったのもありますし、絶対に推薦で進学してバスケットで就職するんだという気持ちみたいなのは芽生えていました。」

そこで篠山少年は、ある道筋を漠然と考えます。
「当時のトップリーグ・JBLに入るのは今のBリーグよりも狭き門でした。ならば高校でインターハイやウインターカップのベスト4の成績を残せるようなチームに入らないといけない。そこでスタメンで活躍しないと、関東大学バスケットボールの1部リーグの大学からは声が掛からない。ということを考えた時に“神奈川県では厳しい”と」

既に中学生の時からプロプレーヤーへの道を逆算していたという篠山選手。
実は小学生の時から、お母様からは口酸っぱく「バスケットでご飯を食べていくのであれば、(神奈川県を)出ないと」と順序立てた話を聞かされていたそうです。そして「勉強しないんだったら死ぬ気でバスケットしなさい。」とも。
当時の高校バスケット界は秋田の能代工業や福岡大大濠、京都の洛南や福井の北陸高校が全国大会の常連校。「神奈川の高校で目立つだけでは先に繋がらない。強豪校のどこかに行けば、全国ベスト4や8に進出することは堅い。その中で試合に出られれば」と北陸高校への進学を決めたのでした。

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親元を離れ、初めての寮生活だった北陸高校での生活。
「体育会系の上下関係というのもしっかりしていましたし、最初のインターハイが終わるくらいまできつかったですね」と当時を振り返りますが、バスケットボールプレイヤーとして、男として、意地とプライドが彼を支えます。
「当時も神奈川県外に出ていく選手はいましたが、成功しない選手もいました。引き留めてくれた神奈川県の先生方もたくさんいらっしゃったので、“活躍しないと地元には帰れない”っていう気持ちが強くて。『北陸に行ってよかったね』って皆に言わせたくて。高い意識を持ってバスケットに取り組んでいました。」

さらに「周りにどう思われているかすごく気にしてしまう」と自己分析する性格は“神奈川で一番頑張っているプレイヤーでありたい”というモチベーションへと昇華。
北陸高校1年生の時には“女子バスケットボール”の強豪・神奈川の金沢総合高校がウインターカップで優勝したことにさえ「(北陸は男子の準優勝で)悔しくて。2年生の時は頑張りました。」と全てを力に変え、その後は3年生のインターハイでついに全国制覇を経験したのでした。

トップリーグでプレーするための道をひたすら突き進んだ篠山選手。そのうえで大学進学も「いかにスタメンのポイントガードとして早く試合に出場できるか」を念頭に選んだと言います。
「色々な大学を見たときに正直、一番ポイントガード(PG・篠山選手のポジション)が手薄だと思ったのが日大(日本大学)だったんです。東海大学には西村さん(現・千葉ジェッツ#11西村文男選手)がいて、試合に出られたとしても3年生からだと思いましたし。青山学院大学も同期の橋本竜馬(現・シーホース三河#0)がいるからポジション争いをしないといけない。その点で日大の在校生を見た時、2年生からスタメンでいけると感じました。ならば(関東大学リーグの)1部にいる日大で下級生からスタメンで使ってもらって、東海や青学などと毎回試合をさせてもらった方が、プロへ繋がっていくと思いました。」という徹底ぶりです。

篠山竜青選手は日本大学卒業後、東芝ブレイブサンダース(現・川崎)に加入。
当時は日大出身の菊地祥平選手(現・アルバルク東京)や田中輝明さん(前東芝ブレイブサンダースヘッドコーチ)らがチームに在籍し、さらに日大の一つ先輩である栗原貴宏選手(#9)も加入していたことから、篠山選手の加入も自然なことだったのかもしれません。

プロ入りまでの沢山の決断を「後悔していませんし、上手くいったなぁっていう感じです。」と振り返っていた篠山選手。大学を決めた時の話は「ちょっとズルかったかなとは思いますけど。」とはいうものの、ここまで分析して実行できる人はそういません。
決めていた道と、それを信じて突き進む気持ち、負けず嫌いが生んだたゆまぬ努力がなければ実現は不可能だったはず。そして最後は人の縁が加わって見事、篠山少年が描いた青写真は現実のものとなりました。

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その後、キャプテンとなった篠山選手。チームは昨年NBLのラストシーズンを制覇。
そしてBリーグ開幕イヤーは中地区を圧倒的な勝率で制覇し、チャンピオンシップ進出1番乗りを決めました。
週末はホーム・とどろきアリーナで行われるレギュラーシーズンの最終戦。サンロッカーズ渋谷との2連戦が待ち構えています。

対渋谷戦は今シーズン6回対戦して5勝1ですが、直近の2連戦では1勝1敗。
渋谷は元NBAのロバート・サクレを補強してチームが成熟し、勢いに乗ってチャンピオンシップ進出を決めました。
直近の対戦を経て感じたサンロッカーズ渋谷について篠山選手は「勝率以上にチーム力が高い印象です。リーグの中でもトップクラスのディフェンス力がありますし、前回はプレッシャーディフェンスにうちが逃げてしまってターンオーバーが増えてしまった。1戦目は凌ぎましたけど、内容的には渋谷のゲームだったんじゃないかと思います。」と結果には満足していない様子。

ゲームのポイントについては「うちのディフェンスかなと思います。得点力もありますが、チームとしての伝統は“ディフェンスのチーム”です。ただ今季はそこが甘いというか、失点が多くなっています。失点を抑えることでよりオフェンスのリズムも出来てくると思いますね。」と語ります。
また、チャンピオンシップの初戦でも渋谷と対戦する可能性もあることから「(渋谷の)サクレのインサイドプレイと3ポイントシューター陣をしっかり押さえることが大事ですね。渋谷はうちのチームに対して感触が良くなってきていると思うので、結果だけではなく内容的にもチャンピオンシップで戦いたくないと思わせるような展開にしないといけないので、エナジーを出して戦います。」と意気込みを語ってくれました。

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川崎アリーナ(w680)

篠山選手もチームも、目標はあくまで“Bリーグ初代王者”。
さらなる高みを目指す篠山選手のサクセスストーリーはまだ続きます。
プレーと共にぜひ会場で確かめてください。

川崎ブレイブサンダース vs サンロッカーズ渋谷
開催日:5/5(金・祝)18時~、6(土)15時~
会場:川崎市とどろきアリーナ(JRほか武蔵小杉駅から各バスで8分「とどろきアリーナ前」で下車徒歩5分、JR武蔵中原駅から徒歩15分)
チケット:https://www.bleague-ticket.jp/club/tk/
川崎ブレイブサンダース:https://kawasaki-bravethunders.com/
Twitter:https://twitter.com/brave_thunders
Facebook:https://www.facebook.com/bravethunders/

次回は5月8日(月)の更新予定。
引き続き川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手に目前に迫ったBリーグチャンピオンシップについてお話を伺います。

(清水久嗣)

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