5/5(金･祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！
マクロン氏ほぼ当選確実か？
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹･外交評論家)
演説するフランス大統領選の中道系独立候補マクロン前経済相=20170501フランス･パリ 写真提供：時事通信
政治経験のないマクロン氏に、プライドの高いフランスを率いることが出来るのか？7日に行われるフランス大統領選挙の決戦投票を目前に控え、決戦投票で争う２人の候補が3日、テレビ討論に参加し、終了後の調査で、中道系のマクロン前経済相が優勢となった。また、マクロン氏は、討論で偽のニュースを流され、名誉を傷つけられたとして、極右政党「国民戦線」のルペン候補を告訴しました。
高嶋）テレビ討論もかなり白熱したようですね。
森田）フランス大統領選挙決戦投票が7日に迫っているのですが、3日にテレビ討論が行われました。議論は白熱し、「嘘つき」、「愚か者」など、罵りあう場面も目立ちました。「国民戦線」のルペン党首が、マクロン前経済相の追及で、答えを窮する場面も多くありました。視聴者を対象とした終了後の調査では、マクロン氏の勝利が63％、ルペン氏の勝利が34％で、マクロン氏に軍配が上がりました。討論の中では、ルペン氏がマクロン氏に対し、「あなたが租税回避地のバハマに口座を持っていることを、みんなが気付かないように願っている」と発言し、これに対してマクロン氏側は「租税回避地に口座を作ったことは1度もない」と否定し、ルペン氏を告訴しました。このまま大統領選で仮にマクロン氏が勝ったとしても、マクロン氏が率いる「超党派」の前身は、議席を持っておらず、今度6月の下院選挙で過半数を獲得するのはまず不可能。なので、「どのような連立政権をくむのか？」これも大きな課題となっています。
高嶋）マクロンさんは素材としてはすごいのでしょうが、政治経験もないそうだし、いきなり経済大臣からなので。これでプライドの高いフランスを率いていこう、というのは大変なことですね。
宮家）そもそも政治経験がないから、ここまで浮上してきたわけですよね。既存の政党は嫌だったから。おもしろいことに、今回の大統領選挙は決戦投票でしょう？ だけど、両方あわせても支持率が５０％に達していない。ということは、おそらく過半数の有権者は意中の候補がいない、ということですよ。
高嶋）みんなそれぞれ2割近く票とって、ドングリの背比べに。
宮家）マクロンさんが勝つとは思うけど、39歳で経験のない人が、フランスのような言いたいことばかり言う人たちを束ねていくのは、大変なことだと思いますよ。
高嶋）とは言っても、なってしまうわけですよね。
宮家）なってしまう。それで化けるかもしれません。それは常にあり得ることですから。ですが、化けなかった場合、かわいそうですね。
高嶋）だけど、今聞いてると、6月に下院選挙、全然部下というか、手下がいない？
森田）新しく作った「超党派」の市民運動ですので、ちゃんとした政党としての議席はないのです。
票の上澄みを狙いルペンさんはユーロ圏離脱を取りやめ？高嶋）それで、今日の新聞を見ると、ルペンさんが票の上澄みに躍起になっていて、ユーロ圏離脱を修正しにかかっているということですが。
宮家）土壇場でみっともないことをやっていますね。
高嶋）棄権する予定の人に、「この辺を修正するから、1票淹れてよ！」みたいな。
宮家）今回の選挙で仮に極右。あまりいい言葉ではないですが、ナショナリズムの、もしくはポピュリズムの勢力が、この間、いちおうオランダでは勝たなかった。これでフランスでも同じ状況だとすると……
森田）これで何とか収まるかな？
宮家）いえ、分からないですよ？ 私はむしろ治まらないと思います。私の注目は、マカロンが勝つのは当然だとしても、ルペンさんがどのくらい第1回で投票したときの得票を増やすことができるか。上澄みに躍起というのは本当にその通りで、どれだけ増やせるかによって、おそらく将来が見えてくるのではないかと思っています。
高嶋）お父様(ジャンマリ・ルペン)の頃に比べるとずいぶん穏やかになりましたね。
宮家）お父さんは無茶苦茶でしたからね。それをやったら、やはり彼女のハードコアの支持者は「なんだ？」と。
高嶋）ジャック・シラクが、お父さんのときに対抗馬で「党首討論は嫌だ」と言って断った、と言う記事があるのですが、要するにフランスは、極端が好きな人がたくさんいるのですね。
宮家）右から左まで、たいしたものですよ。
高嶋）日本も、もっと個性豊かになっても……
宮家）ハハハ、あんなのになってはいけないと思いますよ。しっかりした中道の人たちが頑張るのが、あるべき姿ではないですかね？
