藤井聡太四段でブーム到来!プロ棋士「天才・奇人」伝説【ひでたけのやじうま好奇心】

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加古川青流戦で竹内雄悟四段を破りデビュー後の連勝記録を「18」に更新した藤井聡太四段(左)=20170518大阪市福島区関西将棋会館 写真提供:産経新聞社

加古川青流戦で竹内雄悟四段を破りデビュー後の連勝記録を「18」に更新した藤井聡太四段(左)=20170518大阪市福島区関西将棋会館 写真提供:産経新聞社

その勢いたるや、もはやとどまるところを知りません。
将棋の史上最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14)。先週金曜18日、竹内雄悟四段(29)との対局を制しまして、デビュー以来の公式戦連勝記録を「18」に伸ばしました。
これまでのデビュー連勝記録の「11」はもうとっくに抜いていますが、「18連勝」というのは、全体でも「歴代7位タイ」となる大変な記録。
いまや、藤井聡太四段ばかりが「天才」、あるいは「怪物」と騒がれているフシがありますが…
将棋に詳しいヒトに言わせますと、別に藤井クンだけが天才というわけじゃないのだそうでして、「将棋さし」ってのは、そもそも「全員が天才」なのだそうですよ。

将棋ファンならば必ず持っていると言われる名著『棋士・その世界』(中平邦彦著・講談社文庫)という有名な本に、こんな一節があります。

「棋士は天才である。新聞の字もまだ読めない頃から町で一番強く、物心つくころには県内で敵う者なし。えらい天才が現れた──と大騒ぎになり、郷土の衆望をになってプロ入りする。ところが入ってみると、周りの少年が、みな自分と同じか、それ以上の子供たちだ。そんな天才ばかりが、将棋ひとすじの修行を十数年もやり、高段者になっていく。ウルトラ大天才になっていく。つまり将棋連盟は超天才の集まりだ。
1億の中から選ばれた、たった100人のエリートだ。」

さらに、将棋雑誌『近代将棋』名物社長だった、亡き永井英明さんは、生前、こんな言葉を残しています。

「棋士たちは、勝手放題に伸びている木に似ています。子供をそのまま大人にしたように、純粋なんです。」

コレ、非常によく分かりますね…。
プロ棋士というのは、われわれ凡夫とは全く違う世界に生きている、純粋培養の天才なんです!
でも、だからこそ、いい意味で、変わってるヒトも多い…。
今日は、古今東西、将棋さしの「天才・奇人伝説」を紹介いたしましょう。

■羽生善治九段(46)

三浦弘行九段の復帰戦に臨む羽生善治三冠(竜王戦)=20170213東京都渋谷区将棋会館 写真提供:産経新聞社

三浦弘行九段の復帰戦に臨む羽生善治三冠(竜王戦)=20170213東京都渋谷区将棋会館 写真提供:産経新聞社

まずはご存じ、羽生善治九段。
このヒト、いっぷう変わったクセがあるといわれています。
なんと、対局中に、相手が悪手を指すと、ため息をつくんです!
「はぁ~あ… そんなところに打ちますか」と、口には出さないまでも、ため息が出ちゃう!
ため息をつかれたほうはというと、この羽生さんのクセを知っていますから、愕然と致しまして、負けを確信!
「あ! 羽生さんのため息が出た!」「こりゃもうダメだ!」なんてんで、あとは自滅への道をまっしぐら… となってしまうのだそうですよ。

■佐藤天彦(あまひこ)九段(29)

【将棋電王戦第2局】PONANZA対佐藤天彦叡王=2017=20日午後兵庫県姫路市姫路城 写真提供:産経新聞社

【将棋電王戦第2局】PONANZA対佐藤天彦叡王=2017=20日午後兵庫県姫路市姫路城 写真提供:産経新聞社

女性の将棋ファンから「貴族」というニックネームで呼ばれている棋士がいます。
それが、名人位も獲得したことがある、佐藤天彦九段(29)。
なにしろオシャレで趣味もお上品。好きなブランドは「ドルチェ&ガッバーナ」。
いつも「クラシック」を聴いていまして、大一番となると、天女を思わせる真っ白い羽衣を身にまといます。
そんな佐藤九段が、一躍その名を馳せましたのが、ほかならぬ羽生さんとの一戦だったんです。

2015年9月、羽生さんとのタイトル戦「王座戦」でのこと。
負けが近づくと、佐藤天彦九段は大きく頭を抱え、自慢のヘアースタイルを、もてあそび始めました。
さすがの「貴族」も負けを認められず、ご乱心か… と思ったそのとき…
佐藤プロは、ふところから、すっと、「リップクリーム」を取り出したのです。
そして、それを丁寧に唇に塗ってから、優雅に、こう言ったんです。「負けました」。
この場面、「リップクリーム投了」と呼ばれてて、「史上もっとも優雅で美しい負け方」と言われています。
タダじゃあ負けない… さすがは「貴族」だと思いませんか?

