5/19(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！④
トランプ大統領外交デビュー～5カ国歴訪へ
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹･外交評論家)
中東3カ国訪問後、G7会議出席アメリカのトランプ大統領は、19日、就任後初の外遊で中東とヨーロッパ、併せて5カ国の歴訪に出発します。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の中心地を回り、宗教を越えた結束を訴えた後に国際会議に出席し、華々しい外交デビューを狙います。
高嶋）歓迎される客なのか、招かれざる雰囲気の客なのか。
森田）トランプ大統領は19日、就任後初の外遊に出発します。まず20～21日に滞在する最初の訪問国、サウジアラビアでは、過激派組織、イスラム国掃討へ連携を強化するため、50カ国以上のイスラム諸国の指導者を集めた大規模な会議を開くとのことです。その後イスラエルに移動し、ネタニヤフ首相や、パレスチナ自治政府のアッバース議長と会談します。イスラエルのアメリカ大使館の。エルサレム移転については、どうも発表しない方向になっているようです。その後24日にバチカンに移動しローマ法王と会談し、ベルギーのブリュッセルではNATO首脳会議。そしてイタリアのタオルミーナで、26～27日にかけて、G7サミットに出席します。ですが、ロシアに機密情報を漏らしたとされる疑惑が表面化しており、ニューヨークタイムズは、ニクソン大統領がウォーターゲート事件の最中に中東を訪問したことを引き合いに、今回の歴訪を「政治の嵐からの逃避行」と皮肉っています。
高嶋）またいろいろと戦いになりますね。普通だとアメリカ大統領というのはカナダに行くとか、普通はもっと早く動きますよね。
宮家）そうですね。ですが、オバマさんのときに中東政策が大きく変わり、イランを重視し始めて。それに対してサウジアラビアとかイスラエルが激怒したのです。ですから、それを元に戻すというか、オバマ外交をある意味では否定しているのですが、やはりサウジアラビアとイスラエルの問題というのは大事ですからね。それを最初に行くというのは、私もそれは必要なことかな、という気がします。
高嶋）なるほど。真剣さがその辺に伺えると。
宮家）ですから、逃げているだけではなくて、これはサウジアラビアとの関係はしっかりしておいた方がいいと思います。
高嶋）イランのことは選挙中からずっと言っていましたね。
宮家）イランは相当したたかな国だから、うまくやったのですよ、オバマさんと。だけど、彼らが本当に核兵器を放棄するとはとても思えないので、やはり慎重に対応するのは、決して間違いではないと思います。
高嶋）サウジアラビアと主にする話というのは、どのようなものですか？
宮家）やはり、イランの問題を真剣に考えて、あの地域の安定をどのように維持していくか、ということを。さらにはもちろん、シリアの問題にイラクの問題。さらにイエメンの問題。話すことはいくらでもあります。
イスラエルは事実上の同盟国としての立場をアピールするチャンス高嶋）迎える側にとっては、本当に特異な存在の大統領。性格診断をするだけでも、けっこう気を使うでしょうね。
宮家）そうでしょうね。でも世界中がそれをやっているからね。世界中皆が困っているところだから、サウジアラビアだけではないと思います。特にサウジアラビアの場合、変なことを言われたら困るので、「黙っていてね」ということではないですかね。
高嶋）イスラエルは、どのような心境ですか？
宮家）イスラエルはこの間大事な情報を抜かれてロシアに行ってしまったので、本当は内心、怒り狂っていると思いますが、そこは大人だから。おそらく、うまくアメリカとの関係をしっかりしたものにする、そしてイスラエルの事実上の同盟国としての立場を伝える大事なチャンスですから。子供じみたことはしないと思います。
高嶋）大人の対応だけれど、言ってはいけないことはこの人に言ってはいけない、と。そんな姿勢かもしれませんね。
宮家）危なくて仕方がないですからね。なにをするか、本当に。
高嶋）バチカンもそわそわしているでしょうね。
宮家）まあね。でも本来はバチカンと政治的な問題になりうるはずはないので、本来ならそれは中東に行って。サウジアラビアはメッカとマディーナを守る国ですよね。そこに行ってからエルサレムやバチカンに行くというのは、すごいですよ、普通なら。でもすごくない、トランプがやると。何だか芝居じみてね、本当にうまくやって下さいよ、もう……
高嶋）G7にも文句を付けていますからね。これも何か言うのでしょうか。
宮家）文句を言うのは良いけれど、まず自分で仕事しろよというね。それをやってからでしょう。
高嶋）迎える側は皆そんな心境で、一応にっこり笑って、握手して。
宮家）お手並み拝見だと思いますよ。
