北海道日本ハムファイターズの大スター選手… といえば、当然、「大谷翔平」！
…と言いたくなるところなんですが、“二刀流”大谷は、目下、怪我で調整中。
いま、栗山監督が「絶賛、売り出し中です！」と目を細める、大スター候補生が、近藤健介選手(23)。
【プロ野球交流戦日本ハム対DeNA】三回、先制点となる2点適時二塁打を放った日本ハム・近藤健介＝2017年6月1日 札幌市・札幌ドーム 写真提供：産経新聞社
プロ入り6年目の今シーズン、開幕から打ちに打ちまくっていて、ず～～～っと「4割以上」の打率をキープ！
交流戦に入りましても、その打棒の勢いは、とどまるところを知りません。
先週金曜日(※6月2日)には、開幕から出場「47試合」の時点で、まだ4割をキープ。
1973年に「安打製造機」張本勲さんがマークした「46試合」の球団記録を塗り替えました。
張本勲（はりもと・いさお）プロ野球、東映外野手（1963年7月18日整理）写真提供：産経新聞社
現時点(※6月7日現在)の打率はなんと… いまだ4割を死守、4割0分7厘！
こうなってきますと、まさかまさか…
近藤選手が日本プロ野球史上初「夢の4割打者」となる可能性も、うっすらと見えてきました！
そこで今日は近藤健介選手の4割達成を祈念いたしまして、プロ野球における「4割」という数字にトコトン、こだわってみましょう！
■メジャーリーグの「4割打者」
まず、海の向こう、メジャーリーグの「4割打者」ですが…
近代野球の節目とされる1900年以降、打率4割以上をマークした選手は、あの“球聖”タイ・カッブをはじめ、わずか8人しかいません。
最後の４割打者は1941年のシーズンに、打率「4割0分6厘」をマークした、テッド・ウィリアムズ。
以来、実に76年間、4割打者は出現していません。
つまり、メジャーにおいても、やはり4割は「夢のまた夢」なんです。
■韓国プロ野球 唯一の4割打者
では、おとなり、韓国のプロ野球界ではどうか？
実は、たったひとりだけ、「4割打者」が存在します。
それは… 日本でも活躍した、オールドファンには懐かしい、もと東映フライヤーズの、白仁天選手！
韓国プロ野球リーグが産声を挙げた1982年。
白仁天選手は、MBC青龍(※現在のLGツインズ)に入団。
監督兼選手として大活躍いたしまして、いきなり「4割1分2厘」をマーク！
韓国プロ野球界の初代首位打者に輝くとともに、栄光の「4割打者」となりました。
しかしそれ以後は、ただのひとりも4割打者は出現していません…。
プロ野球 試合でホームランを放ち、尊敬する先輩・張本勲（右）に祝福されながらホームインする、東映の白仁天（ペク・インチョン、右から2人目）＝1973（昭和48）年 ※対戦カードは不明※ 写真提供：産経新聞社
■日本球界で4割に挑戦した男たち
さて、日本のプロ野球界で、これまでに「4割にもっとも近づいた男」とは、誰でしょうか？
ファンやマスコミを、いちばん「その気」にさせたのは… ズバリ！
全盛期の落合博満さんです。
2年連続、3度目の三冠王に輝いた落合(ロッテ)は198６年のシーズンオフ、世紀のトレードで中日に移籍しました。
年が明けた1987年の1月。スポーツニッポンが、物凄い記事を載せました。
ロッテの背番号6から中日の背番号6になった、落合博満内野手。(※中略)
中日ファンへのすごい“お年玉”を口にした。
「今年の目標は？」
と問われると、
「まだ、セ・リーグのことはよく知らないけれど、打率4割、本塁打70本、200打点。僕がこれだけ打てば中日は必ず優勝する」
と答えた。
…どうですか？ 「打率4割、ホームラン70本」ですよ！
しかも、これを大真面目に答えたというんですから当時の神主打法の御威光は凄まじかった！
この年のシーズン、結果は「3割3分1厘」でしたが、終盤まで首位打者争いを演じるあたり、さすがの役者ぶりでした。
プロ野球 中日対巨人 9回裏2死 中日・落合博満がサヨナラ３ランホームランを放った＝1989.8.12 ナゴヤ球場 写真提供：産経新聞社
さて、打率の記録を紐解きますと…
歴代最高打率は、1986年にランディ・バース(阪神)がマークした、「3割8分9厘」。
このシーズン、バースは、「あと6本」ヒットを打っていれば、4割に届いていたそうです。
鈍足のバースでしたが、あともう少し足が速ければ、楽に4割打者となっていたことでしょう。
バースに続く2位は、2000年にイチロー(オリックス)が記録した、「3割8分7厘」。
当時、イチローは、「本塁打がゼロでいいなら、4割は打てる。」と言っていたとの伝説もあります。
プロ野球阪神対巨人 7回裏、バースが中越えに2ランホーマー（バース、掛布、岡田がバックスクリーンへ3連続ホームラン）写真提供：産経新聞社
プロ野球 オリックス・イチロー 写真提供：産経新聞社
さぁさぁ、そして… 実は、バースよりもイチローよりも「4割打者」に肉薄した男がいます。
それは… 1989年の、ウォーレンクロマティ(巨人)。
このシーズンのクロマティは、開幕から97試合目、夏の終わりの8月20日時点で「4割0分1厘」をマーク。さらに、ここで、当時の130試合制での規定打席にも達していた。
つまり、この日以後、「怪我した～」とかなんとか言って欠場していれば、日本プロ野球史上初の「4割打者」が誕生していたはずなのです！
しかし、ペナントレース最中に主力選手を外すことなどできるはずもありません。
結果、クロマティはそのあと打率を下げてしまい、最終的には「3割7分8厘」という結果となりました。(※それでもスゴイ成績ですが…)
巨人のクロマティ外野手（背番号49番）ホームランを放ちガッツポーズでマウンドを一周＝神宮球場 写真提供：産経新聞社
■近藤健介の「4割」の可能性は？
こうしてみると、やはり「4割」というのは、届きそうで届かない大変な記録のようです。
では、ひるがえって、近藤健介の4割の可能性はいかに？
せっかくですから、夢のあるお話を並べてみましょう。
・近藤は「左バッター」だから、4割を打てる！?
左バッターは、一塁への距離が、右バッターよりも、50cmも短い！
ゆえに、打率を上げるうえでは右バッターより有利とされています。・近藤は「選球眼がいい」から、4割を打てる！?
今シーズンの近藤は、「出塁率」が驚異的！6月7日現在で、なんと「5割6分7厘」です。
しかも、「四死球の数」もダントツの「58」個。
これは、とりもなおさず、選球眼の良さを示しています。
打撃には好不調の波があると言われていますが、選球眼には波がないと言われていますので、これも4割達成の好材料ですね。・近藤は、なんでもできちゃう天才肌だから、4割を打てる！？
かつて、横浜高校の「超高校級キャッチャー」として鳴らした近藤健介。
現在は主にDH（※指名打者）を務めていますが、キャッチャーのみならず外野も守れます。
とにかく「器用」なんです！
ゴルフのハンデは一桁つまりシングルの腕前！ボウリングのベストスコアは230！
いわば、何刀流もこなす、天才アスリートなんです！
ちなみに日ハムの栗山監督は、近藤健介のここまでの打撃成績の感想を訊かれて、こう答えています。
「コンちゃんなら、(こんなの)普通。」
… さぁ、どうでしょう？ ひょっとしたらひょっとする、近藤健介、「4割」達成！
ほんのちょっぴり、ドキドキしてきませんか？
6月7日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ！「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
