5/19(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
ロシア疑惑捜査本格化で特別検察官任命~トランプ大統領は解任で抵抗か?
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
特別検察官に、非常に優秀なベテランを起用高嶋)今日は新聞各紙が、「アメリカ司法省が大統領に反旗を翻した」と報道しています。FBI長官のコニーさんをクビにしたトランプ大統領に対して、ロシア疑惑の捜査を指揮する特別検察官にモラーさんという人を起用した。かなりのベテランですね。
宮家)そうですね。この人は12年間FBIで長官をやっていた。テレビで見る限りは、非の打ちどころのない立派な人物という高評価です。ですから、誰も反対はできないと思います。
高嶋)ホワイトハウスはずっと不要だと言っていたそうですが、これは今後、どういった展開になっていくのでしょうか?
宮家)これはホワイトハウスと司法省が喧嘩している、というよりも、法律家、司法当局は「法的にきちんとした捜査をして、ある程度独立した立場で決着を付けなければいけない」、と思うはずなので、きちんとやっているということですよね。それにふさわしい人を選んだということです。
アメリカは大統領の上に法がある国高嶋)こういうところがすごく「アメリカらしいな」と思うところではありますよね。
宮家)法の支配の国ですから当たり前で、大統領が法の上にあるはずはないのですよ。
高嶋)これでどうなるのでしょうか。「勝手にやればいい」みたいなことを言っている。そして、結論は「絶対自分が有利な結論になるに決まっている」というようなことを、大統領はまた言っていますが。
宮家)勝手にやると思いますが、どう考えても結論は大統領にとって不利になると思います。
高嶋)今日の産経新聞もそうでしたが、株価などが、トランプさんが大統領に就任してからずっと上がっていたし、それからいろいろインフラに金を使うとかもあったので、一種の「トランプ景気」みたいなものがありましたよね。これがガタンと沈んだ。
宮家)だけど、よく考えて下さい。これ、「トランプさんの正体というのはこうだ」と前から分かっていたはずなので、それにも限らずどうしてあんなに株価が上がるのか、僕にはよく分からなかった。ですからその意味では、来るべき物がきたのであって、みんな冷静になるべきだと思います。
高嶋)これは欧米・アジア株もね、連鎖しています。
宮家)無理して上がってきたものだから下がるのは当たり前だと思います。だって、これまでは何の材料もないのにどうしてこんなに上がるの? と思っていました。
トランプ大統領はモラー特別検察官を解任して支持率が下がる?高嶋)よもやトランプ大統領は、大変な人格者であるモラーさん。この崇高な方をクビにはしないでしょうね。
宮家)いや、するでしょう。
高嶋)します!? 本当に?
宮家)どこかの新聞に、「大統領は解任できない」と書いてありますが、私の理解は違うのです。1999年に、特別検察官に関する法律が失効してしまったのです。事件立法であって、法律ではたしかに保護されていた。「解任されない」と書かれていたのですが、今は司法長官の権限で作っていますから、当然解任できる。第二に、立派な人であればあるほどまじめに仕事をやる。まじめに仕事をやったら今まで出てほしくなかったものも全部出ますからね。
高嶋)捜査の予算とか期間とか無制限ですよね。
宮家)ウォーターゲート事件のときもなんやかんやで1年半くらいかかりましたが、結局テープがあって、出すか出さないかで大騒ぎして、テープが出たら「やっぱり言っているし、やっているじゃないか」となったわけですよね。
高嶋)あのときはニクソンさんがコックス特別検察官をクビにしましたよね。それで支持率が急降下して辞めざるを得なくなった。
宮家)だから、あまりワシントンをバカにしてはいけないというか、過小評価してはいけない。あの国はやはり法律に基づいてできている国なので、法律の上を行こうというのは無理なのですよ。
高嶋)ということはロシア疑惑というのは、形のない物ではない。
宮家)それはそうですよ。ロシアが、外国がアメリカ大統領選挙の中身を干渉して、もしかしたら変えたかもしれないという大騒ぎになっているのですから。
高嶋)ヒラリーさん、頭に来ているでしょうね。
宮家)頭に来ていますよ。「あれがなければ私は勝てた」と言いますが、それは負け犬の遠吠え。そんなことを言ってはおしまい。
高嶋)でも、密かに思っているでしょうね。