■大平武洋(たけひろ)6段(40)

大平武洋6段も、いっぷう変わっています。
2005年に解散したガールズバンド「ZONE」の大ファンでして、「(メンバーの)MAIKOが芸能界を引退したら自分も将棋をやめる」とブログで発言したことも!
そんな中でやってきた、2005年3月18日「ZONE」解散コンサートの日。
大平プロは、あいにく、「竜王戦昇級者決定戦」という大一番の予定が入っていました。
さぁ、大平プロは、どうしたか?
なんと、すべての手を1手1分未満で指しまして、持ち時間を1分も使わずに勝利したんです!
持ち時間を全く使わずに勝つ… というのは、将棋界で史上3人目という大変珍しい記録。
そのまま大平プロは、解散コンサートに直行!
みごと、「間に合った」というんですからスゴイじゃありませんか!

■米長邦雄永世棋聖(2012年12月18日逝去享年69歳)

続いては、私も大変なかよくさせていただいた、今は亡き、米長邦雄永世棋聖。
まぁ、数々の伝説を残しておられます。
なにしろ、将棋連盟の常任理事という要職にありながら、将棋連盟の公式ホームページでダブルピース!

将棋連盟,20110526役員一覧

将棋連盟,20110526役員一覧

さらに、こんな愛すべきエピソードも。
米長さんはスイカが大好物で、広い庭をつぶしてスイカだけを植えたところ、収穫は3個ぽっち。
作家の山口瞳さんに「八百屋さんで買ったほうが安いわよ」と指摘され、そこで初めて気付いて、
盆栽に変更したそうです。

さらに米長さんは、実にシャレた言い回しや名言の数々を残したことでも知られています。
ある雑誌が米長さんにインタビューの申し込みの電話をかけたところ、こう答えたそうですよ。
「コーヒー的ふんいきですか。それとも、ウイスキー的ふんいきですか。」
… シャレてますね~!

棋士の名言は、枚挙にいとまがありません。
たとえば加藤次郎名誉九段は、こんな名言を残しています。
「技量は同じだ、体力も同じだ。だが今日は、オレのほうが敵よりツメが長い。だからオレは勝つ。」

升田幸三九段は、現役時代の長嶋茂雄さんをつかまえてこういったそうです。
「野球なんてボールひとつしかないじゃないか。プロならば、目をつむって打つか、逆立ちして打て。
将棋は駒が多いもんだから、何がくるかわからん。それでもアマ相手なら目をつむって勝つぜ」
さすがの長嶋さんも、このときには苦笑いするほかなかったそうですよ。

昔の将棋界には、豪快なエピソードもたくさん残っています。
ハワイでおこなわれた、第1回棋王戦でのできごと。
内藤九段や芹沢八段ら、当時の将棋界の重鎮らが大挙してハワイに乗り込み、レストランへ一直線。
「水割り」を所望した棋士のひとりが、大声でこう呼ばわった。
「ウォーター・カット!」(※なんだか気持ちは分かりますね~~~)
まったく通じず、全員が「二度とくるか!」と、ご機嫌ななめになったそうです。

最後に、昔の「将棋さし」たちが、お酒を飲むと口ずさんだという、
実に豪快でシャレている都都逸を御紹介しましょう。

「立てばパチンコ 座ればマージャン 歩く姿は千鳥足 銀は千鳥に進むべし」。

どうですか、カッコいいでしょう?
「オレたち、一風変わってて、いつも遊んでいるようだけど、やるときゃやるぜ!」
「なにしろ、オレたちゃ、天才なんだ!」
そんなプライドが、立ち昇ってくるようじゃありませんか。

藤井聡太プロでにわかに沸き立つ将棋界。
棋士ならではの「天才・奇人伝説」を紹介いたしました!

5月24日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00


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