トランプ政権100日の評価とロシア関係 高嶋ひでたけのあさラジ！
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5/4(木･祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！①
“ロシアゲート”とは何か？
6:30～ニュースやじうま総研！ズバリ言わせて！：コメンテーター佐藤優(作家･元外務省主任分析官)
ホワイトハウスHP“The White House .gov”トップページより
講演料で儲けるのは アメリカでは普通のこと高嶋）トランプ政権が100日経って、その火種の中に、“ロシアゲート”と言う言葉が新聞で重点的に書かれています。これはどういう意味でしょう？ けっこう根深そうな感じがしますが。
佐藤）根深いといえば根深いです。と言うのは、共和党は基本的にロシアが嫌いなのです。それに対してトランプさんは「ロシアと仲良くしていこう」という感じなのですよ。だからそのバランスを間違えると、共和党内の基盤を失ってしまう。たとえば、フリンさんが「どうして辞めたのか？」ということで、かつてロシアの政府系メディアから500万の講演料を貰った。彼は当時民感じです。アメリカ人で、いろいろな講演をして500万とか1,000万とかもらうのは、全然珍しくないのですよ。2,000万くらい、よくあります。
高嶋）よく大統領を辞めると、講演料の話はよく聞きますね。
佐藤）どういうことかと言うと、アメリカでは公務員になると、20ドルを超える贈り物を一切受け取ってはいけない。それに給料が安い。だから実際は私財で仕事をしなければならない。なので民間人だったころにたっぷり稼いで、その私財を元手に仕事をする、というスタイルなのです。だから、将来政治の仕事をする人がお金を講演とかであちこちで稼ぎまくるのは、認められていることなのです。だから、もう少し何かが無いと、大きな話にはならないのですが、フリンさんはいわゆる新参者ですよね。これを入れると、国防総省の専門家達が混乱してしまう。それを避けようとしての辞任なのでは、と思います。バノンに関しても同じです。ですから、今はいろいろ、内戦のバランスを取っているのでしょう。
ロシアのサイバー攻撃そのものは、深い問題は無かった？高嶋）我々は「ロシアの関係が云々～」と言う話を聞いた時には、サイバー攻撃で、ヒラリーさんの邪魔をするというか、彼女よりも与しやすいと見えたトランプを当選させたいがために、みたいな。非常に表層的かもしれないけれども、そういう受け取り方をしていましたが、深いところではどのようなところ問題になっているのですか？
佐藤）深いところでの問題はないと思います。ロシアがサイバー攻撃しているのは確かですから。両方にサイバー攻撃しているのも確かですが、クリントン側の情報だけ出したのは間違いないと思います。問題は、FBIが、クリントンのメール問題。ここの部分だけを取り上げたことです。そこの裏で、1つのロシアカードがあった。ロシアがそれを得ていた場合、国益を毀損しているのではないか？ このような雰囲気を出している。そこでのロシアカードですよね。それが今、トランプに返ってきてしまっているわけです。ただ、政権を揺るがすような話にはならないですね。
トランプ氏が恒例の記者会パーティーを辞めたのは、すべて計算ずく高嶋）アメリカ大統領は毎年恒例で記者会とパーティーを開き、各大統領が面白いスピーチをして、みたいな習慣があります。あれを、トランプさんは辞めて、ペンシルバニアへ行って、支持者の前で「あいつらは相変わらず偽ニュースばかり」みたいなことを言って。あれのほうがびっくりしましたね。
佐藤）トランプさんにとっては、メディアのエスタブリッシュされた人たちとやるよりも、そうではなく、フェイクニュースだと騒いで、自分を支持するようなメディアやブロガーを刺激した方が得だ、という冷徹な計算だと思います。
高嶋）毎年。4年間やりますが、絶対でないのですか？
佐藤）いえ、そうではないとおもいます。雰囲気が変わればまた出て来ると思います。トランプは周囲の様子を見ながら、その時々の局面で判断しますから。何か大きな戦略を持っている訳では無いのです。一言でいうと、やりたいことが無いのです。彼のやりたいことは、大統領になることだったのですから。そうすると、今何をやりたいのかというと、大統領のポストを維持することです。だからそのために個別の局面で自分に有利な物を選んでいくやり方。アメリカ以外の国でやったら潰れます。しかしアメリカは圧倒的に強いので、こんないい加減なやり方でも持つわけです。
高嶋）トランプさんに迷いはない？
佐藤）判断する段階では迷うかもしれませんが、1度決めたら迷わないと思います。これはマキャベリが君主論で言っている、権力を維持する方法ですね。悩んでいても、もう決めたら迷わない。それについては考えない。こういうスタイルです。
高嶋）しかし、いい度胸ですよ。ホワイトハウスを支配。2,600人を超す人が集まるという。かつてはトランプも行っていたわけですよね。
佐藤）そう。ですがそれよりも、それを「エスタブリッシュされた偽ニュースだ！ こいつらは恵まれている」とやった方が得だというポプリズム計算で、少し田中眞紀子さんのようなところがありますね。
