4/28(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
トランンプ大統領~明日で就任100日
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター:宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
トランプ大統領の大統領令30件 難しい議会との調整高嶋)トランプ大統領を伺います。今日の日経新聞に、本当にその通りだなと思ったのですが「トランプ氏、大統領令を連発」。明日で就任100日ですけども、30件の大統領令を出していると。
でも私、ちょっと「ほ?」と思ったのですけども、過去の大統領が(大統領令を)いくつ出したかというのをずっとグラフで見ると、けっこう皆出していることは出しているのですね。宮家)出しているのですけど、トランプはハズレが多いのですよ。出したけど、裁判所にダメって言われちゃうわけですよね。だからそれを考えると、非常に内政の運営というのは下手だなと思いますね。
高嶋)なるほど。一方であれですけど、例のアメリカの大型減税、選挙の時に何度も言っていたわけですけどもね。例えば法人税なんか15%にしちゃうとか、所得税も下げるとか。まあ新聞がその反応で冷たい冷たい。もう議会との調整、「大困難は確実」「見えない財源」「実現に疑問「大型減税生煮え」。記事も小さくて、要するにこれが実現するなんて誰も思っていない。
宮家)まあそう言っちゃあ可哀そうなのだけど、確かにオバマケアの代替案というのもポシャったし、あの時に議会との関係が必ずしも好転していない、良くないですよね。あのまま物事を改善していないでしょ。
だけどオバマケアの代替案よりも遥かに減税の方が難しいです、関係者多いから。そして民主党は多いですから、それをまとめることを考えると「本当に今の体制で大丈夫なの?」と。それが一番心配ですよね。
選挙は強いが内政のバージョンアップは微妙宮家)それでやはりトランプさん、僕はいつも言うことですけども、選挙キャンペーンをやるモード、バージョン1.0と、それから統治をやる2.0があるのですが、外交安保についてはどうやら2.0に近づいている感じがするのだけど、内政、経済……経済はどうかな、内政の基本はまだ1.0、それか1.5くらいじゃないですか。
高嶋)言ったことは実際に「俺はやるんだ」ということを見せたいのですよね、常にね。
宮家)そう。それで去年投票してくれた人にまた投票して貰いたいからですよね。だけどそう言うだけじゃだめなので、ワシントンにはワシントンのルールが、日本にだって国会には国会のルールがあるわけですよね。そのルールを無視して「やるんだー!」って言ったって、これはやっぱりプロセスをちゃんと踏まなきゃ。
高嶋)これはいずれガッカリ来る時が来るのですが。その時にバージョン1.0で4年後に投票してやろうと思っていた白人の労働者だとかそういう人たちが心変わりしていくということは無いのですかね?
宮家)そうしないように「やっぱりワシントンが悪いんだ。俺は正しかったんだ。あいつらが悪いんだ!」ということで責任転嫁しなかったら投票を続けてくれないと思うのですよ。そういうことをちゃんとできる人だと思うので、政策はちゃんとやるかどうか知らないけど、選挙は強いのではないかなと思いますね。
高嶋)なるほどね。当人はそれで良いんだ。結構ギャーギャー言っていたけれども、外交とか経済とかはプロに任せるというか、そういう傾向にはなってきましたよね。
宮家)よく言えばプロに任せる、悪く言えば関心が無い、もしくはよく分かっていない。でもそれで良いのではないですかね、彼は。
北朝鮮問題を引き合いに議会との関係改善のねらいか?高嶋)昨日の北朝鮮、上院議員100人をホワイトハウスに集めてというのがありまして「そんなことするんだ」と思ったのですけども、でも出て来たものというのは、最初の内はもう「強力な艦隊を派遣してどうの」みたいな展開で「カール・ヴィンソンを展開させてどうしたこうした」みたいな、もうゲンコツ振り上げているみたいな感じでしたけど、出て来たものというのはやはり経済制裁を強めるというような、穏やかなね。
宮家)常識的なことですよ。それは当たり前ですよ。だって100人を呼んでおいて、そんな機微な話なんてしたら漏れてしまうじゃないですか。ましてや下院だったら400~500人いる訳でしょ、そら無理ですよね。第2にやはりトランプさんは先程も言った様に内政では議会との関係は非常に悪いですから、やっぱりここは100人お呼び寄せしてバスを仕立ててホワイトハウス・ツアーをやってもらって、上院議員に。それで少し関係を良くしようとしたのではないですかね。実質的な意味は無いと僕は思います。