4/28(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
既存政党への不満~ルペンが当選すればフランスもEU離脱
6:29~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター:宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
中道派のマクロン氏と極右政党のルペン氏~5月7日に一騎打ち高嶋)フランスの大統領選挙、どの候補も2割前後のお団子の背比べをやっていましたけれども、第1回の投票は、上位2人はマクロンさんとルペンさんということになって、いよいよ5月7日に決選投票が行われますが、この投票結果についてはどう思われたのですか?
宮家)何でこんなにまとまらないのですかね、この国は? もう一発で決めて欲しいと思いませんか? 何回やってもこんなのばかりですよね。だけど今回一番大きいのは、既存の政党が負けちゃったということですよね。ということはこれやっぱりエスタブリッシュメントに対する不満がある、ということは私がいつも言っている“ダークサイド”がフランスにもあるということですよね。
高嶋)社会党に至ってはオランドさんが2期目も狙えないという、降りざるを得なかったというね。
宮家)そういう意味ではフランスで一番恐ろしいのはルペンさんみたいな人が大統領になっちゃうことなのですが、イギリスの離脱も当たらなかったし、トランプの勝利も当たらなかったのだから、ここで「ルペンが勝つ」なんて言いたいけど「外れたらどうしよう……負けると思いますけどね」という話ですよ。ですから今の状況はやはりフランスでも危機的な状況が、この間オランダではある程度抑えたけれども、フランスにだってこの嫌な雰囲気は残っている。
中道系独立候補・マクロン前経済相高嶋)ルペンさんも親父の頃みたいにひどいことは言わないけども、でも右も左も無い、みたいな、票集めの上手い台詞を言って。そして私はマクロンさんで思うのは、確かに良い男かもしれないけど、何をやった人なのかね?
宮家)いや何もやっていないから選ばれるのですよ。
高嶋)そうか、分からないですね、よく。
宮家)だって今までに手垢が付いていないのですから。
高嶋)経済大臣をやって、引き上げられて、まだ39だって言うでしょ? 優秀だろうと思うのですけど、それで、何かやったのですかね? オランド政権では?
宮家)私はあまり聞かない、知らないですね。だけど、だからこそこうやってダークホースで上がって来る、そこは良いのですけどね。でも何かけっこううかれちゃっているんじゃないの? もう勝った気になったりして。
それは止めた方が良いですよ。驕りとかスキャンダル、これは止めて下さいって。だって彼がコケたら、候補2人しかいないのだから、ルペンが勝っちゃうのですよ。浮かれている暇無いので、ちょっと真面目にやって、という感じです。高嶋)今マクロンさんが言っていることは極めて普通のことですよね。
宮家)中道ですよね。イギリスが出て行っちゃったのはしょうがないかもしれないけど、フランスとドイツがちゃんと手を繋いでいなきゃEUは成り立ちませんから。その意味では方向性として正しいと思います。
極右政党「国民戦線」党首・ルペン氏高嶋)もしルペンということになると、トランプさんが大統領になった時も、全然見ず知らずの妙なおじさんが入って来ていろいろあったじゃないですか。そんな様なことになっていきますか?
宮家)じゃないですかねぇ。でも大統領制だからね、フランスも。人がガラッと変わって大統領府がホワイトハウスみたいになるかどうかは別にして、大混乱になるでしょうね、それは。だってEUから出るって言っているのだからね。
高嶋)EUから出るし、それから移民の制限の中でいわゆる宗教的なことを言うじゃないですか。
宮家)だけどあれだけ陸の国境が多い国で、どうやって止めるのですかね? そうしたらEUの夢というか、ヨーロッパの統一、合同とか、そういう世界じゃなくなっちゃうのではないですか? バラバラしてきちゃって、またヨーロッパが弱体化していくのではないかと心配ですよ。
高嶋)どっちが選ばれても先が見えないみたいな、どうでしょう?
宮家)どうですかねえ。まあ39歳で若干若いけど、頑張ってもらうしか無いのでしょうけどね。さもないとちょっと厳しいかなぁ。
高嶋)既成政党がこれだけうまくいかないのは、どういうことなのですか?
宮家)やっぱり行き詰っているのでしょうね。これは世界的な傾向ですからね。今まで上手くやっていてもやはり情報がこれだけ速く進んで、皆分かっちゃう訳ですよ。
高嶋)日本にもこんな時代が来ますかね?
宮家)いやあ、日本はまだ既成政党一つが頑張ってもらえるけど、他の既成政党がちょっとおかしいから、もしかしたら次はどうなるか分からないと思いますね。
高嶋)5月7日、どういう結果になるでしょうか。